《原稿用紙1枚で考える》きれいな手ぬぐいと汚れた手ぬぐい

武重です。手ぬぐいにどんなイメージを持っていますか?

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きれいな手ぬぐいと汚れた手ぬぐい

「帰るなら帰るって言ってくれないと!」なんて言いながら母は台所に飛び込んで、急須やら湯呑みやらを持ってきた。エプロンからぶら下げていた手ぬぐいで手を拭き、手早く急須から湯呑みに茶を注いだ。

「前から手ぬぐいなんて使ってたっけ?」
「ずーっと使っとるよ」
「私がここにいたときも?」
「もちろん」
「そっか」

東京で手ぬぐいはオシャレなアイテムとして人気が出ていた。若いデザイナーが作ったかわいい手ぬぐいが専門店で売られている。東京ではいつだって新しくてかわいいものが人気だ。

「手ぬぐいなんてシャレてるね」
「手ぬぐいが? あんたバカじゃないの」

母は使っていた手ぬぐいを広げて見せた。全体的に少し黄ばんでいてシミがいくつもあった。

「その手ぬぐい、私にちょうだいよ」
「欲しいなら新しいのがあるから、そっちを持ってき」
「それがいいの!」

首を傾げる母と対照的に、私はもう少し東京で頑張れそうな気がしていた。


あとがき

実は私も手ぬぐいが好きでして、何枚も持っています。

御徒町や浅草に専門店があり、ときどき東京に行くと、寄っては1枚買ってしまいます。

古い伝統的な柄から、鮮やかな、あるいはポップな現代的な柄まで、いまは手ぬぐいもデザイナーズアイテムかと思えるくらいの品揃え。なかなか楽しい遊びです。

しかも長機能的で、濡れてもすぐに乾くし、細長い形が使いやすくて、いろんな用途で自由自在。

手ぬぐい。いいですよ〜。

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《原稿用紙1枚で考える》

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ケン

原稿用紙1枚の物語

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