《原稿用紙1枚で考える》酒で悔やむこと

酒に関して悔やんでいることがひとつだけある。飲み過ぎた粗相などではない。生まれて初めて飲んだ酒の記憶がないのだ。

最初の酒はビールだったのだろうか? それとも日本酒だったのだろうか? たぶんどちらかだと思うのだけど、分からない。

初めて自分で行った回らない寿司も、初めて食べた神戸牛の味も覚えているのに、一番大切な酒の記憶がないのでは、苦味のないビールのようではないか。

誰かから勧められて飲んだのか。それとも隠れてこっそり飲んだのか。はたまた間違って飲んでしまったのか? うまかったのか、マズかったのか、サッパリ分からない。

人生最大のイベントを見逃してしまった気がするのだ。

もしその初めての酒で、飲み過ぎて記憶を失ってしまっていたとしたら最悪だ。万が一思い出す日が来たら、粗相の記憶がひとつ増え、酒がまたひとつ苦くなるだろう。だから思い出せないことは思い出さない方がいいのかもしれない。

〜 あとがき 〜

酒の話題には事欠かない。好きな酒、嫌いな酒、好きな飲み方、嫌いな飲み方、好きなつまみ、好きな店、好きな飲み仲間、嫌いな飲み仲間、好きなバー、嫌いなバー……

飲むのはもっぱら日本酒とビール。理想はチョイとビールを飲んで、あとは延々日本酒がいい。つまみはあってもなくてもいい。あるなら濃い味のものをチビチビ食べるのが好きだ。

と、酒の話はいくらでもかけるのだけど、唯一書けないのは「初めての酒」のこと。いつ飲んだのか、誰と、何を、どうして飲んだのか……。サッパリ思い出せない。

きっと、それはそれはステキな体験だったのだろうと思うのだけど、とんでもない体験だったのであれば、思い出したくもない。

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《原稿用紙1枚で考える》

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ケン

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