万年筆のこと

「さァ、なにを書こうか」

机に座って万年筆を手に取りランプにかざしてみる。インクが残り少ない。机の隅にあるインク瓶を引き寄せる。ペン先をインクに浸し、息を止め、そっと吸い上げる。布きれにペン先を当て、余計なインクを拭きながら、止めていた息を吐き出す。

紙と筆記具が好きだ。白紙とペンがあればしばらく退屈しない。どんな壮大な物語も、笑えるコメディも、泣ける恋愛も、宇宙の果てだって、白紙とペンからできている。

中でも万年筆はいい。わたしにとって最高に書きやすい1本でも、他人には掠れて書けなかったりするのがいい。誰にでもいい顔するやつより、自分にだけ笑ってくれる人のほうがいいように。

なにを書いていいか分からないとき、やっぱり万年筆を手に取る。

「意味はないけど、書き味を確かめるためだけに1行書くんだ」

そう言い聞かせると、自然と書き始めることができる。

「さァ、なにを書こうか」

〜 あとがき 〜

今日は万年筆のことを書きました。今回はちょっと文章全体の構成に工夫を持たせています。いかがでしたでしょうか。

さて、万年筆のこと。

わたしはメインで2本持っています。堅いやつと、柔らかいやつ。語り始めるとマニアックなところに行きますので控えますが、2本を気分で使い分けていますね。

自分に合わない万年筆を使って「書きにくいな」と敬遠してしまった人って多いと思うんです。それってすごく残念なこと。

万年筆って恋人のようなものなんです。

「こいつ、なんでこんな女 or 男と付き合ってるんだろう?」

って思うことありますよね。でも、本人にとってはばっちりの相性だったりする。友だちのステキな恋人を借りたところで幸せにはなれない。だから人は自分に最適な恋人を求め、何度も繰り返して恋愛をするわけです。

万年筆だってそういうものですよ。

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ケン

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コメント3件

パイロットのヘリテイジ92を使っています。プランジャにも手を出したいと思っていたり。万年筆いいですよね。
ケイさん ヘリテイジ92いいですね。悩んだ一本でした。万年筆って本当最高の筆記具だと思います。
ドルさん ありがとうございます。そのひと言にどれだけ勇気づけられるか。これからもよろしくお願いします。
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