大事なときのコーヒーは苦くないといけない

朝起きて一杯のコーヒーを淹れる。それを机に置いて椅子に座ると、不思議と気が引き締まる。

カフェインなんて関係ない。だって飲む前から気は引き締まっているから……。

子どもの頃、コーヒーは苦くてマズい、大人の飲み物だった。それが大人の飲み物だというだけで飲みたくなった。

朝、親が飲んでいる横で「ぼくも」と言ってみる。小さなカップに分けてもらったコーヒーはどう考えてもおいしくなくて、少しだけ口に含んで、あとはこっそり流しに捨ててしまう。だけど、口の中に残る苦さのおかげで、この日は1日大人になれた気がした。

今では味も好きになったコーヒーだけど、気を引き締めてくれているのは、幼い頃、背伸びして飲んだあの苦い記憶だと思う。

だから大事なときのコーヒーは苦くないといけない。

〜 あとがき 〜

「原稿用紙1枚で考える」連載は今回で2回目。

題目だけは書く前に決めているけど、その先はまったく無計画に、ペンに任せて書き進めています。だから、どう終わるか、自分でもわからない。

それでも一行ずつ考えて考えて書いていくと、不思議となにか結論に繋がっていく。だから「原稿用紙1枚で考える」であって「書く」ではないんです。書き直しも訂正も1枚の原稿用紙の上。

1行目だけは勇気がいるのですが、書き始めると、あとは楽しいもの。

今後もこの連載を続けていきます。第7回までは毎日更新します。それ以降は少し頻度を減らすかな? できるだけ続けていきたいです。

よろしければ『原稿用紙1枚で考える』マガジンのフォローをお願いします。見てくれているんだ、という励みになります。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

10

ケン

原稿用紙1枚の物語

毎日 note を開くのが楽しみになるような、すごく小さな物語をお届けします!

コメント2件

原稿用紙に万年筆、いいですね! 子どもの頃の背伸びしたコーヒーの味。それが気を引き締める原動力っていうの、わかる気がします。
ありがとうございます! 原稿用紙と万年筆って、アタマと手の距離が近い気がしてスキなんです。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。