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総合商社からの転職:スタートアップ経理が見る坂の上の雲

楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それをのみ見つめて坂をのぼってゆくであろう。

坂の上の雲(司馬遼太郎)

はじめまして、田邊です。
2023年6月末をもって住友商事を退職、キャディに入社しました。キャディでは経営管理部で経理を担当しています。

早いもので入社して1ヶ月が経過しました。想像どおり(以上に?)刺激的な1ヶ月でしたので、この想いをお伝えするために初エントリーです。
大企業でキャリアに悩んでいる方、スタートアップの経理に興味ある方の参考になればうれしいな、と思って書いてます。


自己紹介

バックグラウンド

仙台生まれ仙台育ち。新卒入社で上京するまで杜の都で過ごしました。
キャリアは、
大学(経済学部)→ 大学院(会計)→ 住友商事 → キャデイ
です。

住友商事での経験

新卒入社から16年間、住友商事の経理組織で仕事してました。

CFOになることを思い立ち、武器を得るために、会計専攻で大学院に進学。
就活では、
ビジネス領域の幅が広い×事業会社が多い=CFOポジションが多いのでは?
という仮説から、総合商社を志望。
住友商事の新卒面接で「商社で経理をやりたい」との志望動機を話し、(商社志望者は営業希望が多いので)「前代未聞だね」とのコメントをもらいつつも、最終的に当時のCFOと1対1の面接を経て内定。
面接対策に「坂の上の雲」を読んでいたのですが、そのエピソードは披露する機会はありませんでした。

住友商事は、ローテーションで人材育成をします。私も複数の部署を廻る中で、様々な経験をさせてもらいました。
初期配属は全社業績管理を掌るチームで管理会計に従事。財務諸表の商社比較分析は面白かったし、プレゼンに対するマネジメントからの指示やコメントは金言でした。
研修生(トレイニー)としてインドに赴任。BRICsが持て囃されていた時代で、伸びゆく市場を肌で感じました。国民の多くが「今日よりも明日のほうが生活が良くなる」と信じおり、そこには「坂の上の雲」がありました。
帰国後は、営業経理や国際税務を担当。個別案件の課題解決にどっぷり取り組むことで経験値を積ませてもらいました。

16年間で住友商事の業容は拡大しています。利益水準は2倍になり、資産も積みあがり、投資案件の件数・金額規模も拡大しました。
新卒入社時に思ってた以上に総合商社での経理業務は面白く、やりがいがありました。去年の今頃は、定年まで住友商事で働くものだと思っていました。

なぜ転職したか

キャディとの出会い

そんな中、遠い昔に登録していた転職サイトにキャディからDMが届きました。何の気なしに開封したのですが、いつの間にか会社案内資料を食い入るように読んでいました。

「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」
スライドからは、本気で産業を変えようとしている会社の姿勢が伝わってきました。社員の話を聞いてみたい。カジュアル面談を申し込んでいました。

当時からアップデートされてますが、会社紹介スライドです。

カジュアル面談では三菱商事出身者と話しました。事業内容について教えてもらいつつ、総合商社とは異なる日常の話を聞きました。採用面接に進むか、と問われましたが、転職を考えていなかったため、辞退しました。大きな課題へのチャレンジにはココロ踊りましたが、住友商事を辞めることは考えていませんでした。

数ヶ月が経過し、再度DMをもらいました。最近どうですか、と。ちょうど仕事が一段落していたこともあり、再度話を聞くことにしました。
なぜか面接になっており、面接官は経理メンバーでした。事業が拡大する中での決算対応、会計システムの導入プロジェクト、と具体的実務についての話を伺いつつの面接でした。
ここから、トントンと数回にわたり面談ような面接。お会いする皆がイキイキとしていてヒトの魅力も溢れる会社だと思いました。また、ワークサンプルを使っての意見交換は、今思い返しても面白かったです。キャディの事業の将来像をあれこれ夢想している中、オファーを受領しました。

転職に至るまでの葛藤

オファーを受領して、夢から現実に戻りました。キャディに入社するためには、住友商事を辞めないといけない。
国際税務の世界は面白い。上司・同僚には恵まれ、人間関係も良好。優秀な若手の成長を間近で見ていたい(安西先生の言葉の意味がわかる)。この先2年かけてやるべき大きな仕事もある。待遇も恵まれている。辞めたい積極的な理由なんて、ない。

ただ、まだ見ぬ世界に飛び込みたい。住友商事でつけた実力が他業界でも通じるか試してみたい。巨大な社会課題の解決に自分の力と時間を使いたい。事業を10倍、100倍にする当事者でありたい。年齢的(40歳)にラストチャンスだろうし決断するなら早い方がいい。

ただ、今の安定を捨てて辞めるのも、、、、と逡巡しました。
性格的には、熱しやすく冷めやすい新しいモノ好きでスパっと決断するタイプなのですが、育ててもらった恩義や家族のことを考えると即断できませんでした。2週間悩みました。

散々悩んだ挙げ句、「仕事の報酬は、次の面白い仕事である」、「運命は勇者に微笑む」という言葉を胸に、新しい挑戦を決めました。

入社後1ヶ月が経過しての所感

キャディに入社して1ヶ月が過ぎました。濃密な時間でした。

爆速で過ぎ去った30日

日本での同月入社はおらず、噂で聞いていたオンボーディング研修のワチャワチャ感は味わえませんでしたが、オンライン、動画を組み合わせた充実した研修でした。事業知識だけでなく、40歳にして新たなソフトスキルもインストールしました。勉強になりますよ。

また、入社して早々に資金調達の発表がありました。シリーズCでの118億円。金額の大きさに投資家の期待を感じました。

Win Party(四半期ごとに開催される良い成果やMVPを発表するイベント)も開催され、スタートアップらしい熱狂を体感しました。Winの内容を聞いていてワクワクしました。キャディの3ヶ月は他の会社の1年に相当する。面接で聞いていた話は本当でした。

入社してみて思うこと

キャディの事業モデルは、理解すればするほど面白し、キャディの成長スピードは、スタートアップの中でも群を抜いていると思います。
事業はヒトであり、製造業のポテンシャルを解放させるメンバーのうちの一人が自分だということも痛感してます。プレッシャーを感じると同時に、壮大なミッション実現を目指して、キャディに集まったプロフェッショナルが一丸となる、そんな「坂の上の雲」を感じています。

私が担う経理という仕事は、地に足つけたオペレーションが必要です。
新たな事業が生まれれば、適切な会計処理を検討する。海外取引が始まれば税務を含めたリスク分析を行う。子会社も設立したので連結決算を開始する。急成長を続ける事業を管理会計や資金繰りの観点から分析する必要もある。事業が拡大、従業員数が増加している中でも安定運用できる経理オペレーションに更新していく。

一朶の白い雲を見ながらも、足元の水たまりにも気をつけながら、キャディ人生を歩んで行きたいと思っています。

終わりに

キャディでは、経理メンバーを募集しています。
キャディ経理部は、フルタイムの従業員が7名で、様々なバックグラウンを持ったメンバーが結集していますが、人手がたりません。。。
このエントリーを読んで、気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひカジュアル面談応募ください!


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