見出し画像

4/7発売!長倉顕太著『移動力』まえがき公開!

PROLOGUE

◎地球約 23・ 7周、月まで約1・2往復して見えたこと

「えっ! 地球23・7週、 月まで1・2往復?」

これは私が日本航空(J AL)のホームページにログインしたときに見た数字。
日本航空のホームページには過去に搭乗した記録がこういった形で表示される。

でも、この数字って、私がここ5〜6年くらいで日本航空だけに限った記録。もちろん、他の航空会社も利用しまくることを考えると、実際の「移動」はこの二倍以上の数字であることは間違いないだろう。

「なに自慢してんの? 出張が多いだけだろ?」 

って思ったかもしれないが、そんなことはない(巻末の対談では年間地球40周している方と対談している)。

私は海外出張が多い商社マンでもなんでもない。もちろん、英語もできないし、元バックパッカーの旅行好きというわけでもない。私はしがない私大を卒業後、フリーターをやり、その後、弱小出版社に就職し、 28歳から38歳 まで会社員をやっていた。

本書は38歳での独立をきっかけに、とにかく移動に移動を重ねた結果、それまでだと考えられない人生を手に入れた男の話だ。最近は「アドレスホッパー」なんて言葉も出てきたり、私がこれから書く話は、すべての人に関係のある話だということ。

なぜなら、

「定住が不幸のはじまり」

だからだ。

そう、私たちの不幸は全部、定住から始まったと言ってもいい。
詳しくは第1章を読んでもらいたいが、現代に生きる私たちも例外じゃない。

ところが、私たちは人類が定住しはじめたことを良いことだというウソを教わってきた。

「えっ! お前、オレに移住でもしろって言ってるの?」

「そんな簡単に家や仕事は変えられない」

と思うかもしれない。
でも、

「安心して欲しい」

と思う。
なにも無茶苦茶なことを書いて、あなたを困惑させたいわけでも、あなた
を責めたいわけでもない。
私はただ単に、

「あなたの能力を最大限に発揮し、より質の高い人生を送ってもらいたい」

と思っているだけだからだ。

◎移動力=環境を切り替える力

こういう本を手にとっているあなたなら、一度は、

「人生を変えたい」

と思ったことはないだろうか。私はある。今でも思っている。多くの人も同じだ。 だから、「人生を変える」とうたった本はいまだに結構、売れていたりする。

私も出 版社で編集者をやっていたころから、そういった類の本を作っていた。いわゆる自己 啓発、成功法則といったものだ。正直、どの本にも書いてあるのは、

「行動しろ」

ということばかりだ。
でも、私たちは行動できないから困っているし、だから本を買ったりしているわけだ。つまり、頭ではわかっているけど、行動できないから困っているというのが実情だ。

じゃあ、どういうときには私たちは行動するのか。
答えは簡単で、

「行動したくなるから行動するだけ」

ということ。
じゃあ、行動したくなるときはどういうときか。
それは不快だったり、強烈な快を伴ったときだろう。

たとえば、暑いから外に出る、みたいな。そう、私たちの行動は、

環境

感情

行動

というのが正常なプロセスだ。
にもかかわらず、私たちの多くは「感情」をどうにかして行動を変えようとしがちだ。

本を書いているような成功者たちは、すでに行動できる環境にいただけの話。だから、私は環境を変えることにフォーカスして本書を書いた。

本書のタイトルでもある「移動力」とは環境を切り替える力を意味する。そ
のために不可欠なことをあますところなく書いたつもりだ。

◎人体実験の結果

先ほど書いたように私は7年間で移動しまくった。
ある意味、人体実験をしたわけだ。
その結果、

「誰もがもっと移動したほうがいい」

という確信が持てた。
私はいま、サンフランシスコに住み、ハワイにもコンドミニアムを持ち、東京、大阪、福岡にも拠点を持っている。仕事は本を書いたり、講演会をしたり。教育事業も手がけている。月1〜2回海外を往復、月2〜3回は国内を移動している。

そんな中で実に多くの人と出会い、対話する機会がある。
とくに、やりたいことが見つからない若者、社畜として搾取されている会社員、やりがいが見つからない主婦、そして人間関係に悩む人たちだ。

その人たちに共通しているのは、移動していないということ。
同じ家に何年も住んでいたり、同じ職場にいたり、海外旅行に行ったこともなかったり。

一方、私のまわりで成功している人たちは移動が多い。
だから、悩んでいる人たちに私が言うのは、

「引っ越しすらできないヤツは人生が変わらない」

ってこと。これは断言できる。もちろん、いろんな事情があるだろう。「お金がな い」「家族がいる」「仕事がある」とかあるだろう。

でも、いま置かれている状況を一 度忘れて、私の話をきいてもらいたい。
先ほども書いた通り、

「あなたの能力を最大限に発揮し、より質の高い人生を送ってもらいたい」

と願っているだけだからだ。

◎同窓会に出ているヤツはパッとしない!

ここで少し想像してみてほしい。
あなたの知り合いでこういう人はいないだろうか。

・同窓会が好き
・地元の友達とだけつるんでいる

こういう人は間違いなくパッとしない人生を送っている。
結局、過去に生きてし まっているからだ。

なにもすべての人間関係を切れと言っているわけではないが、多くの人が

「いまより良い人生を」

と言いながら過去ベースで生きてしまうのがおかしい。
時間はどんどん過ぎていく中で、歳もとるし、時代も変化していく。その中で過去ベースで生きることは、あらゆる点で不幸を生む。

当然、思考も時代に取り残されていくわけで経済的にも恵まれない。
過去のあなたを期待する人ばかりの人間関係の中で、周りの目を気にしながらの我慢の人生になる。 
変化を受け入れない環境の中で

「今より良い人生」

に変わることは許されるはずはない。
結局、私たちは環境の生き物だ。環境によってすべてが決まる。人生を変えるというのは環境を変えるのと同じ。楽しい人生に変えるというのも、楽しい環境に変えるのと同じ。

定住するということは、環境が定まるということであり、人生が定まると
いうこと。定住とは人生を固定することにほかならない。過去に縛り付けることにほかならない。

**
◎「 意志が弱い 」前提で考える!**

さらに、重要なことがある。私たちは

「意思で行動を変えることができない」

ということ。
人生を変えたければ行動を変えるしかない。
でも、多くの人は行動を変えることはできない。

たとえば、自己啓発本や成功法則本を読んだ直後は変わるかもしれないが、多くの場合が三日坊主で終わる。ダイエットなんかも同じだ。もちろん、意思が強い人もいるだろう。おそらくそういう人はとっくに成功しているし、こんな本も読んでいないだろう。

私も含めた凡人は意思が弱い。だから、意思が弱い前提で人生戦略を考えなきゃいけないのに、多くの人が

「モチベーションを上げる方法」

とかの

「意思を強くすること」

に関心を持ってしまう。意思が弱いんだから、意思を強くする方法すら続かないのに。ほんとギャグでしかない。

さきほども書いたように、私たちの行動をコントロールするのは意思ではなく環境だ。環境が行動を決める。意思は関係ない。だとすれば、環境をコントロールすればいい。人生を変えたければ環境を変えればいい。

本書のテーマを

「移動力」

にした理由は、簡単に移動できる人間になることで、簡単に環境を変えられる人間になるからだ。

移動力=環境を切り替える力

だからだ。
そして、それが人生を変えることになり、人生を自在に操ることにつながるからだ。断言しよう。行動を変えようとしていた今までのあなたの人生戦略や人生へのアプローチは間違っていた。でも、大丈夫。

本書を参考に環境を自在に変えることのできる人間になってもらう。

第1章では、定住が人類の不幸のはじまりだったということを書いていく。このことを知ることで移動する意義が腑に落ちるはず。

第2章では、容易になった現代の移動について書いていく。インターネットの出現により移動が簡単になり、人生を変えるのが簡単になったにもかかわらず、多くの人がいまだに難しく考えてしまっている。この章を読むことで簡単な理由がわかり、すぐにでも移動したくなるはず。

第3章では、「引っ越し」をテーマに書いていく。住む場所を移動することのメ リット、さらにどういう所に移動するのがいいのかなどについて。とくに現代は、い ろんな住み方が可能になっているにもかかわらず、大半の人が旧来の方法にとらわれ てしまっている。

第4章では、「転職」をテーマに書いていく。つまり、職を移動するということ。 私たちは何らかの形で収入を得る必要があるが、どんなライフスタイルを選ぶかに よって選択肢はいくらでもあり、あなたの可能性が無限であることをわかってもらう。

第5章では、「コミュニティ」について書いていく。つまり、人間関係の移動だ。 結局、人生=人間関係。ここを変えることでしか劇的に人生は変わっていかない。

第6章では、「移動体質」になってもらうためのアクションプランを書いていく。 ぜひ、実践してみて欲しい。

最後に「特別対談」として2つの対談を収録した。
まずは、全米トップ校でもあるスタンフォードオンラインハイスクールの星校長に「移動と教育」について聞いた。
また、もう一人は北極に寿司店を持つなどユニークな起業家である泰一フォックスさんに「移動とビジネス」について聞いた。

きっと、本書を読むことで、あなたは居ても立ってもいられなくなるだろう。

そして、移動の重要性に本能的に気づき、見える世界が変わる。
それでは第1章から読んでいこう。

【新刊『移動力』はこちらから】

#移動力 #アドレスホッパー #長倉顕太


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?