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笑いを科学する② 〜前提編〜

前回の思い立った編からだいぶ間が空いてしまったのですが、今回はなぜ笑いを科学したいのかの前提と笑いの構造の入りをまとめられればと思います。

趣味:笑いを科学すること

個人的な時間を使ってここ1年くらいお笑いを科学しています。

研究対象としているのは、漫才とコントが中心です。

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(M-1 2018は霜降り明星が優勝でしたね。素晴らしい最先端の漫才でした。おめでとうございます。)

笑いを科学している理由

その話をする前になぜ僕が笑いを科学しようと思ったのか。

お話は農業革命以前までさかのぼります。

非常に有名な図ではありますが、こちらにマズローの5大欲求の図があります。

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農業革命、産業革命を経て人類は、「衣食住」に困る事がなくなり「生理的欲求」を満たし、国家や集団に身を守ってもらえて「安全欲求」を満たし、家族や友達や会社の「社会」に属する事ができて「社会的欲求」を満たせるようになりました。

そして情報革命によってインターネット、SNSが登場し、「承認欲求」が満たされるようになりました。

多くの欲求を満たすことに成功した人類が次に到達するのは自己実現のフェーズだと言われています。その走りとして、Youtuberやサロンを始めとした”個人”による、”人に対して影響を与えたい欲求”を満たす活動が目立つようになってきました。

そしてさらに未来を考えてみます。

未来の課題

ここから人類はAIとロボティクスの発展によって、労働する時間が多く削減してくると思います。「生きていくためのお金を稼ぐために働く」ということから開放されてくると予想しています。

そうすると次に人間が直面する課題は、「退屈、孤独、漠然とした未来に対する不安」になてくるのではと思います。

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時間が余りまくって退屈になり、繋がってるようで繋がってない人間関係に孤独を感じ、生存の不安が減るものの未来を考える時間が増える事によって不安を感じる。

次のフェーズには次のフェーズなりの課題が出てくると思うんですね。

リアルタイムパーソナライズド笑いの必要性

退屈で孤独で不安な人生は嫌です。なのでその解決策として、人類は「笑う」時間を増やすのが良いかなと結論付けました。

さらに、今のように最適な笑いコンテンツとのマッチングではなく、個人に最適化された笑いが自動で生成される世界が良いなと。

とは言うもののここである一つの疑問にぶつかります。

「人はなぜ笑うのだろうか?笑いのメカニズムとは?」

笑いのメカニズム

人が笑うメカニズムを解明したくて一冊の書籍を手に取りました。

これまで一般的に経験則で言われている笑いの王道パターンは、「構図のズレ」と「緊張と緩和」と言われていました。

「構図のズレ」とは考える”基本的な構図”から少しズレた構図を認識すると笑いが起きる。
「緊張と緩和」は緊張を緩和すると笑いが起きるという説です。

この辺りは古くは桂枝雀、近年ではダウンタウンの松本人志も提唱しています。

これに対し、本書では、脳神経から笑いを紐解いています。

詳しくは本書を読んでもらえると良いのですが、結論としては、

「連合する情報間の距離」×「潜在性副交感神経系優位指数」=笑いの発生量

と定義されています。

遠かった連合する情報が繋がった時、わかりやすいイメージが、「○○と掛けまして△△とときます。そのこころは?」ですね。

あと交感神経優位の状態から副交感神経優位に切り替わるタイミングが大事だと。

シンプルにメカニズムを紐解いて説明されるとこのようになるそうです。

今何をしていてここからどうするのか?

笑いコンテンツを科学するのに必要な要素は、「スコアリング」と「因数分解」だと思っています。

スコアリングのアプローチとしては、M-1を2001年からすべて見直してスコアリングしています。要は僕自身がまずは笑いの選球眼をきちんと持つということ。その後にスコアリングの意味を因数分解できれば良いかなと。

ただ、笑いはネタの中身と構成だけではなく、その場の空気やコンマ何秒のタイミングがめちゃくちゃ重要なのだけど、そこまでは説明できないからそこからはAIにやってもらおうと。

んでそれを組み合わせて10年内くらいにパーソナライズド笑いAIが作れたら良いなと妄想しています。

今回は以上です。

最後にここ最近好きなコンビ(トリオ)を書いていきます。

漫才:かまいたち、霜降り明星、ゆにばーす、アキナ
コント:ジャルジャル、ハナコ、さらば青春の光

次回以降では、これらの芸人さんのコンテンツを細かく分析してみたいと思います。

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