音楽ストリーミング時代のマーケティング戦略(1)

こんにちは。西村謙大(@harry_kenta)です。
私はSpotifyの音楽プレイリストをシェアできるサービス「DIGLE(ディグル)」をやっております。

今回は音楽ストリーミングサービスでのマーケティング戦略について少しお話したいと思います。
※この記事はアーティストさん向けです。
またSpotifyの話が中心となりますがご了承ください。

海外の音楽市場ではフィジカル(CDなど)の売上が落ち、デジタル配信も減少傾向にあり、音楽ストリーミングサービスが主流になってきています。
日本ですと、まだフィジカルの売上がいいのですが、年々売上は減少傾向にあり、音楽ストリーミングサービスのシェアが上がってきています。今後この流れは続いていくと考えられます。

音楽ストリーミングサービス(以下「ストリーミング」)には、Spotify、Apple music、Amazon Music Unlimited、Google Play Music、AWA、LINE MUSICなどがあります。
ストリーミングについてまとめた記事はたくさんありますので、そちらをご覧ください。

参考
Apple/Spotify/AWA等、音楽ストリーミング主要6サービスを徹底比較
定額制の音楽配信(聴き放題)サービスおすすめ8選──楽曲や音質、料金、オフライン再生、PC版などを比較

本題に入っていきます。

【目次】
1.重要!CDとダウンロード、ストリーミングの違い
2.知っておきたいストリーミングの状況と戦略
3.まだチャンスがある?新人/インディーの戦略
4.最後に


1.重要!CDとダウンロード、ストリーミングの違い

皆さんもご存知の通りですが、まずは収益の違いについてお話しします。
当たり前の話ですが、CDは販売枚数による売上が収益で、ダウンロードに関してもダウンロード数による売上が収益です。その中からアーティストに還元されます。
一方、ストリーミングは再生回数に対して、収益が得られるモデルです。再生回数が多ければ多いほど、アーティストの収益が増えるわけです。
CD/ダウンロードは売れれば売上が上がるわけですし、ストリーミングは聴かれれば売上が上がるわけです。この点に関しては、それほど違いはありません。
しかし長期的に考えるとかなり違いがあります。

ストリーミングには継続性があり、CD/ダウンロードとは違います。
CDやダウンロードですと、発売直後に売上がピークになり、その後減少傾向になることが多いですが、ストリーミングだと発売後ピークに到達することはなく、持続的に聴かれます。この継続的に聴かれるという点がポイントで継続的にユーザーにアプローチすることによって、継続的に再生回数をあげることに繋がります。発売前のマーケティングは従来通り必要だと思いますが、小さいマーケティング手法でも継続的に行うことによって効果がでる可能性があるのです。

しかしここで触れておきたいのは、ストリーミングはWebブラウザあるいはアプリで提供されており、いわゆるITサービスです。ですので、ストリーミングはインターネット上での戦略が必要であり、いわゆるITリテラシーが少なからず必要になります
ITリテラシーがあるアーティストが優位になる傾向があり、ITリテラシーがないアーティストもITリテラシーがある人を仲間につけておくのは大事だと思います。


2.知っておきたいストリーミングの状況と戦略

Spotifyを例に出すと、Spotify上には「バイラルトップ(50)」というチャートがあります。このチャートにはグローバルチャートと国別のチャートがあり、もちろん日本のチャートもあります。
このチャートは「SNSで一番話題の曲(毎日更新)」と説明があり、このチャートは毎日更新されるものでもあり、SNSを用いていることがわかります。これを紹介するとお分かりの方もいると思いますが、SNS上での拡散が重要になるわけです。
実際SpotifyからブレイクしたAmPmさんも「バイラルチャート」には注目されていて、「バイラルチャート」の仕組みを解析されたとお話されていました。(参照記事内)

参照:覆面の日本人アーティストAmPmにインタビュー。デビューシングルが530万回再生、リスナーの90%以上が海外の理由とは?

「バイラルチャート」の仕組みを理解すれば、チャートに入れるための施策も明確になっていくと思います。これはWebのマーケティングでよく言われるSEO対策に似ているものではないでしょうか。ですので、ITリテラシーが必要になります。
一度「バイラルチャート」に入れば、Spotify側がキュレーションしているプレイリストや影響力のあるプレイリストに入るきっかけが格段に上がります。これは一番再生回数が多い曲(毎日更新)がランクインするチャート「トップ50」でも同様です。
現在「トップ50(日本)」にランクインするには、11,000再生回数(2018/03/03現在)あればランクインしますし、新人/インディーのアーティストでもチャンスがかなりあります。極端な話をすれば、1000人のファンに1日だけ11回聴いてもらえればランクインするのです。

また影響力のあるプレイリストに入ることによって、チャート入りする逆のパターンもあります。
このようなSpotifyでチャートにランクインした実績を作ると、Spotify以外のメディアでも有益に利用できる実績になります。ですので、Spotifyで実績を出すということはある意味ストリーミングだけでなく、アーティストのマーケティング戦略の一つになるのです。

戦略例:w-inds.はバイラルチャートに入るためにTwitterでファンに呼びかけています。チャートに入ると、公演舞台裏を中継!

2018/0308 追記:公演舞台裏の中継が決まりました(祝)


3.まだチャンスがある?新人/インディーの戦略

・配信に抵抗がある人は代表曲だけでも配信してみる
ストリーミングに配信していると、すぐに音源を聴いてもらえやすいです。ですので、代表曲だけでも配信すべきだと思っています。Spotifyでは「Spotifyコード」というものがあり、Spotifyアプリで読み込むとすぐに楽曲にアクセスできます。「Spotifyコード」をカードにして、配布していろんな人に聴いてもらうのもいいかもしれません。

もちろんYouTubeでもいいのですが、YouTubeにMVをあげているなら、ストリーミングで配信してるデメリットはあまりないと考えています。むしろ面を広めるという意味でメリットです。
従来のCDだとドライブやレコーダーがない人も多いので、意外とすぐに音源にアクセスできないんですよね。

例:Spotifyコードをステッカーにして配布した

・今はチャートにランクインしやすい
先ほどもご紹介した通り、「トップ50(日本)」にランクインするには、11,000再生回数(2018/03/03現在)あればランクインします。日本の再生回数はまだまだ少ないです。それは有名アーティストが配信を初めていないのも影響しているかと思います。ただ今後はチャートに入る難易度が上がってきます。参入が早ければ早いほどチャートに入りやすいということが言えます。よく先行者利益と言葉で表現されますが、アクションが早い方がメリットは大きいです。

・海外のアーティストから学ぶ
海外のアーティストは日本より先にストリーミング時代に突入しています。ですので、海外のアーティストから学べることは多いです。
海外のアーティストは継続的に音源をストリーミングで配信しています。それはトレンドを維持するためです。音源があればすぐに配信できるので、コストが低く、ストリーミングならではのやり方ではないかと思います。例えば、アルバム曲を回数に分けて数曲ずつ配信していく、シングル曲をいろんな人にREMIXしてもらい様々なパータンを定期的に配信する、などがあります。


4.最後に

簡単ではありましたが、音楽ストリーミング時代のマーケティング戦略についてご紹介しました。引き続き、事例などご紹介できればと思います。



DIGLEもよろしくお願いいたします。
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https://mag.digle.tokyo/

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Kenta Nishimura

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