目が覚めた。
時間を確認するとまだ5時にもなっていない。こういう場合、今までは二度寝を決め込むのが普通だったが、最近はどういうわけか、一度朝早くに目覚めると二度寝ができなくなった。横浜に居を移してからこういうことが増えた。最近はほぼ毎日だ。

仕事にストレスを感じているのかもしれないし、寝具が悪いのかもしれない。寝ても疲れがとれないことが多いので、認めたくはないが、俺の体は老いつつあるのかもしれない。考えてみると最近油ものが食えなくなってきたし、屈んだときに腰の痛みを感じることもある。俺ももうすぐ28だ。そのうち小学生に「オッサン」とか「ジジイ」とか呼ばれてもおかしくない歳だ。俺の好きな小説に「男は、25を過ぎたら還暦だ。」という一節があるが、あれはあながち冗談でもないのかもしれない。

いつまでも心は若々しくいたいので、童心に帰って子供が好きなハンバーグを使ったサンドイッチを作ることにした。俺はもうかれこれ1ヶ月は週末の自炊を趣味として続け、記事を書いている。だがさすがに俺のレパートリーも少なく、ネタも尽きてきた。そこで、Instagramで知り合いが載せた料理にコメントしてレシピを聞いたり、色々レシピを調べたりした。今回のサンドイッチのレシピは姉に聞いたものだ。姉もよく料理をInstagramにあげている。

Netflixで"Rick and Morty"をシーズン2最終話まで鑑賞して時間を潰してから、近所のコンビニみたいなスーパーに行った。レジにて30%引きの表示がついた8枚切りの食パンと、トマト1個、サニーレタス、スライスチーズ、チーズ入りハンバーグを買った。

寮の古新聞置き場から昨日のものと思われる新聞をがめて、株価の面の上で、包丁をなぜる。新聞のインクは研磨剤の炭素が含まれているので、これをやると包丁を研ぐのと同じ効果が得られるらしい。この間行った店のテレビで見た。きれいに包丁を洗ってトマトを切ってみたが、あまり効果は感じられなかった。...まぁ、そんなもんだろ。

今月は朝食のメニューにピザトーストがあるので、食堂にオーブントースターが常備されている。俺は土日は自炊するので朝食は食わないし、そもそもピザトースト自体あまり食わないが、買ってきた食パンはトーストしたい。そこで、誰も食堂にいないタイミングで、こっそりとトースターで食パンをトーストした。新聞をがめたり、トースターを本来の目的以外で使ったり、なんだか軽犯罪をおかしている気分だった。でもまぁ、イタズラも童心に帰るのに必要だ。俺は深く考えないことにした。

ケトルでお湯を沸かして、チーズ入りハンバーグを湯煎し、サニーレタスをちぎったら、準備は完了だ。

ラップを敷き、その上にトーストした食パンを1枚載せ、マヨネーズとからしを塗る。俺はからしをマスタードで代用し、思い付いてタバスコも少々振ってみた。

その上に斜め切りしたピクルスを敷き詰めるのだが、生憎ピクルスはない。俺の姉はピクルスの大瓶を買ってもすぐに食べきってしまうほどピクルスが好きだが、俺の近所のコンビニみたいなスーパーにはピクルスがなかったので、今回は入れないことにした。ピクルス好きの姉からの粛正が怖いので、彼女がこの記事を読んでいないことを祈る。

輪切りにしたトマトを載せ、ハンバーグを載せ、マヨネーズをかけてスライスチーズを載せる。ここからは腕の見せ所だ。食パンで具を強く押さえながら、ラップで強めに包む。食パンの耳が内側にめくれるほど強くてもいい。しっかりと包んだらラップごと切る。ここでラップを解いてから切ると、派手に形が崩れるとのことなので、包んだまま切るのが正解だ。

一つ目はサニーレタスを入れすぎたので、ほとんど断面が緑色だったが、二つ目は断面が赤・黄・緑の綺麗なコントラストになった。気分がいい。

わんぱくサンドの完成だ。見た目も綺麗で、ボリューム満点。一口食べれば病み付きに。お子さんの遠足のお弁当にピッタリですよ奥さん。

早速ひとつ食べてみる。...素晴らしい。具はハンバーガーと同じだが、食パンというだけで全く別の食べ物のようだ。しかもラップのおかげで、具がボトボト落ちない。俺はあまりファスト・フードのハンバーガーは好んで食わないが、このわんぱくサンドならいくらでも食べれそうだ。名前にもセンスを感じる。

腹一杯になったら眠気が襲ってきたので、今更ながら二度寝を決め込むことにした。食って寝たら元気になるので、俺はまだまだ大丈夫なのかもしれないな。おやすみ。