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26. SACAI SPRING-SUMMER 2024 コレクションレヴュー

SACAI SPRING-SUMMER 2024

SACAIは今回メンズSUMMERとウィメンズのSPRINGを合同で発表しました。
今回はサカイが得意とするハイブリッドを、矛盾した物を調和する、パンク精神と捉えて表現。

早速ルックを見ていきましょう。
序盤のルック1、3と5、6は、ジャケットとトラッカージャケットを合わせたハイブリッドなデザインの物で、更に5、6はストライプ(ジャケット生地)とデニムを切り替えた、生地でハイブリッドを表現している。ドレスとカジュアルのバランスを取っているのも良い。
ルック1と5、ルック3と6は、もしかしたらリバーシブルなのかもしれない。

ジャケットとトラッカージャケット、
更に生地でハイブリッドさせたルック。

この時点でもハイブリッドを感じるが、ルック2や8のように、無骨なイメージのあるワークテイストにウィメンズライクなペプラムを取り入れる事で軽さを出し、それによりハイブリッドを表現している。

ワーク+ウィメンズテイストでハイブリッドを表現

今回も先シーズンに続き、カーハートとのコラボレーションの物が3パートに渡って登場しています。

ワークのディテールを汲みながらのテーラードジャケットと上手くミックスされていて、カラーはどちらのテイストにも合う絶妙なグレーが使われている。

× CARHARTT
テーラリングとハイブリッド。
グレーの色味も正解。

また中盤に出てくる、ワークテイストのルックもペールグリーンの淡いインナーを合わせる事により軽さを出していました。

ワークテイストにはないペールグリーンで。

また終盤では、いわゆるカーハートらしいベージュのダック生地に、テーラードジャケットをインサイドアウトで表現された物(リバーシブルで着用出来るのか?)や、オーバーオールとプリーツドレスをドッキングされたハイブリッドな物も面白かった。

カーハートらしいベージュのダック生地を
様々な手法でハイブリッド。

リゾートを連想させる柄をプリントやパッチワークで、スウェットやラガーシャツ、カバーオール、MA-1に載せて表現されていました。

サカイは意外性のあるリゾート柄の使い方が
いつも上手い。

そのMA-1で言うと、柔らかいカーキに同色でパッチワークされた物がとても印象的でした。
カーキカラーのMA-1は他にも、ペプラムスカートやノースリーブジャケットとウィメンズライクなハイブリッドに仕上げられていました。

MA-1もハイブリッド。
カーキの色味も良い。

オンブレのフェアアイル柄ニットを房状のフリースに仕立てたり、ラガーシャツは切り替えにシアー素材を使用したり、ハイブリッドが随所に取り入れられていました。

様々な手法でハイブリッドを表現。

靴はソールにソールを重ねた物がメインでしたが可愛かったです。
コインローファー、レースアップのダービーやワークブーツ、サンダル等、バリエーションも豊富でした。

バリエーション豊富なシューズ類。

ユニフォームが今回のショーのルックのように変化させられる事に対して、規制だらけの学生服に対して『過去に馬鹿にした人もいただろうけど、こうなる事は最初から分かっていた』と言うデザイナーの幼少時代の反骨精神みたいな物が伝わってきました。
中盤に出て来た"KNOW FUTURE"のTシャツに集約されているのかなと思いました。

ルック30 "KNOW FUTURE"が目を惹く。

やはり他のブランドでも見られる"ワークウェアとそのユニフォームの再解釈"を、とても軽快にハイブリッドと言う形で表現していたサカイは流石の一言。
素晴らしいファッションショーでした。

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