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「きっかけづくり」にしか興味がないんです

【林さんはフォローアップが足りない】

お恥ずかしながら、実はこれ、私がお客さまから一番多くいただくクレームです。
そうなんです、私、フォローアップは苦手なんです。
今日はそんなお話を通じて、私がこだわっている1つのことについて書いてみようと思います。

【そもそもコーチングではフォローアップはしない?】

国際コーチ連盟(ICF)が定めるコーチングのCore Cometenciesでは、コーチはクライアントの自律的な意思決定と行動を促すというのが役割の一つであると定義しています。

世の中的に「コーチはアドバイスをしない」なんて言われているのはこの考え方から来ています。
私自身がコーチングを受けるときにも、コーチが過剰に関わらないことで受ける恩恵は計り知れないなと思うことがよくあります。

きっかけだけ作ってくれれば、あとは実質自分で考えて答えを導き出せるんです。そんな実体験をコーチ側から、そしてクライアント側からもしている中で私はフォローアップすることの是非について考え始めたのです。

【営業的な視点から考えれば機会ロス】

私はコーチングの仕事をする前に営業の仕事を長く経験してきています。その中で、フォローアップすれば売れる、というのは常識でした。
新しいお客さまを開拓する労力よりも、既存のお客さまに「どうですか?」とコンタクトする方がかける労力も少ないですし、お客さま的にも「お、気が利くな」と感じていただき、新しい業者に発注するよりも手間が省けるので注文するか、みたいな双方にメリットのある関係性を構築できます。
要するに、私自身もフォローアップの重要性は知っているということです。

私の主宰している「DELIC」というビジネスリーダーのためのコーチングスクールにご参加いただく方々からもたまに「1回こっきりで講座が終わってしまい、フォローアップがないのはもったいないですよ 林さん」というお声をいただいたり「更に学びを深めるコースがあれば もっと収入になるのに」といったアドバイスをいただくことがあります。

確かに、仰る通りで私が修了生の皆さまに「どうですか?」とお声をかければ、そこから個別のコーチング案件につながったり、お勤めの会社での法人案件につながったりするかも知れません。あるいは、フォローアップするクラスを作れば、修了生が参加して新たな収入源になるかも知れませんよね。
それは理解してるんです。

・・・でも、どうしても気が進まない。

なぜか・・・

それは実質、私が気乗りしていないからに他なりません。
私が気乗りしない状態で「どうですか?」とお客さまに声を掛ける時のこの「どうですか?」を翻訳すると「そろそろウチも売り上げが欲しいので、近々のタイミングで私にお金落としてもらえませんか?」という売り込みメッセージになるからです。
奉仕の精神と相反する行為にしか思えずゲンナリしちゃうんですよね。

【私にはそのきっかけしか作れない】

馬を水飲み場に連れて行くことはできても 水を飲ませることはできない」という言葉があります。これはつまり、行動や結果を変えるための「きっかけ作り」はできても、第三者である私がご本人に代わって行動することはできないということなんですよね。

コーチングやセミナー、研修などの場を通じて私はその「きっかけ」を提供しているんだと思うんです。それも10年分の経験が詰まった極上の「きっかけ」を。



【売り込みのためのフォローアップへの嫌悪感】

そして、その先のいわゆる「水を飲む」のはご本人の役割だと思っているのです。
それこそが正しい姿だと強く、強く信じているんです。

ちょっと比喩的に言うと「どうですか?お水飲めていますか?」と問うことはしない、ということですね。
更に言うと「おお、お水が飲めていない、なるほど、じゃストロー用意しますね〜」みたいなことはやらないという方針

水が飲める場所までは精一杯の努力でお連れします。その後のことはご自身で、というのがこういった「後方支援をする専門職」の本来あるべき姿なのではないかなと思っています。



【興味が無いことはやめることにした】

さて、これを商売という側面から考えた場合、フォローアップをしないことは企業努力が足りない、ということにも繋がるのかなと感じます。
普通に考えたら「そりゃそうだ」という話なんですが。。。

でもね、私、実質それに興味が無いんです。
興味が無いから、割とイヤイヤお客さまにフォローアップのメールを入れたりすることになるんです。
あるいは、今あるプログラムの続編みたいなものを企画するのも遅々として進まないという現実に直面するんです。

当然そんな風なので、仮にフォローアップをしたとしても、お客さまからの反応も悪かったり、心がこもっていないとお叱りを受けたり、開発するプログラムの方向性がブレたり、仲間から「何をやりたいんですか 林さんは?」なんて問われてガッカリするなんてことが多発する。

そして、それで心が折れてしまったり、事業ドメインをガラッと変えたくなったりという非生産的な行動に結びついてしまうんです。

それで心身ともに疲労して、マッサージ受けたり、温泉旅行したりと、実質的なコストも余計にかかっていたりしたんです。

でね、最終的にたどり着いた結論は「そんなロスが多いのならやらなきゃいいじゃん、その方がいくらも生産性が高いし、ROIも高いだろうし、そもそも幸福度が高いよ」
ということ。



【売らんがためのフォローアップはやめます】

苦手なことはしない。
そんな単純な意思決定なわけですが、ここまでたどり着くのに意外と長い時間がかかりました。

これは私の勝手な言い分ですが、今後不要な、私が営業したいがためのフォローアップは一切行いませんので、そのつもりで関わってください。
もし私がフォローアップしてきたときは、私が皆さまの現状や夢、目的への進捗具合に心から関心を持ち、状況を伺いたいときだと思っていただいて結構です。

一度関わった皆さまには責任を持って「きっかけ」を提供します。これが私の役割の持ち分です。皆さまの持ち分はその後の「実行に移す」という部分です。これ、皆さまに完全にお任せしますので、意気揚々と新しい道を進んでいってください。

そして、途中でくじけたり、道を踏み外して迷子になったり、背中を押してほしくなったときは、ぜひ皆さまから私にコンタクトしてください。
その節は喜んでまた新しい「きっかけ」を提供させていただきます。
そんな役割分担をお客さまと持ち合いながら進んでいける未来を作っていきたいと本気で思い、その「きっかけ」をここに自ら作ります

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