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TuneCore Japanのプロダクトマネージャーとして携わった3年間のサービスを振り返る

音楽ディストリビューションサービス TuneCore Japanでプロダクトマネージャーをやっている @SataKentaro です。
この記事は Wano Group Advent Calendar 2023の6日目の記事となります。

TuneCore Japanに入社してもう少しで3年が経とうとしているので、これまで開発に関わったサービスや機能のうち一般公開されているものを振り返ってみようと思います。

背景

TuneCore Japanのこれまで

2012年にサービスを開始してから今年は10周年になります。
SpotifyやApple Musicなど、皆さんがお使いの各種ストリーミング配信サービスに音楽を配信できるサービスとして成長を続けてきています。

入社してからの3年間

自分が入社した2021年は、Spotifyなどの音楽ストリーミング配信サービスがまだ世界や日本国内に普及していなかった2012年から10年弱が経ち、国内のストリーミング配信サービスもかなり普及してきておりTuneCore Japanも「音楽を配信する」というツールとしてはかなり成熟してきている頃でした。
そこで、TuneCore Japanとして最も重要な存在でありサポートしたい「アーティスト」の次のステップを考えた時にテーマとなったことがいくつかありますが、中でも「音楽を聴く時代から音楽を使う時代へ」という流れや「ファンやUGCとともに盛り上げる」というような部分に特にフォーカスしてきたように思います。

どんなサービスをローンチしてきたか?

一般公開されている大きいものでいうと以下のようなものに携わってきました。

  • 著作権管理サービス

  • TuneCore アーティストマイルストーン

  • TuneCore クリエイターズ

  • Rework with 『ハナミズキ』

  • TuneCore アーティストマイルストーン2023

それぞれ簡単に紹介したいと思います。

著作権管理サービス

簡単にいうと、登録することで楽曲が利用された際の著作権使用料を受け取ることができるようになる機能です。
楽曲制作し配信する際、実は楽曲を取り巻く様々な権利が発生しています。
その内容は、楽曲を録音した録音音源そのものに発生する原盤権、作詞、作曲などの際に作詞作曲者に帰属する著作権、演奏に関わった演奏家に帰属する実演家人格権など様々です。
アーティストがTuneCore Japanなどからストリーミングサービスに配信した際に各種配信サービスから再生数とともに収益のレポートが届く仕組みですが、こちらは実は原盤権による収益のみが反映されているものとなっています。
では他の権利分の収益はどこに行ってしまったのでしょうか?
実は著作権実演家人格権のような著作隣接権と呼ばれるようなものは、収益化する方法が大きく分けて二つあります。

  1. 権利者が自己管理で利用者から直接徴収する方法

  2. JASRACやCPRAといったそれぞれの権利をかんりしてくれる団体と契約し、代理徴収してもらう

1は手数料を支払わなくて良いというメリットがありますが、誰がどこで使っているかを把握するなど現実的ではありません。
2は手数料がかかりますが各団体が利用しそうな主な団体や会社と包括契約を結んでいたり、徴収範囲がかなり広く担保されています。
ただ、2の場合も契約手続きが煩雑であったり、一つの作品に対する代表者がが必要なため収益を関係者で分配する手間がかかります。
それらをTuneCore Japan経由で簡単に著作権管理団体に預けることができ、さらにSplit機能と呼ばれる収益分配自動化の機能も使えることで簡単な収益分配も実現したのがこのcサービスになります。
著作権管理サービスについての詳細
このサービスによって楽曲を聞かれるだけでなく様々な形で利用されることにより意味が出てくると良いなと思います。

TuneCore アーティストマイルストーン

アーティストの節目となるストリーミング再生数をお祝いする機能です。
SNSなどでシェアすることでファンとも一緒にお祝いすることができます。
ストリーミング配信の時代になり実は重要になった要素の一つが、過去にリリースした楽曲です。
実はストリーミング配信サービスの中でかなりの割合で新曲ではない楽曲が聴かれています。
CDを買っていたころと違い収益が発生するポイントが「購入」ではなく「再生」になったことで、いかに認知されるかだけでなくいかに末長く聴いてもらえるかいかに定期的に思い出してもらえるかが重要になったと言えます。

アーティストマイルストーンページのURLがお知らせで届き、SNSでファンにシェア

「10,000再生達成!」や「リリースX周年!」などアーティスト側から楽曲の節目などを定期的にファンと共有し楽曲への愛着を育てていくことを続けることでより全体の再生数も上げていくことができます。
そういった節目のお祝いのきっかけに気づくことが意外と難しいのでそれをサポートする機能となっています。

TuneCore クリエイターズ

アーティストの楽曲をYouTube動画で利用し収益化もできるサービスです。 https://www.tunecore.co.jp/creators
これまでYouTube動画にアーティストの楽曲を利用する場合、多くの場合は「著作権の申立て」というステータスになり収益化ができませんでした。 それが、動画クリエイターと音楽クリエイターのコラボレーションの一つのハードルにもなっていました。

TuneCoreクリエイターズを活用することでYouTube動画に利用可能でかつ収益化(音源権利者との収益分配に基づく)も可能な楽曲を検索し利用することができます。
またこのことによりアーティストはYouTubeで自分の楽曲が使われやすくなり、うまくプロモーションに繋げることで結果として収益を増やせる可能性もあります。

クリエイターズの楽曲検索画面。BPMやジャンルなどに加え、収益化可能なシェア率の割合でも検索可能。

この機能により、これまで動画クリエイターと音楽アーティストが直接繋がりを持って収益の交渉や利用交渉をする必要があったコラボレーションを、動画クリエイター側の簡単な利用手続きや音楽アーティストからの楽曲利用ページのシェアで容易にできるようになりました。
このサービスからダンス動画やDJ MIX動画、リアクション動画、ボカロ絵師による動画、などなどいろんなコラボレーションが生まれれば嬉しいなと思います!
TuneCoreクリエイターズについての詳細

Rework with 『ハナミズキ』

こちらもTuneCore クリエイターズと同様アーティスト同士のコラボレーションを促進する企画ですが、こちらは楽曲を利用し別の楽曲を制作するという二次創作企画になります。
一青窈さんの名曲「ハナミズキ」のパラデータをご提供いただき、そのパラデータをなんとダウンロードでき二次創作して良いという大胆企画で、優秀作品は日本テレビの番組SENSORSでの放送されるというものでした。
(※ こちらは2023/9/8をもって募集を終了しています。)
応募作品の中からTikTokやSNS上で話題となる楽曲も出るなど、クリエイター同士のコラボレーションや二次創作にこれkらの可能性を感じる内容となりました。

@localcampione

dc:@YUKI🍓【ローカルカンピオーネ】 @TuneCore Japan さんの企画面白いなぁと思ってたらやはり名曲誕生してました👍🏼昔の曲が今の時代のアーティストの手で生まれ変わるって素敵なことだ❤️‍🔥 @Albert Connor 💐 #ハナミズキ #ハナミズキremix #albertconnor #一青窈 #ローカルカンピオーネ #localcampione

♬ オリジナル楽曲 - ローカルカンピオーネ🗾👑 - ローカルカンピオーネ🗾👑

TuneCore アーティストマイルストーン2023

そして、2023年の総まとめとしてアーティストマイルストーンを拡張し年間の総再生数を振り返る「アーティストマイルストーン2023」もアーティストにお知らせできました。

2023/12/1に一斉にTuneCore Japanのアーティストにお知らせされたこのアーティストマイルストーン2023。 普段再生数の節目に送られているアーティストマイルストーンと少し様相を変え、2023年の総再生数をファンと共有し、今年の感謝や来年への意気込みを共有するなどアーティストによって様々なコミュニケーションが発生しそうな予感。

最後に

3年間振り返ると、良い環境や周りの方々のおかげさまでここでは紹介しきれない機能や改善も含めていろんな取り組みをしてきたなと改めて感じました。
自分自身もアーティスト活動をする中で、こうやってアーティストのサポートもできることは幸せなことだなと思います。
また来年のTuneCore Japanにも期待してもらえるように、精進できればと思います!

現在、Wanoグループでは人材募集をしています。興味のある方は下記を参照してください。
JOBS | Wano Group

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