ヒンズー寺院温泉@インド、世界八十八湯温泉めぐり8国目


世界の温泉をめぐる旅8カ国目は、オレンジと茶色の人間味のあふれる国インド

■インドへの行き方

ネパールのポカラから長距離バスで、国境のマチ◯◯へ。ところが、バスのドライバーさんと言葉も通じない仲、深夜3時の真っ暗な野道に放りだされた。かと想うと、突然のインド感。ネパールでは考えられなかった「ぐいぐいくる」リキシャドライバーたちにワッと囲まれ、勝手に荷物をもっていかれそうになり、パニック。「ちょっと、待てって!」と声をあらげてみた。

幸い、なんとか、集団の端っこにいたヒトの良さそうなおじちゃん(この方はネパールの方らしい)をみつけて、そのヒトに載せてもらって国境のマチへ。無事イミグレーションを通過したところで、これまたヒトの良さそうなネパール出身のおっちゃんに運良く出逢い、バラナシ行きの電車がでる駅までバス道中をご一緒させていただきました。

なんだかんだネパール滞在が3週間ちかく、それなりに長かったので、ネパールのゆるいテンションでしたが、冒頭からインドの強烈な洗礼を受けました。一気に気を引き締めたのでした。

■インド国内の移動

インド国内の移動は、鉄道とバス。とかく広大な国ですので、移動中に寝ることを前提に寝台列車、深夜バスを乗り継ぎます。なんとなく、インドの列車は埼京線以上に混むというイメージをもってましたが、寝台のチケットちゃんともってれば、そんなに大変な思いはしませんでした。

■インドの温泉と入浴施設

さて、インドにも温泉なんてあるの?とお思いでしょうが、あるんす。それがデリーから北へバスで7時間。こちらのダラムサラというマチです。

ちなみに、ダラムサラはチベット亡命政府の拠点でもあり、ダライ・ラマ猊下の居宅もあり、命からがらヒマラヤを越えて亡命してくるチベットの人たちが暮らしています。

町の中央部はこんな感じ

子どもたちは元気っす。

ムンバイやデリーの喧騒とは打ってかわって、ここでは穏やかな日々。そこまで広くもない町の中を、ブラブラと歩き回りながら、ふらっと立ち寄るお茶屋でバター茶なんぞを、いただくのがツウかと。

なお、この町に滞在した10日のうち、3度ほど、

こんな感じのデモ行進のようなものが行われるのを目にしました。お坊さんたちを先頭に、チベットの若者から、お年寄り、さらには各国のバックパッカーまで、ろうそくをもってマチの通りを練り歩きます。

なんと、これは、チベットの首都ラサにて、さまざまな抗議のために焼身自殺をした若い僧侶たちを追悼するための行進。週に3回やるということは、この直近だけでも3名の方が自らの生命をかけて抗議をおこなったことを意味してました。ダラムサラは考えさせられることの多いマチでもあります。

はてさて、温泉でしたね。

宿泊していた安宿のご主人(この方はカシミール地方出身のムスリム)に聞いたところ温泉はこのダラムサラから来るまで40分位離れたヒンズー寺院の中にあるらしい。ということで、宿でご一緒した日本人の旅人のみなさんとともに車をチャーターして、いざ温泉へ。

到着した寺院はこんな感じ。想像以上の寺感。人気の場所なのか、わかりませんが、寺には絶えず老若男女がひっきりなしに出入りしています。

で温泉がこちら。

画面奥が女湯、右の木の奥が男湯。なんか、ワクワクするっしょ?同行していた日本人旅人の女性二人は女風呂へ。もちろん、ワタクシは男湯へ。

男湯はこんな感じ

小っちゃ!

と思ったら建物の奥にさらに内風呂らしきものが!

んで、よく見ると、この水のでてくるところとか、はなんとなく男性器を思わせる形態。やはり性を根源的なハタラキとしてストレートに捉えているヒンズー教寺院ならでは。温泉に入ることがエネルギーの源でもあり、また大地や地球との交わりの意味合いをもっている。そんなイメージを体感させられました。

ちなみに、このとき女風呂では友人たちが、この温泉の管理人みたいなおっちゃん、ムチでバシバシ壁を叩かれながら、「いますぐ出て行け!」的なジェスチャーをされたと、入浴せずにでてきました。

お湯は正直、ややぬるめ。なので、温泉としての満足度は高くないですが、入浴を通じてヒンズーの文化を体感するのにはうってつけな、場所です!

■湯めぐり、この一皿!

とにかく街場の屋台のチャイをのみましょう。衛生状態?、そんなに気にしてちゃ始まらんよ。腹を下してからが、インドへの入国です。

あとはカレーとラッシーですね。

とくにデリーでたべた、ヤギのカレーとかは、かなり美味しかったし、ほうれん草とかチーズのカレーも美味しいです。カレーばっか食べてても、いろんな種類があるので意外と飽きませんよ。

あと、韓国料理店や日本料理店もいくらでも見かけるので、その点でも苦労はしないです。ちなみに上記写真は、知る人ぞ知る、バラナシ伝説の宿、久美子ハウスの朝食カレー、カレーの本場インドにいながら、たべる日本風(あくまで風)なカレーは、癒やしと言うか、楽しみでした。

(毎朝、雑魚寝ドミのみんなに、大きな声でご飯の時間を知らせてくれていた、久美子ハウスのご主人シャンティーさんが他界されたそうです。ご冥福をお祈りいたします。)

■インド湯めぐりの宿

バラナシの宿、久美子ハウス。ここの雑魚寝ドミ(ドミトリー)は「人間はどんな環境でも寝れる」ことを実体験させてくれたという意味で、思いで深い場所です。

雑魚寝ドミはこんなかんじ

ダラムサラの宿は以下の右手の水色の建物

ちなみに中はこんな感じ

■インド湯めぐりの楽しみ方

自分のなかの常識をぶち壊すのが、インドの湯めぐりの楽しみ方

ガンジス河のほとり、マリファナを吸いながら、宇宙の真理を見出そうとするサドゥー(修行者)の皆様

外国人旅行客に、ニコニコしながら、写真をとらせたあとに撮影代金を要求するサドゥー様(この方は、毎日ここに居ました。)

聖なるガンガー(ガンジス河)で毎日のように沐浴をする人々。死体も、糞尿も垂れ流しの河だが、清濁、生死、幸苦あらゆる矛盾が渾然一体となっている宇宙観をもつ人々の姿に、わたしの浅はかな清潔感などは吹き飛ばされた。(ま、どっちみち入りはしなかったけども)

町中にあたりまえのように牛がいる。気を抜くと牛のフンに足を突っ込んでしまう。宿の窓際に荷物おいておくと、キラキラしたものが、猿たちにもっていかれる。ムンバイにいると「人間の都市に牛や猿がいる」のではなく、「彼らのいた土地を人間が占拠している」のだという事実に気づかされる。

まぁ、こんな風に、インドでは(ムンバイに限らず)日本で育った軟弱な我々の常識が、次々に覆されていきます。これを楽しむのがオススメです!

■おなじような体験ができる(はずの)べっぷの温泉

寺の温泉といえば、やっぱり長泉寺薬師湯

別府地獄めぐりの名所のひとつ間欠泉がうなりをあげる、あの「竜巻地獄」のすぐ近くにあるお寺のなかの温泉です。

(これらの写真は別府につて素晴らしい記事を書かれている
 べっぷるさんより→ http://bepple-beppu.com/chousenji-yakushiyu)

お湯は、直近の雨量なんかに影響されるのか?やたら熱いときや、低めの温度のときもあるなど、ややイメージがあります。車がないと、ややアクセスが不便ではありますが、基本空いているイメージなので、平日の午後など、一人でのんびり浸かることができたりもするかも。地獄めぐりと、ともに、ぜひ!

■インド・ダラムサラ、ヒンズー寺院温泉の基礎データ
・湯ノ質、普通
・景観、普通
・設備、なにもなし。宿で水着着てから行こう。
・人情、どちらかというと、いろいろ学びがあります。
・料金、無料
・営業時間、明るいうちにいきましょう。

■別府、長泉寺薬師湯の基礎データ
・水質 良
・景観 普通
・設備 とくになし、脱衣所と洗面器のみ
・人情 普通(というか、あまりヒトに会わない)
・料金 お賽銭
・営業時間 10:00~16:00


■そのほかの世界と別府の八十八湯についてhttps://sites.google.com/view/sekai-onsen/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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