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RF24-50mm F4.5-6.3 IS は使えるか?

街撮り用にあったら便利なレンズをいくつか探していた。
ズームレンズなら15−30ミリか24−50ミリ、単焦点なら24ミリか28ミリと考えていたが、それらは汎用レンズというべきランクのものでハイエンドユーザー向けな高性能レンズではない。
  
ただ、汎用レンズとかレンズキットに使われるキットレンズがダメかと言えばそんな事は無くて、商売上手なキヤノンのキットレンズはそれなりに高性能だったりするので、侮れないのだ。
 
高性能レンズと汎用レンズの違いはどこかと言えばぶっちゃけ光学性能と耐候性で、光学性能は綺麗に写るかどうか、耐候性は雨の日や埃が多い場所で使えるかどうか、って事になる。
 
耐候性?って思う人は結構いると思うけど、多少の雨がかかっても使えるかどうかって事はプロの現場では大事な事だし、一般ユーザーにとっても防塵・防滴構造になってないレンズはカビやすいって事もあるので、結構大事なポイントになる。
 
ただ、優秀な光学性能を得るために多くのレンズを使い、防塵・防滴構造にして耐衝撃性能も上げるとなると、どうしてもレンズは重くなる。
SIGMAの用に光学性能を上げるためには重くなっても良いと考えるレンズメーカーもあるが、散歩しながら街撮りをしようとすると、その重さが一番の大敵になるのは理解できるだろう。
 
なので、RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMとRF28mm F2.8 STMというキットレンズ&パンケーキレンズをオーダーしたのだが、そのRF24-50mmが到着したので性能を確かめてみた。

EOS R5
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO3200 f/6.3 1/6s 50mm

ランドマークタワーの70階から撮ってみた1枚。
あいにく、靄がかかるような天候の上に窓ガラス越しの撮影になったが、1/6秒というスローシャッターを手持ちで行っても手ブレがほぼ無い性能にまず驚いた。
さらには、光学性能もそれなりにちゃんとしていて、解像力的にはR5には足り無いとしてもR6マーク2/R3/R8/R10等が使っている各種24メガセンサーでの使用なら充分に耐えられると感じる。
 
このレンズを購入すると決めた要素の中にはIS(イメージスタビライザー)付きという事があって、日頃に使いたいR(ボディ内IS無し)での使用にも有利だと考えたからだ。
 
さらにはMTF曲線から想像できる安定した性能が210グラムという軽量なレンズで実現できてているのは、新世代RFレンズの優秀性を裏付けているようにも感じたのだ。

キヤノンHPより引用

という事でのテストシュートを、夜の山下町で行ってみた。

EOS R5
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO3200 f/4.5 1/30s 24mm

24ミリだからパース調整は行ったが、優秀な性能だと感じる。
ただゴーストは思いっ切り出ているので、出る事を理解しながら撮るしかないと感じた。

ピクセル等倍 切り出し

ピクセル等倍だとR5の場合、8192×5464ピクセルとなるので、そのサイズのまま現像するのは大きなプリント作品を作る場合のみ。
ただ、明らかに解像力が足り無いから使えないと言えないのは、実際の用途がSNSへのアップだとサイズが自動的に縮小されてしまうのでその粗は見えないからだ。
 
で、そんな用途においての解像力問題がクリアできると気になるのは、収差の押さえ込み能力。

ピクセル等倍 切り出し 周辺

キャノンの広角レンズの弱点は周辺部の収差の多さだった。
フルサイズセンサーカメラだとその問題はより顕著に出やすく、EFレンズの場合は周辺部は諦める事も多くあった。
 
だが、f/4.5まで絞ったとは言え、この破綻の無さにはちょっと驚いた。
24ミリとは言え、キットレンズだよ?ってカメラモニターで見て呟いてしまったのは言うまでも無い。
 
では50ミリだったらどうだろう。

EOS R5
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO3200 f/6.3 1/20s 50mm

長辺1920ピクセルまでサイズ縮小したら、どこに文句を言えば良い?ってレベルの画像になる。
24ミリと同様にピクセル等倍で見てみる。

ピクセル等倍 切り出し

24ミリはピントの甘さがあったのかも、と感じさせるこの解像感、50ミリの方が若干光学性能が良いのはMTF曲線からも想像できるが、f/6.3とさらに絞った結果と言うより地力の良さが出たのだと思う。

ピクセル等倍 切り出し 周辺

若干、高輝度部分にパープルフリンジが出ているが、サイズ縮小すれば確認できないレベル。それよりも50ミリならではのピンズレの中でのこの解像は、レンズに合わせた補正をかけているにしても素晴らしいと思った。
 
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMは使えるか?
 
使えます!
雨の日には注意が必要だし、撮る前にレンズを繰り出す動作が必要で撮影時の不格好さはあっても、強力なISと軽さは街撮りには最適だと思う。
 
大三元のRF15-35mm F2.8 L IS USMを使っていた事もあるけど、840グラムもあってレンズ長も12.68センチもあるから、疲れる上に目立って悩ましかったのだ。RF24-50mmは今後、昼間にテストシュートして飲食店での使い勝手も確認して問題無ければ、今後の主戦級になるのは間違いない。
 
キヤノンは、ベーシックなレンズでもかなりのクオリティがあって、しかもその上が欲しくなるレベルで抑える見極めが上手い。
キットレンズの中に優秀なレンズが多いと「Lレンズだったらもっと良いよね?」って気持ちにさせられるし、安価な撒き餌レンズがまた優秀なので単焦点のLレンズが欲しくなる、と購買欲を煽る商品企画が成功していると思う。
 
となると、間もなく発売されるだろうパンケーキレンズRF28mm F2.8 STMが、どんな画を見せてくれるかが、凄く楽しみだ。 
 
7月7日の七夕に発売だけど、EF40mm F2.8 STMやRF50mm F1.8 STMより高画質との情報もあるので人気上昇中。
発注済みだけどいつ入手できるんだろうねぇ。

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