見出し画像

タイトルで写真が変わる

写真をアップする時、タイトルをつける事は必要だろうか?
コンクール等はタイトルをつける事を必須としている場合が多いが、それはタイトルで写真の意味が変わってしまい、見え方も変わるからだろう。

例えばこんな写真がある。

この写真は、タイトルが無いとごく普通の写真にしか見えないがこれにタイトルをつけてみるとどう見え方が変わるだろうか?

タイトル例
 ①「久しぶりのひととき」
 ②「OFFの午後」
 ③「逃がした魚は大きい」

タイトルが①だと、カップルの間に流れる空気が穏やかに見えると思う。
しかしそれが②だと窓の向こうの景色に注意が向けられるようになるだろう。
そして③にすると、窓ガラスの魚のモチーフに目が行き、同時にカップルの関係性が①とは違って見えるはずだ。

では、こっちの写真にはどんなタイトルをつけようか?

タイトル例
 ①至福の時間
 ②今日もこれで終わる
 ③冬が来ない

例①と②は家族の姿を見てつけるタイトルで、①と②ではニュアンスがだいぶ変わる。そして③をつけるとはじめて、午後の日差しの強さと季節外れの気候に目が向く事になるだろう。

だから写真につけるタイトルは難しくて面白い。
そして、作者がどんな思いで写真を見て欲しいのかを知る事ができるので、コンテストにはタイトルを求められる事が多いのだと思う。

Blog等で写真と文をアップする場合、タイトルよりももっと深い意味づけを潜ませながら写真を文で挟む事になるのだが、この2枚目の写真には「将来への不安」を暗示させるようにアングルを決めていて、例えば今の経済状況や国会などについての文章の間に使えたら面白いと思って撮ったものだった。

noteにはそんな辛口の文を書きたいとは思っていないので、タイトルやキャプションの難しさと面白さの例にさせてもらったけど、「将来を担っていく次世代を育てる家族が影に部分に向かって歩いている」という構図は、不安な将来をイメージさせるための仕組みで、それを説明すると陳腐化するので解説する事は基本的にはしない。

だから、タイトルをつけるのは、Instagramにアップする時にタイトルっぽいキャプションや一言の呟きを書くくらいで、写真を見てくれる人それぞれがその人なりに何かを感じてくれれば良い、と思っている。

アップした写真に「こうやって見て欲しい」って押しつけるの僭越だな・・と思うのですよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?