見出し画像

大人のお子様ランチ

お子様ランチとは、レストランやデパートの食堂で子供向けに作られたセットになるが、本来は昼食を示すランチを当てたのは何故だろう。
自分の記憶としては、デパートの食堂で半球状に盛られたチキンライスに日の丸の旗が刺さっていて、その脇にオカズが一緒に盛られたプレートがソレだった、とあるのだが、食べた時間帯が夕方だったのでランチが昼食だと気づくのは、中学で英語に触れた時だった。
 
お子様ランチというは食事の提供スタイルして認識され昼食時でなくても食べられる物だったが、その形で大人向けに作られたものが野毛の「センターグリル」にあって、浜ランチとかスパランチという名で出ていて、同じく夜でも食べられたりする。中でも「スパランチ」はライス・ナポリタン・チキンカツ・サラダがワンプレートで出てくるので、長崎の「トルコライス」と見紛うばかり。
ちなみに「トルコライス」とは、こんな料理だ。

EOS Kiss X6i EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM
ISO400 f/4.5 1/20s 35mm

このトルコライスは、諸説ある発祥の一つとして有名な「ビストロボルドー」のもの。豚カツ・ピラフ・スパゲッティが一つの皿に乗る事を基本としていて、アレンジとして豚カツをチキンカツにしたりハンバーグや海老フライと入れ換えたりと、様々な形で提供されている。
 
2013年撮影のためEOS Kiss X6iを使っているが、その性能の良さは特筆もので、センサーは7Dと同一、ハイブリッドCMOS AFも装備され、翌年発売されたX7iはバッテリーの保ちがちょっと良くなった位の変更しかない(できない?)当たり機でもあった。
 
料理撮影には、被写界深度の関係からAPS-Cセンサーの方が有利だと感じていて、現在も料理を撮る時はR5をクロップ(APS-C相当)して撮影している。
(R5のクロップ画素数は17.3メガ相当なので、X6iの18メガの方が若干精細度は高いけどほぼ同等)
 
今回、現在の現像メソッドで再現像してみたら、この仕上がり。
ちょっと固く感じるのはレンズのせいで、使用しているEF-S15-85mmはAPS-C用標準ズームとしては発売時は圧倒的に高性能だったが、シャープ過ぎる写り方をするのでボケにもうるささが出る。ならば、料理写真についてはX6iにEF35mm F2 IS USMを使った方が楽しいんじゃないだろうか?って思うワケで、今後はX6i+EF35mmで出歩く事もあるかも知れない。
 
今回のタイトルにあげた「大人のお子様ランチ」は、トルコライスがそう言われるからでは無く、「ホテルニューグランド」が特別企画で4月30日まで提供している事を取り上げるから、のこと。
 
その「大人のお子様ランチ」は、開業90周年を迎えるプレ・イヤー企画でニューグランド発祥の料理をワンプレートに乗せて出す試みが2017年にあって、その時に食べて面白かったので、今回は食べ比べ的に味わいたくなったワケだ。

EOS R5 RF16mm F2.8 STM
ISO1600 f/5 1/6s

相変わらずの重厚な造りは「日本クラシックホテルの会」に加盟する9ホテルの一つして相応しく、1991年にタワーが開業するまではこの古い建物のみでの営業でもあった。
 
柔らかい絨毯の階段を上ると、そこには懐かしい風景が待っていた。
バンケットルームの待合場所にもなるロビーには、人の姿は見えない。
お茶が楽しめるラウンジはフロントがあるタワー棟の1階になり、ここでの飲食サービスは特別企画がある時のみ。
なので、異空間の中に身を置く楽しみしかない場所になるが、その時間の贅沢さは他では味わえないものになるだろう。

EOS R5 RF16mm F2.8 STM
ISO1600 f/5 1/8s

横浜では「ホテル戦争再発?」と言われるくらい、世界的にメジャーなホテルが参入していて、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」「ハイアット リージェンシー横浜」「ウェスティンホテル横浜」「ヒルトン横浜」・・と開業が進み、2027年には「コンラッド横浜」もオープンするとの事。
 
そんな新しいホテルに無い魅力を持つクラシックホテルは存在するだけで価値があるとも言えるが、存在の魅力だけでは立ちゆかないのは道理。
日本におけるフレンチの基礎となったホテルでもあるのなら食についても唯一無二な存在であるべきと思うワケで、企画とは言え発祥と言われる料理をワンプレートで楽しむのは、その特異性を期待してしまう部分もあったのは事実だ。

EOS R5 RF16mm F2.8 STM
ISO2500 f/5 1/125s

訪れた日はウィークデイだったので、待つ事もなくすんなりと入れた。
(休日の食事時だと、待ち時間が長いらしい)
 
ちなみに2017年に食べたセットはこんな感じ。

EOS Kiss X6i EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM
ISO400 f/7.1 1/25s 38mm

シーフードドリアは初代総料理長のサリー・ワイル、スパゲッティ・ナポリタンは2代目総料理長入江氏が進駐軍の食事を見て作ったもので、ナポリタンは喫茶店のケチャップいっぱいなナポリタンとは別な料理言うべきもの。
このワンプレートの他に、スープ(季節野菜のポタージュ)とデザート(プリン)がついて税込3,996円(サービス料別)だったと記憶している。
 
今回はそれが5,060円(サービス料別)となっていて、円安の影響をモロに受けていると感じつつも、前回のバターこってりな味わいがどう変化したかを楽しもうと待ち構えていた。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO1600 f/4 1/80s

最初に登場したのは春キャベツのポタージュ。
穏やかな味わいは「伝統を感じさせる」とはいかないまでも、しっかりと仕事がされている楽しさがあって嬉しく思う。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO2500 f/4 1/50s

付け合わせの仕様変更に、物価上昇の凄さを感じざるを得ない。
ハンバーグが小さめと思ったが以前の物と同様に見えるので、これは努力した結果なのだろうと思う事にする。
 
ただ、全体的にアッサリとした味わいで、前回感じたリッチなイメージは無い。
料理としてのバランスを考えての変更だと思うけど、個性が弱くなったと感じたのも事実だ。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO2500 f/5 1/25s

明らかに味わいが変わったナポリタン。
普通のナポリタンに近くなって、ニューグランドのナポリタンを知らない人にも受け容れやすくなっているのは成功しているが、以前に感じたみずみずしいトマトの個性が弱くなったのは、個人的には残念ではある。
 
とは言え、昔ながらのコッテリとした味わいが食べやすくなったのは、自分にとってはありがたい変更で、料理が時代に合わせて変化していく様を楽しむのも一興だとあらためて思った。何故なら、シーフードドリアは具材タップリな上に、以前のしつこさが弱くなって実に楽しい味わいだったからだ。 

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO2500 f/5 1/30s

これは、変わらないね。
ホテルらしい、しっかりとしたプリンは健在で、久々にニューグランド発祥料理の一つ「プリン・ア・ラ・モード」を食べたくなった。
 
でも、このプリンに加えてアイスクリームやフルーツが乗ったソレはアメリカ人向けデザート量なので、食べてる途中で飽きるのが必至。
目だけ食べたいのだ・・と自分に言い聞かせて、食後のコーヒーを楽しんで終了となった。
 
noteでは、写真の技術論的な記事を書くようにしているが、日常的にはその日食べた物をメインに日記的なBlogを書く事が多い。
今回は、ニューグランドの旧館の雰囲気も撮ったのでアップしてみたが、自分的にはしっくり来ない部分もあって、逆に面白かった。
 
基本は、日々の街撮りや散歩での街スナップになるが、たまにはこんなアップも増えると思う。
ただ、Blogでのアップとnoteでアップでは画像サイズが違うので、撮影時に工夫が必要かも知れないと気づきもした。
 
画質的に言うなら、EOS Kiss X6i+EF35mm F2 IS USMで撮った方が良いと思うのだけど、同時に店の雰囲気や街撮りをする際のパワーダウンは免れないので、正直悩ましい。
それなら街撮りはR5で撮り、料理は別にコンデジ(PowerShot S95)を用意してRaw撮影してPhotoLabで処理するって?・・・なんて考えてしまう。
とは言え10メガの1/1.7型CCDセンサーだから、今使ったらどうなんだろう?
 
「古き良き物は大切に」と思っているけど、入手したデジタルカメラを売却せずに持っていても使う事が無い毎日だから、使ってみようと思う事は大事なのかも知れない。
なのでそのうち、そんな実験的な写真を取り上げる事もあるかもね。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO1600 f/5 1/15s

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?