見出し画像

横浜でロケをする場合の注意点

横浜は、古い建物も新しい建物もあり、観光地としての整備もされているので、
プロ・アマを問わずロケ地として利用されやすい場所である。
昭和には横浜で映画を撮る事も多かったが、今はテレビドラマやCMにもよく
使われていて、アニメにも登場する事から聖地巡礼を楽しむファンもいる。
だが、生活様式が変化しビデオ撮影等も増えてきて、地域住民からのクレームも
増加した事から、横浜市は「横浜フィルムコミッション」という形で、映像作品のロケーション撮影の支援を行うようになった。
 
「横浜フィルムコミッション」は、ロケ場所の紹介、許可、届出手続きの調整や
取り次ぎなどの支援を行う事で、ロケーション撮影による露出を増やしてシティーセールスに繋げ、同時に無許可によるトラブル発生を避けるという効果を狙った。歴史的建造物が多い横浜には、必要不可欠な業務の一つと言っても良いだろう。
実際、動画だけではなく写真撮影についても業務で行う場合は、横浜フィルムコミッションを通さないと許可が出ない場所もあるのだ。

街中でこんな大がかりな撮影が多く実施されているのは、地域住民にとっては既に
慣れっこだが、交通が規制されたりすることもあるので派手な照明が立っている
のが見えると、最初から道を変えるなど自衛する事も日常になっている。

この撮影も、マジックアワーの写真を撮ろうと大桟橋方向へ向かって出っくわし、「ペニーズダイナー」や「スカンディア」の雰囲気を撮り損ねてがっかりした事を
思い出す。 
 
こんな規模の撮影は個人では無理だけど、街撮り等のスナップ系の撮影をロケと
見なされるかどうか・・・なら問題は無いと言って良い。
何故なら観光地の真っ只中で、カメラを持っている人全員に許諾を求めるのは
現実的では無いし、多少のそれっぽい撮影であっても監視には無理があるからだ。
 
ただ、プロ仕様の装備で長時間でポートレート撮影等を行っていると、許可申請が必要なエリアでは無申請で撮影を行ったという事で使用料の発生もしくは
撮影データの消去を求められる事もあり、注意が必要となる。
(みなとみらい、大桟橋、赤レンガ倉庫、山下公園などで業務撮影を行う場合、
 所定の撮影料が発生する)
 
モデルを頼んで撮影している人や、撮影会という形で数人でモデルやタレントを
撮っているのはよく見かけるけど、アマチュアが撮っている様に見えていれば、
使用料を徴収される様な事は起きていないように感じている。
だが、ハイアマチュアの場合でカメラやレンズなど充実した装備を持って撮影して
いるとプロと見分けがつきにくく、業務撮影とされる事もある。
 
プロとアマチュアの違いをどこで見るかと言えば、モデルの質とレフ板や
オフカメラストロボ(モノブロック等)などの補助光機材の有無。
どうみてもタレントでしょ?ってレベルのモデルを撮ってれば目立つし、
オフカメラストロボを使っていれば、普通の撮影じゃない事は一目瞭然。

ちなみに、オフカメラストロボは小型だとカメラのホットシューにも装着でき、
光量も強くモデリングランプも点灯できるのでスタジオ撮影にも対応できる。
モノブロックや簡易型はバッテリーで発光できるのでロケにはピッタリで、
強い光量で日中シンクロにも使いやすい。

私の場合はプロフォトのA1Xというストロボを複数使用しているが、簡易型
アンブレラ単体を手持ちで使ってもかなり目立つので、コンポジ等で使いたい
スナップ的な撮影には基本は自然光撮影で行い、必要に応じてオンカメラストロボ
をキャッチライト用に使うぐらいにしている。
(コンポジ=コンポジット タレント等のプロフィール資料に使う写真で宣材より
 もスナップ的なものが多い) 
  
大桟橋でプロカメラマンが無償で友人モデルのポートレートを撮っていた時、
上記の様に利用料を支払うかデータの消去を求められた・・という事例があって、
「プロの醸す空気は、だらしないオフな格好でもバレるんだね」って笑い話に
なった事があった。
  
横浜で作品撮りなどのロケを考えている場合は、許諾が必要なエリアを把握して
おく事でトラブルの回避ができるので、予定撮影場所の管轄をネットで調べたり、
横浜フィルムコミッションに相談してみたりして欲しい。
(商用撮影だと30,000円程度の使用料がかかる)
 
そして使用料を払ったとしても、近隣住民に迷惑がかかるような撮影については、
撮影不可になる可能性もあるので、マナー良く撮影を楽しんで欲しい。
古い建築物が多い横浜ではその建物の外壁をバックにして撮る面白さもあるので、人物撮影を楽しむ人にはそんなチャレンジも楽しんでももらいたいと思っている。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?