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新山下を歩いたら、歴史の形が溢れていた

観光地横浜は、港町。
その姿を色濃く残す地域はまだまだあり、漁港の姿を保っている場所もある。
観光地に隣接する形でそれらは存在しているけど、その多くは横浜港に訪れる船に対応する職に携わる人が生活するエリアが多く、同時に港湾業務を行う企業や施設が集結する場所でもある。

そんな地域の一つ「新山下」は、町の中央に運河があって港湾エリアと住宅エリアを分けているが、元町や山下公園から歩いて行ける距離=利便性があるため、統合型リゾート(IR)の候補地となって大々的な反対運動が起きるなど、注目される地域である事は、今も変わっていない。

EOS R5 RF70-200mm F2.8L IS USM
ISO1600 f/2.8 1/250s 200mm

新山下と言っても歴史は古い。
山下町先にあった埋め立て地が新山下とされたのは大正2年。
貯木場は昭和8年に完成し、関東大震災後の復興のために輸入された木材が水面係留されて問題になっていた状況を改善する。
戦後は進駐軍が一部接収し、昭和57年に区域全域が返還されるまでは、どこか異国な空気もあったのだが、今はその面影を見る事は無い。

そんな町を撮ってみようと思ったのは、新山下にあるハンバーガー屋「codie's」へ行ったからで、新山下という町を散歩しながら撮る事が過去に無かった事が火をつけた。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO400 f/3.2 1/250s 15mm

ちなみにこのお店のバンズは、元町の「ポンパドール」に特注するなど横浜らしさを意識していて、クオリティはかなりの物。
ピリ辛のチリビーンズも楽しいので、最近はバーガーにトッピングするのが決まりになりつつある。
・・と言いつつ、今日のオーダーは「ワカモレサルサバーガー」
サルサがちゃんと辛いのと、レタスの食感が楽しいね。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO1000 f/7.1 1/20s

「codie's」はロードサイド店なので目に付くけど、山手の丘に近い内側の地区や運河沿いの地区を見る事は少なくて、だから今撮ったら面白いかな?って思ってしまったワケだ。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO800 f/5 1/100s 24mm

こんな建物は、昭和な時代には当たり前にあった。
造りがちょっと不思議なので、店舗か会社事務所の裏手なのかも知れない。
ちょっと錆びが見えるトタン張りな外観は、あと何年その姿を保っていられるのだろう。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO1250 f/3.2 1/250s 35mm

営業中とあるのに誰もいない売り場。
声をかけたら焼いてくれるのだろうけど、ハンバーガーを食べちゃった後に焼き鳥を食べる気にはなれなくて、記録としてシャッターを切った。
 
住宅エリアとしては狭い(と言うか細く長い)事もあるし、元町が近かったりトンネルを通って本郷町へ抜ければ大きな商店街があるという地域のせいなのか、とにかく変わった建物構成ではあるな・・と感じる。
店舗らしいけどシャッターが降りているとか、どういう趣味でこうなった?って構えを見せる建物もあって面白い。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO1600 f/2.8 1/125s 22mm

そんな地区の住民の足は、専ら自転車かバスになるのだろう。
 
地下鉄が本牧まで延びるという話も無かったワケではないが、岩盤が硬くて掘り進められないという表向きの情報も流れ、未だに地下鉄が延伸する話は浮かんで来ない。
 
そして、大通りの向こうは仕事エリア。
この魚屋は、そこで働く人達の数少ない食事処として飲食店を併設していた。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO640 f/2.8 1/250s 19mm

こんな道路に並行して、大型トレーラーが通る二車線の大通りや、首都高などの道があるのだが、その道に平行するように新山下運河が流れている。
 
本牧A突堤とB突堤の間に繋がるその運河は、大正12年に誕生とされているが同年9月1日の関東大震災で埋め立て地に向かう橋が被災した記録があった。

EOS R5 RF70-200mm F2.8L IS USM
ISO1600 f/2.8 1/320s 200mm

そんな運河にかかる橋の一つ「霞橋」
古い造りだが、元々は隅田川橋梁として明治29年に架橋されたものを移設したのだが、この地に来る前に鶴見区江ヶ崎の跨線橋として使われていて、腐食が少ない部材を再利用してこの形として設置されたのが2013年。
 
橋マニアな人には堪らないのだろう・・けど、そこまで橋に愛情を感じない自分としては「ちょっと珍しい構造の橋だな」と思って写真を撮った、と。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO1250 f/3.5 1/200s 17mm

そんな運河の入口は山下埠頭脇・堀川河口。
マジックアワーらしく独特の色合いが楽しくて1枚撮ったけど、こんな風景になったのは平成になる頃だったと記憶が蘇った。
 
写真ってやっぱり面白いね。
街撮りは定点観測的な面白さがあるけど、知らない街を撮ると「今」を見つめる事ができるらしい。
 
次はどこの町を訪れよう?
 
そこにある「風景」や「食」、そして人々が醸す「空気」を切り取りたい。
特にその町ならではの「食」とその「環境」は、外せない魅力があるはず。
 
とりあえず、名前だけは知ってる町を目指してみますかね。

EOS R5 RF15-35mm F2.8L IS USM
ISO 1600 f/4 1/13s 27mm

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