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「居心地のいい環境」と「ぬるま湯」の違い

『緊張と緩和のバランス』こそが、すべてのおもしろさを決定づける。
仕事も同じだ。

これは昨日のnoteから取り扱っている転職の思考法に出てくる一節です。

よく、『居心地の良い環境』っていう言い方がありますよね。

これって基本的にはポジティブな意味として使われることが多いと思うんですが、ぼくはたまに『ぬるま湯』みたいなネガティブな意味として捉えることもありました。

ただ、かといって逆に『居心地の悪い環境』で過ごしたいかと言われると、うーん...となってしまうので、ぼくが求めている環境はどういう状態を指すのだろ?ということを、ときどき考えていました。

それで、冒頭の引用箇所には続きがあって『緊張には2種類ある。いい緊張と悪い緊張だ』というものです。

このいい緊張と悪い緊張は主観でいいんですが、その緊張が『社外』からなのか『社内』からもたらされたものなのかは、ひとつ目安になると書かれていました。

そして、この『社外』か『社内』かという区分けは、『成果』か『人間関係』かとも言い換えられます。

結局、仕事への満足度に関係する大きな要素はこの2つしかありません。

つまり、いい緊張とは社外のお客さんに対して『どういうふうに提案しようか』『どんな企画なら面白いかな』など、『成果』のために労力を割いている状態のことです。

逆に悪い緊張とは、社内の同僚に対して『あの上司に怒られるのイヤだな』とか『あの人は自分のことを嫌ってるんじゃないだろうか』という、『人間関係』に労力を割かれている状態です。

もちろん、社内でお互いに切磋琢磨し合っているポジティブな人間関係の緊張もあるので一概には言えませんが、だいたいこの区分けでいけます。

ただ、この場合も最終的に意識している地点は『成果(=あいつよりもいい成果を出したい!)』なので、社外か社内かという条件は一旦外して、成果か人間関係だけに注目したほうが、いい緊張か悪い緊張かの見極めの精度は高まるかもしれません。

ちなみに、ぼくが『居心地のいい環境』をたまに『ぬるま湯』と捉えることがあったのは、いい緊張も悪い緊張もなく、成果よりも人間関係に目が向いているんだけど、それが攻撃的な悪い緊張を生むものではなく、お互いに傷をなめ合ったり足を引っ張り合ったりする、『緩和』が行き過ぎた状態を想定したからだと思います。


ぼくがこの『居心地のいい環境』について考えるとき、いつも思い浮かべていたのが、元中日ドラゴンズ監督の落合博満さんです。

出典:スポニチ

落合さんは8年の監督期間中に4回中日をリーグ優勝させたまさに名将なんですが、実は落合さん『超』がつくほどのポーカーフェイスなんですね。

試合中、全くと言っていいほど表情が変わらないんですが、そのことについて記者から尋ねられたとき、こう答えたそうです。

『もしオレが試合中に喜怒哀楽を全面に出してたら、選手が相手チームじゃなくて自分のチームの監督ばっかり見ちゃうだろ。選手たちが気にしなきゃいけないのは、オレの機嫌じゃなくて相手チームの動き。』

本当にそう答えたかどうかはさておき、これは名言すぎませんか!?!?

ここで大事なのは、落合さんがポーカーフェイスだったということではなく、『職場がいい緊張感に包まれるように、そこで働く人が人間関係(=監督の機嫌)ではなく成果(=試合の結果)に集中できるようにした配慮』です。

落合監督は自分の監督としての影響力の大きさを自覚していたからこそ、あえて褒めたり喜んだりといったポジティブな反応もせず(試合に勝つためではなく、監督にいい評価をされるためにプレーしてしまう恐れがある)、あえてポーカーフェイスを貫いたのだと思います。


その緊張が『人間関係』ではなく『成果』に向けられたものであるかどうかという指標が、いまこの文章を読んでくれてる人のなんらかの参考になればうれしいです!


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