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AIの「進化した姿」とは

知的なロボットの見た目や行動についてわれわれが以前から抱く思い込みのせいで、すでに周辺で起きている現実が見えなくなってしまっている。
AIが人間のようなものだと思うのは、人工的な鳥である飛行機が翼をばたつかせると発想するのと同じ論理上の欠陥だ。


『〈インターネット〉の次に来るもの』を読んだ感想、第5回です!

第1回 現代に生きるぼくたちはみな、「永遠の初心者」
第2回 スティーブ・ジョブズの「最大の功績」
第3回 「変革」を起こすのに最も適した時代は?
第4回 カメラの未来は「撮ったもん勝ち」


『AI(人工知能)が人間の仕事を奪う』みたいな話は、いろんなところで言われていますよね。

これまで人間がやってきた仕事をAIが代わりにするようになるという点では、本中の筆者も概ね同意していますが、その際の『AIの姿』は、ぼくたちが想像しているものとは違うと言っています。

ぼくたちがAIに対して人型のシルエットを思い浮かべるのは、冒頭で引用したように『人工的な鳥である飛行機が翼をばたつかせると発想するのと同じ論理上の欠陥だ』と斬っています。


ただ、ぼくたちがそういった欠陥的な発想をしてしまうのは仕方ない面もあって、たぶんぼくたちは鉄腕アトムやドラえもん(これは猫型だけど)の影響を大きく受けてしまっています。

だから、未来の進化したAIは、ぼくたちと同じような形をして、ぼくたちと同じように暮らすと思い込んでしまいがちです。


しかし、筆者はそうではなく、AIはこれから進歩すればするほど、ぼくたちにとって見えなくなっていくと述べています。

いま勃興しつつあるこうしたAIは、あらゆるところに行き渡ることで、かえって隠れた存在になるだろ。


これは、いますでに実際にAIが使われている場面を思い浮かべると想像しやすいと思うのですが、ハードにしろソフトにしろ、AIが稼働しているのはその裏側です。

車(ハード)の自動運転だって、AIが活躍していますが、見た目は完全にこれまでの車と同じです。

Googleの検索エンジン(ソフト)にももちろんAIが使われていますが、ぼくたちは普段『ああ、グーグル先生は賢いな』と思うだけで、そこに鉄腕アトムやドラえもんの面影を感じることはありません。

筆者も補足として

いま姿を現しつつあるAIは、どちらかというとアマゾンのウェブサービスのようなもので、安価で信頼性が高く、あらゆるサービスの裏に隠れている実用的でスマートなデジタル機能であり、作動している間はほとんど気づかれることもない。

と言っています。


ということで、ぼくたちは『進化したAI』というと、つい人型のものを思い浮かべてしまいますが、そうではなくて、逆にぼくたちの全く気づかないところで、しれっと生活に浸透してくよという話でした!



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