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「タイトル=内容をまとめたもの」ではない

テキトーな言葉から、意図せぬ意味が立ち上がってきて、結果まさに、”適当”な言葉になる瞬間があるんです

今日は魔法をかける編集で公開されている8つの編集術の、5番目以降について紹介します。

・1つ目と2つ目 「編集=うまくまとめること」ではない
・3つ目と4つ目 「インタビュー=相手の話を聞くこと」ではない


⑤見晴らしのいい小見出しを

個人的には、ぼくはこの項目が一番勉強になりました。

というのも、記事自体のタイトルの付け方は本やネットで出回ってるんですが、小見出しの付け方はテーマとしてマニアックすぎて、そんなに情報がありません。

それで統一されたノウハウがないためか、ぼくが普段読んでる媒体やライターでも、それぞれ小見出しの付け方が違っていて、共通した要素を見つけづらかったです。


ということで、実際に本中では何が書かれていたのかというと、まず気をつけるべきことは『まとめることの罠に陥らないこと』です。

ちなみに、一昨日のnoteは『「編集=うまくまとめること」ではない』というタイトルで、記事全体の編集術について書いたんですが、記事全体と見出しで、気をつけるべき基本的なポイントは同じでした。

それで、ここからは小見出し特有の話なんですが、著者の藤本さんは小見出しのことを『山登りで言うと、途中のちょっとした見晴らし台のようなもの』と喩えていて、これが分かりやすかったです。

『がっつり気合いを入れて、そのあとに綴られている文章を一言でまとめてみせるぞ、なんて気持ちにならないほうがいい』らしく、その文章のまとまりのなかで最初に読者の目に入ってくるのが小見出しなわけだから、『ここからはこんな景色が見えます、ってさわり』くらいの気持ちのほうがいいのです。

つまり、小見出しは『その後の文章のかたまりをうまくまとめたもの』ではなく『その後の文章への興味を引き立てるようなチラ見せ』としての使い方をしたほうがいいということです。

ぼくにはこれまで小見出しを付けるときの指針のようなものがなく、そのばその場で手探りでやっていたんですが、別にうまく一文にまとめようとしなくても、読んでくれてる人の期待値を上げる途中ポイントとして活用すればいいんだと思えるようになって、スッと気持ちが楽になりました。


⑥テキトーが適当になるタイトル

小見出しの次は、記事全体のタイトルです。

ただ、タイトルのテクニックとしておきながら、この小見出しの通り、藤本さんはわりかしタイトルはテキトーに決めるそうです。

ただ『こういうタイトルが良い!』は特になくても『こういうタイトルがダメだ!』は明確にあるとのこと。

その一つの例として挙げていていたのが、藤本さんが実際に編集者として関わっていた『のんびり』という雑誌について。

実はこの雑誌、秋田県から発行されている、秋田県について紹介する雑誌なんですね。

でも藤本さんはあえて、雑誌の名前に『秋田』を入れませんでした。

なぜなら、その雑誌を作る目的が『他県のみなさんに秋田に興味を持ってもらい、秋田に足を運んでもらう』ことだからです。

言い換えると、これまで秋田にそんなに興味のなかった人に向けて、『のんびり』を読んでもらうことが大事なのです。

なので、そこで雑誌の名前に『秋田』と入っていたら、その時点で潜在ターゲット層の人たちから門前払いを食らってしまいます。

この話はもう少し普遍化すると『タイトルでは間口を”少し”広く取る』ということだなとぼくは解釈しました。

(広く取りすぎても、中身がそれに伴っていなかった逆効果になるから注意!)

...ただ、藤本さんいわく絶対にやってはいけないことさえやらなければ、あとはタイトルは適当でいいらしいです。

それっぽい理由は、後からついてくると。

例えば、さっき話した『のんびり』というタイトルも、そんなに深く考えないで名付けたらしいです。

ただ、後からそういえば、

たとえ経済的にはビリのほうでも、本当の豊かさや幸福について考えれば考えるほど、秋田は決してビリなんかじゃない

と思うようになり、

ビリじゃない。つまり、NONビリ。それが「のんびり」なんだなと

落ち着きました。


最初からこのロジックで作ろうと思っても、たぶんなかなか『NONビリ』の語呂は出てきません。

最初に『テキトー』に作った『のんびり』というタイトルだったからこそ、時間を経て『適当』になっていたのです。

・・・

ということで、今日は

⑤見晴らしのいい小見出しを
うまくまとめるのではなく、その先のワクワクを促すさわり

⑥テキトーが適当になるタイトル
NG地雷さえ踏まなければ、あとはなんでもそれっぽくなる

の2つでした!

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