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オンライン上での「投げ銭文化」について、改めて考えてみる

突然ですが、みなさんオンライン上で「投げ銭」をしたことありますか?

もしくは、されたことがありますか?


オンライン上のコンテンツやコミュニティの、一種の「希望の星」的な存在として語られることも多い投げ銭ですが、実際のところ、どれくらい「循環」してるんでしょうか?

...なんてことを、最近ぼくは大学の卒論テーマとして「ネットメディアの持続可能なビジネスモデルの検討」を検討していることもあり、考えていました。


たしかに、実際にその行為が発生さえすればすごく尊いのですが、逆にどれくらい発生しているのだろうかと。

ぼく自身、こうやってnoteを毎日書いていて、PVの関係もありますが、数えるほどしか投げ銭をしてもらったことがありません。

逆に、ぼくが(定額購読とは別で)その単独のコンテンツを読んで投げ銭をしたことも、数回しかありません。

果たして、「投げ銭」はオンライン上の経済活動のひとつとして、機能しているといえるのでしょうか。

だって、「800いいね」以上ついてる深津さんの記事でやっとこさ、「13000円」の投げ銭ですよ?!

現代のマネタイズの一手法として、その名を挙げられることも多い投げ銭ですが、継続的かつ安定的な収入源として、見込めないのかもしれません....

なんて早計に結論を下そうとしていたのですが、そういえば、最近乱立してる動画配信系のサービスとかだと、すごい投げ銭されてますよね?

あれをひとつのメイン活動としてやってるアイドルの方なんかも、多分けっこういますよね?(※ぼくの直感調べ)

note上では(ぼくの推定では)それほど投げ銭の文化が思ったより浸透してなくて、動画配信サービス上ではめちゃくちゃされまくってる「差」はなんなんだろうと、すこし考えていました。

そこで思いついたのは、「目先のインセンティブ」です。

つまり、note上では投げ銭による目先のインセンティブが弱い(強いて言うなら、送り先からの感謝のメッセージ)ですが、動画配信サービスだと、動画の配信主の方から、その場で名前を読んでもらえたりするという、強烈に承認欲求がくすぐられるインセンティブがあります。

人間はやはり、突き詰めると世俗的な存在なんでしょうかね。

みたいな感想を言いたかったのではなく、では、たとえばnoteも同じように、もっと投げ銭に対して強いインセンティブを設計するべきなのでしょうか?

ぼく的には、いまのままの設計でも、別にいいかなと思っています。

今後noteさんが、どういう方向性を考えられるのかわからないので、なんともいえないですが。

あえて極端な言い方をすると、いまのnoteの投げ銭の設計には、送り主へのインセンティブが「ない」んですよね。

でもだからこそ、note上での投げ銭は美しいし、本来の趣旨に合致しているともいえます。

投げ銭って本来、「このひとを応援したい!」「このひとにすごく感謝してる!」っていう思いを、体現したものですよね。

だから、言ってしまえばそこになんらかのインセンティブを用意する必要なないわけです。

その投げ銭という行為自体が、そのひとの目的(=インセンティブ)なので。


たしかに、目先のインセンティブがあるような設計をしたほうが、投げ銭(という名の課金)はされやすくなりますが、中長期的な関係性を考えたとき、健全性があるのはもしかしたらいまのnoteのような仕組みなのかなと。

いってしまえば、アイドルに動画配信サービスで投げ銭をするのは、その応援してるアイドルに認知してもらいたいという、「承認欲求の充足」が目的で、投げ銭はその手段ということになります。

(もちろん、純粋にそのアイドルを応援したい!という思いで、投げ銭をされてる方もたくさんいると思います)


逆に、note上でも、投げ銭をすることによって「承認欲求の充足」を図る場合があったり(note上でも個別で返信をもらうことはできる)して、そこは明確に線引きできるものでありません。

それに、動画配信系のサービスで、投げ銭のインセンティブを強めに設計することによって、比較的経済圏が立ち上がりやすくなり、それによって収入や精神的な面から、おおいに助けられている配信主のかたが、大勢いるのもたしかです。

だから、ここはどっちがいいとか悪いとかではまったくなく、インセンティブ設計におけるグラデーションのうえにたって、絶妙な塩梅で舵取りをすることが求めれる、永遠に答えの出ない問いなのかなと。

ここらへんの、「投げ銭」×「インセンティブ」×「持続性」みたいなところは、すごく興味があるところなので、引き続き考えていきます。


★それは「手段」なのか「目的」なのか、つねに自問自答することは大事


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