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藤井猛"裏"生誕祭

前日まで

開催までの経緯

9月18日、心に刺さるイベントがあって久々に将棋の森に行ってきたんです。

高橋和女流三段には藤井猛九段ファンと認識されている身。懇親会で将棋の森に用意された美しい駒にうっとりしながら和先生話していると、9月29日が本当の藤井先生のお誕生日と知るや否や、たまたま9月29日に行われるShogi Fun Nightの内容を変更して「涓滴Nightやろうぜ」って……決まったんですよ……あっという間に……。

和先生から私には以下を申し付けられました。

  • 絶対参加すること

  • 藤井先生の最高の一局を決めてくること

  • 秘蔵の品を持ってくること

しかし当日のプログラムは何も教えられず……。

不安

Shogi Fun Nightはテーマを決め、そのテーマを好きな人が集まってわいわい飲み食いする緩やかなイベント。それが10日前に急遽変更された訳です。

大丈夫かなぁ。単なる将棋ファン、しかも「涓滴」をメインっぽくしていいのかなぁ。密やかに藤井先生を応援しているただのおっさんですけど。人集まるかなぁ。集まらなくて将棋の森困るんじゃないかなぁ。元々この日詰将棋を語り合いたくて仕方なかった人は怒ってないかなぁ。仮に来てくれる人がいたとしても時間無駄になっちゃわないかなぁ。ファンだけでイベントとして成り立つのかなぁ。まあ語れと言われればいくらでも語れるけど……(ここは不安じゃない)。

とか思ってたらあっという間に当日。なんせ10日しかないもんで。

当日

19:00開始ですが早めに到着。参加者がどれ程集まったかも知らずドキドキ。もしかしたら5人もいないかも。と思ったら初手からTシャツ、Tシャツ。幸先の良いスタートです。

結局10人以上の方に集まっていただきました!私が普段𝕏(Twitter)で「この人いつも凄いなぁ」と言う方々にもご参加いただいていました。嬉しい……。ありがたいなぁ。

将棋の森に残る藤井先生の思い出

2017年、将棋の森では藤井先生による「ガジガジ流目指せ初段教室」が行われたことがあります。私は既に初段以上だったので受講できず。

会の冒頭では、和先生からこの時の思い出を語ってくださいました。藤井先生が受講者のためにいかに真剣に講座を考えてきたかよく分かりました。

そして発表された本日のプログラム。皆さんと一緒に私も初めて知る。

  • 語ります

  • 特選棋譜解説

語ります

持参した秘蔵の品とともに藤井先生について語ってねと言うもの。

地方出身なので実は多くイベントに参加してきた訳でなく、藤井先生関連の品はそんなに持っていませんが、これまでオンラインでは言えなかったエピソード付きのモノを持っていくことにしました。みなさんが持っているであろうモノを持って行っても面白くないですしね。

持って行ったものは以下。

  • 関係者から頂いた藤井ファンになるきっかけの一つになった対局(第24期棋王戦本戦 藤井猛六段-屋敷伸之七段)観戦記の写し

  • 藤井先生から頂いたサイン本

  • 藤井ファンから頂いた藤井猛銀河色紙

  • 関係者から頂いた藤井猛銀河Tシャツ

  • 日野悠平さんに頂いた「涓滴-チェロとピアノの為の」スコア

あとはお約束的に先崎学九段による『一歩竜王』観戦記が掲載されている『将棋世界』2001年3月号や藤井先生の昔の写真などを。

これらに関わるエピソードを交えつつ、お品を紹介しました。

個々のエピソードはここでは割愛しますが、持っていく品をどうしようか家を漁っているとき、色んな方のご厚意で貴重な品の数々が自分の手元にあるんだなぁと改めて感謝の気持ちで胸いっぱいに。持参したものもほぼ頂き物。ありがたいなぁ。

ちなみに「涓滴-チェロとピアノの為の」という曲は、作曲家の日野悠平さんが藤井先生にインスピレーションを受けて書き上げた曲です。

面白かったのは、私以外にも何人かの方が藤井先生関連グッズを持ってきており、その想いをアツく語られていたこと。アツいし分かるしずっと聞いていられました。

でもみんな傾聴しすぎて全然食べ物や飲み物に手が伸びないという。

結局あの場には上記のお品以外に

  • 1998年度NHK将棋講座テキスト(藤井先生による必勝四間飛車「藤井システム」講座が行われた頃)

  • 将棋年鑑の藤井先生に関するすべてのページの複写

  • 並べた藤井先生の棋譜の複写

  • たくさんの将棋世界

  • Number(2011年7月26日号)

  • AERA(2012年7月9日号)

  • 藤井先生の扇子10本以上(今となっては相当貴重な第11期竜王戦記念扇子も!)

があって(他にもあったかも)、長机2つを占拠していました。

激アツ。NumberとAERAを持ってきていただいた方の語りも聞きたかったですが時間切れで聞けず、そこは残念で申し訳なかったです。

特選棋譜解説

「藤井将棋で何が一番好きか?」という問いは結構困って、一番傑作だと思う藤井将棋か、大熱戦になった将棋か、短手数快勝譜か、負けてしまったけど目を瞠る構想が見えた将棋か、どの将棋もそれなりに好きになるポイントはあって、一番はどれかと言うのはなかなか言えないものです。

この日は、有名な「一歩竜王」や藤井将棋の最高傑作のひとつと言われる「第13期竜王戦七番勝負第4局」のようなメジャーな将棋ではなく、20年以上前に河口俊彦八段の『新・対局日誌』で取り上げられた将棋を語ることにしました。「解説」と銘打たれていますが、当然解説はできないので語るだけ。マイナーという訳ではありませんが、最近の方はもうあまりご存じでは無いかなと思います。

この将棋がいかに自分に刺さったか。藤井先生の魅力についてはよく序盤が取り上げられますが、この将棋においては(もちろん序盤も面白いですが)藤井将棋としての中盤、終盤がいかに個性的で魅力的か、そして河口先生の文章がいかに素晴らしいかを語りました。全然思ったように語れませんでしたが。

終わりに

結局Tシャツ勢は合計6名になりました。猛戦隊ガジレンジャー(悪の組織ではない)。

公式的な藤井先生関連Tシャツは「藤井猛銀河Tシャツ」「涓滴Tシャツ」「一歩竜王Tシャツ」「先崎先生版一歩竜王Tシャツ」とありますが、まさかの全種コンプリート。しかもいい感じのバランスです。

でも帰る時には急にしっかり上を羽織はじめて違法感が出ていましたが……。

ということで無事(?)イベントも終了。参加してくださった方にはもちろん、色んなことを思い出しながら色んな方に感謝したイベントでもありました。私はこれまでいかに色んな方も優しさを受けてきたか。ありがたいなぁ。

イベントとして成り立つか不安でしたが、ファンがファン同士で棋士の良いところを共有する会と思うと、古のオフ会の延長線のようなものだったと言えるでしょうか。𝕏(Twitter)では知っていても初めてお会いする方もいらっしゃいましたしね。「分かる~」の連続でした。個人的なところでは10年以上の将棋仲間や最近知り合った方もいらしてくれて、それも嬉しかったです。

それに「藤井先生のこと語って良いよ」というお墨付きがあるのも心強かったです。普段ついつい早口で「アッヤベヤベェ周りドン引きしてる」現象が起こってしまいますが、この日は語りたい放題。合法なんですよ。時間制限はありますが、好きなだけ藤井先生のことを語って良い訳です。もうお肌つるつるになりました。

「藤井猛"裏"生誕祭」とも言われたイベントでしたが、色んな方に改めて感謝したくなる、そんなイベントでした。私は本当に良い縁に恵まれてきました。

将棋の森にはぜひ他の棋士のFun(Fan) Nightもしていただいて、ファンごとの傾向がどんなものか見ていただきたいところです。

和先生、モリビトさん、参加していただいた方々、差し入れを持ってきてくださった方、参加したかったと仰ってくださった方々、本当にありがとうございました。

追記

イベントの最後に、こちらの藤井先生の指導対局会(しかも特選駒)が先行告知されました。そしてこの特選駒、普通一生見るはずのない貴重な駒がきっとずらっと並んでくるはずです。募集人数は少ないようですがぜひご応募を。

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