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ジェンダー論が面白い 木曜3限:現代政治分析 のアウトプット

「女性は賃労働者として資本制のもとで搾取され、同時に家事労働者として家父長制のもとで搾取されるはめになる。夫は家庭では妻の家事労働の上にあぐらをかき、職場では妻と同じようなパートの女子労働者を低賃金で使う上司ととなる。その上、そうやって妻が得てきた家計補助収入の成果を享受するのもまた、彼自身なのである(上野千鶴子『家父長制と資本制:マルクス主義フェミニズムの地平』)。」


今回の記事は月曜3限、木曜4限に受けている「現代政治分析」という授業を受けてなるほどと思ったことのアウトプット。

ジェンダーの観点から見る政治学

ほぼほぼ上野千鶴子さんの引用で行きます。

60年代の高度経済成長期は、マイホーム主義を理想とする性別役割分業規範を完成させ、女を家庭に封じ込めたとたんに、女性を家庭から労働市場へと引っ張り出す動きを見せた。ただし。<近代家族>の性別役割分業規範に抵触しない、『家父長制』を温存した既婚女子労働力市場の成立に成功したのである(200稿)。

読む気にならないあなた、頑張って。

-----モーレツサラリーマンの夫とフルタイムの専業主婦の妻-----のもとから、既婚女性を引き出すのはむつかしい。・・・・・具体的に言うと、『9時から5時まで』のフルタイム労働シフトを女性に強制するかぎり、家庭責任のない未婚・非婚の女子労働者しか労働市場に登場しない。資本側がそこで妥協の形態として出してきたエポックメーキングな発明が、パートタイムという就労形態だった(209稿)。

このエポックメーキングという言葉の使い方、好きです。

賃労働による妻の家計への(目に見える)貢献は、夫と妻の勢力関係に影響し、家父長制を一定程度後退させる。だがより巧妙な形で家父長制を補完し、性支配を強化する。というもの、近代型『性別役割分担』のもとでは女性は家事労働者となるが、『新・性別役割分担』のもとでは女性は賃労働者にして家事労働者という『二重役割』を背負い込むからである。しかも、主婦が賃労働者化しても、主婦の『家庭責任』はいっこうになくならない。女性は100%の家庭責任----家事・育児労働----を背負ったまま就労する。女性の『二重役割』は、言い換えれば、『二重負担』のことである。(以下、冒頭の文章へ続く。)

とまあ行くわけです。

かなり論理的で事実に基づいて指摘であり、ジェンダーに焦点を当てた議論になっているのではと感じました。

現在の制度の論点

この言説からわかることを授業では学んだ。

1.パートタイム制度の中立性

これは自分達大学生がバイトをしていることからもわかるように、パートタイムという制度自体が女性を苦しめているわけではない。

2.家庭と仕事の二重負担は事実

3.税制の問題点

ここはかなり面白い。

現状の税制:パートタイムはある一定の金額までは所得税はかからない

それによって:既婚女性は一定の労働時間に抑える+安い賃金で男性につかわれる

結果:二重負担を続ける

解決策:所得の個人申告制(アメリカに倣って)

期待される結果:女性の独立

理由:家事と両立しながら、決まった時間のみ働くことのメリットがなくなり、男性と女性の労働力が等価になるから

どうでしょうか

今回はジェンダーというメガネをかけて現状を分析することで面白いきづきがありました。アカデミックな面白さってこんな感じなんだろうか。

ご意見ありましたらぜひコメントへ。


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