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サヨナラナギサ

・関東ギターエロス
7月、毎週木曜日に“関東ギターエロス”というイベントに出演していた。
神奈川、埼玉、千葉、東京の4地域、5つのライブハウスから店長お墨付きの代表として選ばれた5組のバンドが、毎週同じ対バンで各地を周るというもの。

Orca-Lucaは、横浜ベイシスという、凄く凄くお世話になっているライブハウスに横浜代表として選んでもらい、毎週作戦を考え、毎週汗だくでライブをし、毎週反省し、毎週朝まで酒を飲み(←に関しては俺は皆勤賞。胃薬ください)、毎週リハーサルスタジオに入り、毎週少しずつOrca-Lucaとしてのステップを、ほんの少しずつだとしても、上げていった。上げられたと思う。

音楽をやっていると、しかもそれが本気であればあるほど、「これやってて意味はあるのか」というドロドロした考えがよぎってしまう時間が、不意にやってくる。
それは中々手のかかる作品を泣きながら作っている最中かもしれないし、遠方へライブしに行った帰り道の車中かもしれないし、打ち上げ中に右手にぶら下がったままの空のビールジョッキを見つめている時かもしれない。

何なら音楽に限らず、どの分野においてもそういうネガティヴなマインドがしたり顔でやってくる時はあって、その度に俺らは色んな理由や理想を頭のタンスの奥から引きずり出し、ATフィールドみたいに前方に突き出して見て見ぬフリしてなんとかやり過ごしていく。

でもね、意味なんて無いんだよ。最初から無い。
意味を付けるのは、俺らのやることじゃないんだ。

泥道でもけもの道でも、ちゃんと一歩を踏みしめながら、確実に歩いていった未来の俺たちが、意味を見出すんだよ。
ドロドロした例の言葉と必死に戦いながら、心を折らず夜を積み重ねていった、その結果、ちゃんと遠くの先へ進んでいった俺たちが意味を付けるんだよ。

捨て置いたと勘違いしてたいつかの日々、忘れたくないと握り締めるように過ごした夜、全部抱きしめて、俺たちは進む。もっと先、もっと高みへ。

そういう言葉がMC中、自然に口から突いて出たギターエロス5日目ファイナル。
この夏をかけて歌い育てていきたい大事な新曲を、歌った。

名前は、“サヨナラナギサ”といいます。
普段こういうことはやらないけど、この新曲の歌詞だけ、このnoteに載せます。

まだ聴いたことない人は、言葉からイメージを膨らませてみてほしい。
既に聴いたって人は、記憶の隅にあるはずのメロディを手繰り寄せながら、言葉を追ってみてほしい。

今のOrca-Lucaにとって、とても大切な曲です。


サヨナラナギサ

きっともう忘れていくことはないだろう
夕焼け眩し過ぎて ゆらり閉じたまぶたの裏
はにかんだ面影がまだ残ってる

海岸線を歩くゆるいスピードも
ポケットにしまい損ねた 繋ぐ先を探す右手も
いびつだけど愛しい日々の形に
傷跡もいつか思い出の栞に

さよなら渚よ
寄せては返し戻らなくとも
あなたと生きてた日々はもう私そのもの

怖いくらい浮かれた春 踵鳴る夏
一息で弾けた秋 肌重ねて凌いだ冬
二人だけが歩んだ季節を探しても
歌だけが潮(うしお)の合間に消えてく

さよなら渚よ
同じ波は二度と来なくとも
痛みも寂寞もすべてが私そのもの

さよなら渚よ
寄せては返し戻らなくとも
あなたと生きてた日々はもう私そのもの

さよなら渚よ 渚よ
あなたと生きてた日々はもう私そのもの

これはもう私そのもの


2019年7月の全てを俺たちは血肉にして、その先に行く。

11/28、大関東ギターエロス、渋谷TSUTAYA O-WEST出演。
フロムヨコハマ、俺たちがOrca-Lucaだ。

photo by 斎藤チホ

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