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『AM2:54』あとがき

初めましての人も、舞台を見ていただいた方も、
出演者の方もスタッフの方も。
お疲れ様です。こんにちは、こんばんは。
Prelude主宰の西村です。

Prelude第10回本公演
『AM2:54』

まずは
無事メンバー1人もかけることなく全公演幕をおろすことができました。
Preludeとしても過去一番の規模で、
合計約800名のお客様にご来場いただきました。
この場を借りて、作品に関わってくださった出演キャスト、スタッフの方々、劇場さん、Preludeメンバー、ご観劇いただいた皆様にお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
とても満足いく公演を執り行うことができました…!

ここから、今回の作品の背景の解説といいますか、私が今作で表現したかったことを、脈絡もなくダラダラと書き進めていきますので、
あの…長いですので、
飛ばしながら見ていただいて全然、ほんとに。
よろしくお願いします。
殴り書きます。誤字脱字とか多分あります

今回の作品、テーマとしては「パワハラ」を取り上げましたが、
作品を書くにあたって私が伝えたかったことは

「日本で純粋な舞台芸術をすることの難しさ」です。
というのは、
日本の演劇界の構造に少し欠陥があると考えているからです。
日本は(特に小劇場は)主宰に課されている業務量が膨大すぎると私は考えています。

日本の小劇場においては、脚本、ドラマトゥルクの役割(本を作り上げていく上でのリサーチ)、本の校正、稽古場での演出、演技指導、キャスティング等全て主宰の人間が一人でやっていることが多々あります。
海外だと1人の人間が生涯を通してこの内の一つの仕事を全うするのに対して、日本の劇団の主宰はこれを一人でやろうとしているのです。とてもじゃないですが、全てに完璧であることは難しいと思うのです。
また演出においても演技指導においても資格もいらなければ基礎がなくてもある程度センスやネームが売れているというだけで、「演出家」を名乗れてしまうのが現状だと私は考えています。

一方で役者サイドに関しても
決められた方法論があるわけでもなければ、一定以上の演技力があるかどうかを測る試験があるわけでもありません。
また、ほとんどの役者は自身の生活がバイトや派遣等、演技のは関係のない仕事にかかっており、お芝居だけに集中できる環境というのはとてもじゃないけど無いように思います。(だって人生かかってるのがバイトの方の人が多いんだもの、しゃーない)
実力もお芝居に対するアプローチも役者によってまちまちで、演出家からしても指導をしやすいメンツが毎回揃うのは稀です。

その中で、例えばクリエーションをするレベルに来ていない役者(セリフを覚えていない、ダメ出しが通らない、スケジュールも守れない)が、それに不満を持った演出家の態度を非難できてしまう、通ってしまうのが、今の小劇場だと思います。これは「小劇場」という小さな社会の構造としての欠陥だと思います。
(そもそもその役者をキャスティングしたのも主宰側なのだから、キャスティング自体の失敗であると言われれば確かにそうではあるのですが)

世界的な流れとしては今、弱者を守ろう!みんなが平等に生きられる世界を!というのが主流です。
これに関しては私は反対していません。
しかし、この考えをそのまま日本の小劇場に形式的に当てはめてしまうと論理が破綻してしまう気がするのです。

今作は世間の流れに逆行する作品(パワハラを擁護してるともとられかねない)だったので、相当の批判を覚悟して世に出したものではあります。意外にアンチコメこなかったですけど(裏でボコボコに言われてるのかもしれないけど)

もちろん実際にパワハラにより大きな被害を受けた方々もいるし、やべえ演出家もいる(いた。僕も受けたことあるし、めっちゃ怒鳴られたし、物も飛んできた)と思います。セクハラとかお芝居関係ないところでの言動が非難されるべきものである方もいると思います。
もちろんそれを容認することは今ではできません。
ただ事態はそんなに単純なものではないと僕は考えています。
被害を受けてる人可哀想!守らなきゃ!は分かるんですけど、それが起こったプロセスをしっかり認識してあげることも被害者の方を理解する上で必要なんじゃないかと。(色々な話聞くけど、事実は小説よりめっちゃ奇なりなことが僕の周り多いんですよ本当に。話を聞く人によって見え方が全然違う)

僕は文章を書くのが上手くないし(現に↑の文、文体ぐちゃぐちゃだし、途中から徐々にカジュアルになってるし、僕とか私とか一人称もバラバラ、、)今回の脚本も十分メッセージを込められたとは思っていません。(本当に世の中、本書くのが上手い人ってたくさんいるんですよ。勝てない絶対。勝てないよ)
なので、観ていただいた方にどこまで伝わってるか分かりませんが、
今回のお芝居を見て、役者も演出もスタッフの方も、お互いにリスペクトの気持ちを少しでも持ってもらえると、それだけで上演した価値があると思っています。

Prelude次回作に関してはまだ目処は立っていません。
まじで本書く想像力がないので、今回のも泣きながら書いてた。思い浮かばないよそんなポンポン🥲
なんとなくの構想はありますが、やるにしても8月以降かなと考えています。
それまでは定期のWSやったり、何かしらほそぼそ活動はできればと思っているので、また興味あったら気にかけてやってください。

ダラダラかきましたが、
とはいえ、とはいえね、そもそも
お芝居を楽しいなと思えて、自由に創造をできて、やりたいことがやれている。そのチャンスがあるだけで、この国に生まれてすごくラッキーだと思っています。こんなパワプロのサクセスくらい自由に自分の人生を決められる国ないよ…!

時代に合わせて、できる限り双方の立場を理解した上でクリエーションがなされていけば、より良い作品創りが進んでいくのではないかと考えています。

長々読んでいただいてありがとうございました。

全ての舞台芸術に関わる人間が
少しでも楽しく創作活動をできますように。

PM20:53
Prelude 主宰 西村賢人

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