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あなたが被災地のために出した1,000円は何に使われたか覚えていますか?

noteの「 #寄付について考える 」特集が立ち上がったのを機に、記事の執筆を勧められ、思うことを書きたいと思います。

7年前、3.11の報道があったあの頃、まだ高校3年生だった僕は、東日本大震災の支援として1,000円を募金しました。

それが僕が最初にした寄付でした。

当時はまだ地元の鹿児島におり、揺れを感じることはなかったので、震災に気が付いたのは、テレビの中での衝撃的な”非現実”を目の当たりにしてからです。

日々、流れてくる被害情報。被災者の方の様子。
全然実感の沸かない”リアル”がテレビの中で報じられていました。

その状況に、僕はやるせなさと、もどかしさから、居てもたってもいられず、「何か自分にできることは」と考えた結果、「ショッピングモールの街頭募金箱に1,000円札を投じること」を決めました。

少しでも震災の被害に遭われた方を支えたい。
自分にできることは、お金を送ることだ。

当時、18歳の僕が、小さい頭を使って決めた決断でした。鹿児島にいる僕にはこれでしか力になれない。

僕にとって1,000円は貴重な財産でしたが、寄付をしたことに後悔はなく、「自分も被災地の方を支えたい」という意志表示ができたことに満足したのを覚えています。

そして今、僕は、クラウドファンディングサービスを運営している「Readyfor」で、資金調達のお手伝いをしています。

色々な団体の資金調達をお手伝いさせていただいて、たくさんの案件の達成を眺める中で、私はふと思いました。

「7年前の震災のあのとき、私が出した1,000円は、果たして何に使われたのだろうか?」

と――。

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僕は何のために1,000円を出したのか。
支援金と義援金の違い。

当時、できることは何か、と考えて出した1,000円だったはずなのに。

私が覚えているのは出した金額だけで、
 「どんな団体に送られるお金だったのか」
 「どんな活動に使われるお金だったのか」
 「果たしてどんな風に使われたのか」
ということには、不思議なことにまるで覚えていません。

「支援をするというアクション(=意志表示)」が、当時の僕にとっては重要だったのではないかと思います。

そもそも、今でこそわかるのですが、緊急災害などの際に集められる寄付金には、大まかに分けて「支援金」と「義援金」があります。

一部、情報の孫引きもありますが、BUZZ FEED NEWSでは下記のように紹介しています。

(※1)「義援金」と「支援金」という言葉を目にするようになった。この2つの違いは<中略>どちらも大事な支援で特徴が異なるが、ひとことで言うと以下の通りだ。(荻上チキ著・災害支援手帖より)。

<中略>

義援金の特徴は、以下の通り。
・被災者に分配される
・公平に配分される
・届くまで時間がかかる

支援金は、以下の通りだ。
・被災地の救命・復旧に使われる
・支援団体が使い道を決定する
・すぐに被災地に届く

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(※2)画像:支援金と義援金の違い(日本財団)

こうしてみると、支援金と義援金では、その用途も、使われ方も、被災者の方に届くスピードも全然違うのです。

もちろん、寄付をする行為そのものは、当時の僕にとっての英断(のつもり)でしたが、自分が出したお金に対してはかなり無頓着でした。

どの後どうなったのかは知る由もありません。

あのとき僕が出した1,000円は、きっとどこかで、
東日本大震災の復興のために使われていることだろうと思います。

平成30年7月豪雨。広島県・岡山県・愛媛県をはじめとした各地で甚大な被害が起きています。

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(※3)画像:平成30年7月豪雨の道路状況---広島市と呉市を結ぶ国道31号が開通[7月12日まとめ](レスポンス

昨今、報道にも新しく、平成30年7月豪雨の報道が連日なされています。
死者数は、被災地域全域で168名、行方不明者数は57名とのことです。(内閣府:7月11日14時時点)

私は母方の実家が広島県の福山市で、祖母が郊外の山間地に一人で暮らしていることもあり、被害の報道がなされるたびに心を締め付けられる思いでした。(なんとか、私の祖母は無事でした。)

7月5日から、西日本を襲った集中豪雨は、各地で甚大な被害を及ぼしています。被害に遭われた方は、大変なつらい想いをしていることでしょう。

インフラが遮断された地域などでは、原状復帰までにもかなりの時間を要することが想定されます。

多くのボランティア団体やNPOが被災地にはいり、被災者の方々のケアを行っていますが、広範な被災地域において、様々なニーズの支援が必要になるため、支援団体に求められる役割はかなり大きいです。

食料・水・衣類・日用品・燃料・情報・マンパワー、など、現場では様々なものが求められます。刻一刻と変わる状況下で、必要な支援を届けるために、必要なリソースが不足してしまうときもあります。

自分的にはそういう時に現地で必要なものこそ、「現地に行けない自分の代わりに支援活動を行ってくれる」NPOなどへの「支援金」だと思っています。

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意志ある大切な寄付金だからこそ、
被災地へ責任をもってお金を送ろう。

日本よりも寄付先進国と言われるアメリカでは、低い所得層の方でも、
自分の余裕のある範囲内でチャリティに参画する文化があります。

彼らはそのことを「寄付ができる権利」と呼んでいます。

寄付者は、自分が働いて得た「大切なお金」を「どの団体に」渡すのか、
寄付者自らが選択し、意志を持って決断する。

これは自分の出すお金に責任を持つ、ということでもあります。

誤解があってはいけないのは、そうした意図をもたなかった寄付に責任が無い、ということを言うつもりはありません。

寄付する行為そのもの自体は、大変すばらしいことであると思っていますし、悪意を持ってお金集めをしている組織で無い限り、しっかりと被災地のために使われます。

だからこそ、僕もReadyforの仕事では、支援者さんが意志をもって、団体を支援できるようにすること、はとても重視しています。

そこでReadyforでは、災害が頻発する状況や時代の流れを受けて、有事の際に、パートナーシップを結んだボランティア団体向けに、支援金の資金調達の面でお手伝いをさせていただくべく、クラウドファンディング企画を素早く立ち上げる「緊急災害支援プログラム」をリリースしています。

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通常のクラウドファンディングのプロジェクトとは異なり、災害発生から早い段階で支援金をお届けするために、2週間以内で集中的に寄付を募り、その後数営業日以内に支援金を送金します。

このプログラムにおいて、私たちが重要視しているのは支援金の使用使途の「透明性」です。現在5つの団体が、プログラムを活用していますが、それぞれの団体が、様々な支援活動を実施しています。

1,000円から支援が可能になっており、クレジットカード/銀行振り込みでの支援が可能です。団体のSNSアカウントやReadyforの新着情報などで、活動の進捗について報告されています。

現在挑戦中の団体は、下記の5つの団体です。

国際NGO アドラ・ジャパン
https://readyfor.jp/projects/ADRAJapan-201807
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
https://readyfor.jp/projects/savethechildren
公益社団法人Civic Force
https://readyfor.jp/projects/civicforce201807
AAR Japan[難民を助ける会]
https://readyfor.jp/projects/AARJapan-201807
公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
https://readyfor.jp/projects/SVA-201807

それぞれ、国内外の緊急支援が必要なシーンにおいて、活躍してきた団体の方々です。URL内で活動内容が参照できますのでぜひご覧ください。

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特に、現在Readyforで紹介している団体さんは、被災地の方々と真摯に向き合い、必要な支援を届けるべく、汗を流している方ばかりです。団体のホームページやニュースレターでも、活動の報告を丁寧にいただいています。

活動を支えるためのアクションは、寄付で貢献することができます。

自分の1,000円が被災地や支援を必要としている方の未来を変える可能性があるからこそ、「選択」と「意志のある決断」の寄付こそが必要になると、僕は考えています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

【参考・引用URL】
いずれも2018年7月12日最終アクセス
※1 BUZZ FEED NEWS
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/donation-gouu 
※2 日本財団
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/spotlight/tohoku_earthquake/infographics/index.html
※3 レスポンス https://response.jp/article/2018/07/13/311899.html
※4 内閣府
http://www.bousai.go.jp/updates/h30typhoon7/pdf/300712_h30typhoon7_01.pdf





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