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完璧な中本などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

「冷し味噌油少なめバタートッピングと半蒙古丼?」と僕は聞いた。
「知らなかったの?」
「いや、知らなかった」
「馬鹿みたい。見ればわかるじゃない」とユキは言った。
「彼にその趣味があるかは知らないけど、あれはとにかく冷し味噌油少なめバタートッピングと半蒙古丼よ。完璧に。二〇〇パーセント」

「どうせ冷し味噌油少なめバタートッピングと半ライスの話だろう」とためしに僕は言ってみた。言うべきではなかったのだ。受話器が氷河のように冷たくなった。「なぜ知ってるんだ?」と相棒が言った。とにかく、そのようにして冷し味噌油少なめバタートッピングと半ライスをめぐる冒険が始まった。

泣いたのは本当に久し振りだった。でもね、いいかい、君に同情して泣いたわけじゃないんだ。僕の言いたいのはこういうことなんだ。一度しか言わないからよく聞いておいてくれよ。

僕は・中本が・好きだ。

あと10年も経って、この番組や僕のかけたレコードや、そして僕のことを覚えていてくれたら、僕のいま言ったことも思い出してくれ。

蒙古タンメン中本 Advent Calendar 2014

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