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Vol.20 褒めて伸ばされた話

「褒めて伸ばす」というのは、簡単そうで難しいですよね。
でも実際に「褒めて伸ばされる」体験をすると、ああ、こういうことかと実感します。今日はその話を書きます。
といっても、仕事ではなく、なんと 歯磨き の話です。

私の会社では、昔は歯科検診が毎年ありました。
そして、毎年のように歯科衛生士さんに
 「歯石が残っていますねえ、歯間ブラシをした方が良いですよ。」
と言われていました。
でも、その後、歯石を取ってくれるので、全然気にしていませんでした。

そんなある日、何となく100均で5本入りの歯間ブラシを購入し、使い始めました。そして、勿体ないから全部使い切ろうと、軽い気持ちで続けていました。

体験①

歯間ブラシはだいたい1本あたり、折れるまで1~2ヵ月使えたので、結構な期間継続し、その年の歯科検診の日がやってきました。

そして、最初に検診を受けたあと、口腔清掃のために簡易ベッドに横たわり、言われるがままに口を大きく開けました。
すると、担当の歯科衛生士さんが、私の口の中を覗き込むやいなや
 「スゴイ!!とてもキレイにしていますね!!」
と、ちょっと高揚して絶賛してくれたのです。
心から褒めてくれているように感じました。
いっしょに喜んでくれているようにも思えました。
そして、
 「歯間ブラシを使っているんですね!!」
と言ってくれました。
そのあとは、
 「見えないところは少し歯石がたまっているので取っておきますね。」
と言って、キレイにしてくれました。

この時私は、
 「あ、歯間ブラシを使っているって、見る人が見たら分かるんだ。」
と思ったのと同時に、褒めてくれたことが本当に嬉しくて、
 「こんなに褒めてもらえるなら、これからも続けよう!」
と固く誓ったのです。

そして私は歯間ブラシを使い続け、完全に習慣化しました。

体験②

話はここで終わりません。
その後、コロナ禍の影響もあり、しばらく間があいたのですが、先日久しぶりの歯科検診がありました。

私の頭には、まだ前回の記憶が鮮明にありました。
そんなに期待したらアカンと分かっていつつ、また褒めてもらえないかなと期待して歯科検診に臨みました。

そして、検診を受けたあと、簡易ベッドに横たわり、少しドキドキしながら口を大きく開けました。

ところが今回の歯科衛生士さんは、淡々と次のように言ったのです。
 「だいたいきれいですが、見えないところは歯石が残っているので、
  もう少し気を付けてください。」


私はズルズルズルーーーっと、現実に引き戻されました。
 「そりゃそうだ。これが普通の反応だ。」
もしかしたら前回より状態が悪かったのかもしれません。
でも、少々キレイでも、おそらくこれが普通だと思います。

分かってはいましたが、私は少しブルーになって検診会場を後にしました。
同時に、あの時の体験が、自分の人生に想像以上に影響を与えていることを認識したのです。

まとめ

心に響いたポイントは2つあると思います。

心から褒めてくれたこと
ただ褒めるのではなく、本当に一緒に喜んでくれている感じでした。
まさに「共感」といえる感覚です。だから本当に心に残りました。
そうです。ただ褒めれば良いってことではないのです。
その人の気持ちに寄り添って、一緒に喜ぶような褒め方が重要なのです。
いや、褒め方というテクニックではないです。
一緒に喜べるような人間にならないといけないのです。

努力していることを見抜いてくれたこと
歯間ブラシを使っているとは言っていないのに、見抜いてくれました。
業務においても、相手が見えていないところでどんな努力をしているかを見抜いてあげないといけないのです。
逐一報告してもらう、ということではありません。それはただの過剰管理です。
かなり想像力を働かせないとできないと思います。相手を信じる姿勢も大切になってきます。

逆に怠けていると思うこともあると思います。
でもそれを見透かして指摘するより、少しでも努力を発見して褒めてあげる方が、その後の伸び方が間違いなく違ってくると思います。
メチャメチャ難しいですが、相手の良いところを見れる人にならないといけないのです。

以上、褒めて伸ばされた話を書きましたが、実践はなかなか難しく、反省&修正の連続です。
あの時の歯科衛生士さんは偉大だとつくづく思います。心の師匠です。
少しずつ師匠に近づくために精進し続けます!

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