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「煽って稼ぐ」インフルエンサーの終焉

たびたび炎上する(自称)インフルエンサーが、SNS界隈には数多く存在します。人々の弱い気持ちにつけこんで「煽って稼ぐ」スタイルはどのような構造で、そしてどのように向き合えば良いのか、筆をとりました。

「煽って稼ぐ」の基本構造

ここで言う「煽って稼ぐ」ということの基本的なスキームは下記の通りです。

1) 「【A】はリスクがある。まだ【A】で消耗しているの?」と読者に煽る
2) その上で「【B】の方が良い」と勧める
3) 読者が【B】を選ぶことで、煽った人間は利益を得ることができる(アフィリエイトフィー、成果報酬等)

この【A】と【B】のセットには色々なパタンがあります。
「日本円」と「仮想通貨」。「サラリーマン」と「インフルエンサー」。「東京」と「地方」。見た記憶、心当たりがあるものが多いのではないでしょうか。

このスキームの重要なポイントは、【A】に一定のリスクがあることは間違いではないということです。
ダメな詐欺師は全てに対して嘘をつく。優秀な詐欺師は多くの真実に紛れ込ませて少しだけ嘘を盛り込む。そういう話があります。
日本円が暴落する可能性、勤めている会社が倒産する可能性、東京の住環境が悪化していく可能性、どれもゼロではありません。そのため、リスクを真正面から言われると、人は「本当に」今のままで良いのか、と、どうしてもたじろいでしまう生き物です。

そしてももう一つのポイントは、【B】の選択肢は【A】よりも明らかにリスクが高いにもかかわらずそれを伏せているということです。伏せているのは、単に気づかないのか、気づいているのに言わないのか。
前者ならアホですし、後者なら詐欺師です。

SNSでこのような「煽って稼ぐ」スタイルの言動を見たら、「その相手は信頼するに足る相手なのか」「アホかのか/詐欺師なのか」、見極めるように意識するのが良いと思います。

アフィリエイトで魂を売る

そして最後の重要な点は、新たに勧める【B】の商材のリスクが高ければ高いほど、3)の成果報酬が大きいということです。

私もかつて、会社員として働きつつ、余暇の時間でアフィリエイトを色々とトライしたことがありました。

そしてアフィリエイトに本気で取り組もうとするとすぐに気づくことなのですが、アフィリエイトフィー(成約単価)が高い商材は、基本的には購入者が損をする可能性の高いボッタクリ商材です。利益率が高いものだからこそ多額のアフィリエイトフィーを用意できるわけで、考えてみれば当然のことです。

・blogやTwitterでトマト農家をDisってアフィリエイトフィーの高いインチキ野菜用洗剤を紹介して大炎上したブロガー
・会社員はオワコンだと言う一方で、搾取の極みのようなエンジニア派遣・業務委託の会社をオススメする矛盾の塊のようなインフルエンサー
・仮想通貨は儲かる、FXは儲かると煽って大騒ぎして口座を開かせておいて、暴落しアフィリエイトが終了すると何もなかったかのように自己責任論を振りかざし口を閉ざす無責任なアフィリエイター

彼らは皆、アフィリエイトに魂を売った亡者です。

我々ができることは、専業アフィリエイターの話を無邪気に信じるのをやめるということです。

信用を切り売りしながら突き進む果て

こうして、「煽って稼ぐ」人々は、目の前のフィーのために、少しずつ自分の読者・支援者を失望させることを通じ、徐々に信用を失っていきます
それでもマーケットに新たな人々が流入してくることによって、「焦って稼ぐ」スタイルはなんとか存続し続けてきました。

でも、それも変わります。

日本のネットユーザーの総数はもう一巡し、すでに大きな伸びしろはありません。また、SNSによってその悪名が拡散するようになり、彼らが活用してきたSNSに今度は自分たちの首を絞められるようになってきています
事実、2019年1月、「ブロガー界の神」のフォロワー数が遂に減少に転じ、潮目が変わってきたように思います。

平成ももう終わります。
次世代のマーケティングは、「煽って稼ぐ」ものではなく、きちんとしたプロダクトやコンテンツ、クリエイティブを生み出す人たちによる win-win の救いのあるスタイルが伸びてくれることを願ってやみません。

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