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「Taxi」レビュー

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TAXi - Wikipedia

公開

1998年

監督、脚本

監督:ジェラール・ピレス
脚本:リュック・ベッソン

キャスト

ダニエル・モラレース:サミー・ナセリ
エミリアン・クタン=ケルバレーク:フレデリック・ディーファンタル
リリー:マリオン・コティヤール
ペトラ:エマ・シェーベルイ
ジベール警部:ベルナール・ファルシー(フランス語版)
カミーユ:マヌエラ・グーレリ(フランス語版)
アインシュタイン:リチャード・サメル
アラン(刑事):エドゥアルド・モントート

感想

スピード狂のタクシードライバーがひょんなことから警察とタッグを組んで事件を解決するという、90年代末に一世を風靡したフランスのカーアクションコメディ。
「ワイルドスピード」よりも前の作品で、40代以上ならカーアクションといえばこれを挙げる人も多いと思う。
脚本は「レオン」のリュック・ベッソン。
ハリウッド的な分かりやすさを保ちつつも、独特のギャグやフランス人らしい皮肉も効いていて面白い。
個人的には毎回わけのわからん作戦を立てて失敗する課長(?)がツボだった。
2023年に観るとさすがにそれは差別だろ?というネタもあって軽く引いたが、そこもまた味のひとつ。
ギャグのセンスはどこか日本的で、ハリウッド映画の「え、何が面白いの?」みたいなのはなく、日本人も十分笑える。

今回の”敵”はドイツ人マフィアだが、なんというかその描き方が嫌独感情丸出しで、90年代になってもフランス人ってドイツが大嫌いなんだなーと改めて思い知らされた。
あと、プジョーでメルセデスに勝つというのがなんかフランス人の悲願なのかなーという気がした。
フランス人の車コンプレックスを慰めてくれる映画なのかもしれない。
いわゆるフランス映画っぽいまどろっこしさはないが、その分上質のエンタメとして楽しめる作品で誰にでもお勧めできる。

余談だが、本作のテーマ曲「Misirlou」は誰でも一度は聞いたことがあると思うが、オリジナルはディック・デイル。
1962年に発表しヒットした曲だが、後にサーフ・ミュージックの低迷と共にディックは不遇の時代を迎える。
1994年に本作や「パルプ・フィクション」で「Misirlou」が使用され再評価された。

個人的には本作「TAXi」のテーマ曲として再認知されたと記憶している。
近年でいうとバブリーダンスで再評価された荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」みたいなものか。
こうしてエンタメがエンタメを循環させていく様を見るとなんか不思議な気分になる。
「TAXi」もそういう力を持った作品。

八幡謙介の小説、書籍

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