KenYamada

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フリーのパタンナー|hyphen SCAPE主宰(https://note.com/hyphen_scape)|このnoteでは、パタンナー目線でニットの記事を書いています|ご質問・お仕事の依頼などは(hyphen.scape@gmail.com)までお気軽にご連絡ください

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#09 ニットの型紙のつくり方(胸グセの扱い方)

ニットパタンナーの目線でニットについて書いているこのnote。 今回は、《#08 ニットの型紙のつくり方(基本の”き”)》で書いた内容をふまえて、型紙を作るときパタンナーにとって一番の悩みのタネ《胸グセ》について、ニットでどう扱えばいいか書こうと思います。 ニットの胸グセについては、 「ニットは伸びるから胸グセを考えなくていいって本当?」 「ニットってダーツ見かけないけど胸グセの処理どうしてるの?」 など、いろいろな疑問があるかと思います。私も、もともと布帛の型紙の勉

    • #08 ニットの型紙のつくり方(基本の”き”)

      みなさんこんにちは。 これまでニットのパタンナー目線で記事を書いてきましたが、今回はパタンナーらしくニットの型紙について触れようと思います。 布帛とニットでは、生地の性質や作り方が異なるので、型紙の考え方も異なる部分があります。この記事では、型紙を作る上でこれだけは押さえてほしいポイントをお伝えできればと思います。 ※胸グセの処理については長くなるので、別記事で説明します。 編み出しがあるので裾線や袖口は基本水平 ニットには、編み出しがほつれてこないという性質があり

      • #07 ニットの仕様書の書き方

        みなさん、こんにちは。 サンプルや現物を作るときに作成する《仕様書》。会社によってフォーマットはさまざまですが、製品を作る上で必要な情報は同じだと思います。 今回はニットの仕様書を作成したことがない方へ向けて、工場へサンプルや現物を依頼するときに一緒に出す仕様書の書き方について、おさえておいてほしいポイントについて書こうと思います。 長文になりますが、布帛の仕様書とはちがうところもあるので、何かの参考になればと思います。 ※変更内容 2021.03.22 ・基本情報に

        • #05 ニット製品のつくり方(ホールガーメント編)

          全3回にわたってお話ししてきたニット製品の作り方シリーズ。最後はホールガーメント編です。 ホールガーメント横編機は、和歌山県に本社を置く島製機製作所が1995年に発表した横編み機で、無縫製ニットと呼ばれる一体成型のニット製品が編める機械です。ニット・布帛に関わらず、それまでの服作りはパーツごとに裁断・編まれたものをミシンなどで縫製することで形にしてきましたが、ホールガーメント横編機で初めて縫製なしで服の形にすることができるようになりました。 ちなみに1998年にISSEY

        #09 ニットの型紙のつくり方(胸グセの扱い方)

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        • ニットの基礎知識
          9本
        • 雑記
          2本

        記事

          #06ニットパタンナーの仕事内容

          ニットメーカーによってはいないことも多々あるニットのパタンナー。 専門学校でもニット自体ニットの学科以外ではしっかり取り上げられることがないので、おそらく普段布帛を扱ってる方々からしたらニットパタンナーって何をしているのかわからない存在だと思います。 そこで、私が工場ベースで経験したニットパタンナーの仕事内容がどのようなものなのか、おおまかにですが書こうと思います。 サンプル 1.仕様書をもとに型紙(パターン)を引く パタンナーなので、パターンを引きます。おそらくこ

          #06ニットパタンナーの仕事内容

          ファッションとデジタルの付き合い方はどうなる?

          「あつまれどうぶつの森」へマークジェイコブスやヴァレンティノが参入したり、「ポケコロ」とケイタマルヤマがコラボしたりと、最近ファッション×デジタルに関する話題が増えてきたように感じます。 これまでアバターをつくったりする機会がなかったので、いまいちデジタル空間でのファッションデザインの楽しさや可能性にピンときてなかったのですが、先日ZOZO FashionTechNewsが投稿したデジタルファッションに関する記事を読んで少し視点が整理されたので、そのことについて書こうと思い

          ファッションとデジタルの付き合い方はどうなる?

          アパレル販売員のこれからの働き方

          今回は少し考える機会があり、アパレル販売員の働き方がこれからどう変わっていくかについて考えてみました。 少しおおげさなタイトルをつけましたが、緊急事態宣言下の現時点で考えられる予想が半分、これからこんなサービスあったら面白いだろうなという気持ち半分で、外出制限がかかる状況下での販売員さんの働き方について自分の考えを書きたいと思います。 − ※私自身販売のプロではありませんが、一部有料にさせていただきました。前半はこれまでの販売方法についてまとめたもの。後半はこれからの販

          アパレル販売員のこれからの働き方

          #04 ニット製品のつくり方(カット編)

          前回は、成型編みで編まれたパーツをリンキングで縫製して作る方法を解説しました。 第2弾となる今回は、編み地を裁断(カット)して作る方法についてです。縫製方法の面で、布帛と似た部分が多い作り方になります。 前回に引き続き、こちらも作る際の流れにそってお話ししようと思います。 - 編み立て - ・編地のかたち カットで製品を作る場合、どう編地を編むかというと、基本的に四角形で、パーツごとに編地が編まれます。ベージックな丸衿のプルオーバーだと、前身頃で1枚、後身頃で1枚、

          #04 ニット製品のつくり方(カット編)

          #03 ニット製品のつくり方(成型編)

          ニット製品を企画する時、どんな作り方があるのか知らない人、知っていてもそれぞれの作り方に、どんなメリットやデメリットがあるのか理解して作れている人は多くないのではないでしょうか? そこで、今回から全3編(成型編・カット編・ホールガーメント編)に分けて、ニット製品がどのように作られるのか、それぞれのメリットとデメリットを書きながら紹介していこうと思います。 ここに書かれる事は、私がこれまで関わってきて感じている事なので全てではないですが、「ニットだから成型」とか「ホールガー

          #03 ニット製品のつくり方(成型編)

          #02 ゲージとその選び方

          ニットにたずさわっているとよく耳にする「ゲージ(G)」。 仕様書に書かれる7Gや16Gのような表記や、最近だとお店でもローゲージやハイゲージという言葉を見かける機会もあると思います。 ただ、言葉と意味は知っていても、場面場面によってどうゲージを選択すればいいのか理解している人は多くないんじゃないかなと思います。 今回はそんな「ゲージ」について書きたいと思います。 - 「ゲージ」とは? - 横編み機におけるゲージは、「1インチ(=2.54cm)の中に何本編み針が入って

          #02 ゲージとその選び方

          #01 どうしてニットは伸びて、布帛は伸びないのか

          1回目の今回は、ニットといえばコレ!の、編物(ニット)の伸縮性について書こうと思います。 前回のnoteでも書いたように全然伸びがでない編地もあるので、この記事を読んだ後に、どういう編地が伸びてどういう編地は伸びにくいのか少しでもイメージできるようになってもらえたらいいなと思います。 というのも、実務で色々と仕様書を見ていると「この編み方でこの衿周りの仕様(寸法)だと頭入らないんじゃ?」という問題が少なからずあったので、イメージができるようになるとこういった問題はあらかじ

          #01 どうしてニットは伸びて、布帛は伸びないのか

          ニット専門でパタンナーやってた人がnote始めます

          ニットの勉強って、みんなどうやってしてるの? みなさん初めまして。フリーランスでパタンナーをやっているヤマダケンと申します。どうぞよろしくお願いします。 私は大学を卒業後、東京の服飾専門学校に通い服作りの勉強をし、就職で地方のニット工場でパタンナーとして働き始め、5年とちょっとニットにたずさわってきました。 私自身、就職するまでニットに触れる機会はなく、それまで布帛(織物)しか扱ってこなかったので、働き始めた当初は「ニットって伸びるやつでしょ?」くらいの知識しかありません

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