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マネジメントの名著を全力で読んでまとめる!後編

読書は非常に時間がかかります!それでいて頭の中に残っているワードなんてたった数行...なんてことは多いにあります.

自分に合った本を効率的に探すべく,この記事ではマネジメントの名著のスーパーアブストラクトを提供させていただきたい!!!

前回「日経文庫のマネージメントの名著を読む」の前半部分をまとめましたので今回は後半部分をまとめます.6冊の名著を取り上げます!

ぜひ,ビビビっときたものを手に取っていただけたらと思います!

マネージメントの名著を読む

こちらの名著の中から7〜12(後半)を紹介していきます.
1.「戦略サファリ」,ヘンリー・ミンツバーグ他著
2.「競争の戦略」,マイケル・ポーター著
3.「コア・コンピタンス経営」,ゲイリー・ハメル他著
4.「キャズム」,ジェフリー・ムーア著
5.「ブルー・オーシャン戦略」,W・チャン・キム他著
6.「イノベーションのジレンマ」,クレイトン・クリステンセン著
7.「マネジメント」,ピーター・ドラッカー著
8.「ビジョナリー・カンパニー」,ジェームズ・コリンズ他著
9.「最強組織の法則」,ピータ・センゲ著
10.「プロフェッショナルマネジャー」,ハロルド・ジェニーン他著
11.「巨象も踊る」,ルイス・ガースナー著
12.「ウィニング 勝利の経営」,ジャック・ウェルチ他著

7.「マネジメント」,ピーター・ドラッカー著

ー経営学の父,求められるものを平易に説いた名著ー

マネジメントこそが「社会の要」である
 マネジャーは社会の中核を担う崇高な存在である.社会の進歩は,企業,政府,NPOなどのさまざまな組織が,マネジメント層によっていかにして運営され,どれだけの成果を生み出すことができるかにかかっている.つまり,マネジメントは誰でも学ぶことができる「万人の教科書」である.

企業の目的は「顧客の創造」である.
 「顧客の創造」のための基本的な機能は「マーケティング」と「イノベーション」の二つだけ!ここでいうマーケティングとは,広告宣伝ではなく,顧客を理解して営業しなくても自然と売れていく状態を作り上げることである(iPhoneのようなこと).またイノベーションとは,社会のニーズ,社会の問題を事業機会として捉えて,顧客の新しい満足を生み出すことである(コンビニや宅配スーパーなどのようなこと).

予期せぬ顧客にチャンスあり.
 IBMがPCを作ったとき,それは科学計算用のものだった.ところがすぐに,企業が給与計算などの「世俗的」な仕事に使い始めた.当時最も最先端技術を持っていたユニバックはPCが世俗的な企業によって汚されるのを嫌ったが,IBMは自社のPCを企業用に設計し直し,4年掛らず市場トップになった.つまり,予期せぬ顧客や使われ方がされた場合,もしくは,当然使われるでろうと想定したものが使われなかったりした時,そこには大きなチャンスが眠っている.

多くの間違いを犯す人は優れた人である.
 「失敗を恐れずに!」,優れている人はたくさんの新しいことにチャレンジします.なので失敗も間違いもする.信用してはならない人は,間違いを犯したことがない者,失敗をしたことがない者,そのような者は無能でつまらない,また組織の意欲を失わせ士気を損なう.


8.「ビジョナリー・カンパニー」,ジェームズ・コリンズ他著

ー「偉大な企業」の基本理念,巨大組織を束ねる求心力を説いた名著ー

進歩への飽くなき情熱と守り抜いてきた基本理念
 米ゼネラル・エレクトリクス(GE),IBM,ボーイングなどの偉大な18社が紹介される.コリンズは基本理念の構成要素を「基本的価値観」と「目的」に大別するが,18社に共通する項目はない.

図は引用です(マネジメントの名著を読む,日経経済新聞社).

会社を始めるときに素晴らしいアイデアなんて必要ではない!!
 18社のうち,革新的な製品やサービスで大成功を収めたのは3社(J&J,GE,フォード)だけである.コリンズは,「素晴らしいアイデアをもって会社を始めるのは実は悪いアイデアかもしれない.ほとんどのビジョナリーカンパニーには具体的なアイデアを全く持たずに設立されたものであり,スタートでは完全につまずかない」と洞察している.

たくさん試してうまくいったものを残す!
 ダーウィンの進化論のようなものであるが,時代を超えて輝き続けるビジョナリーカンパニーが周囲の環境変化に適応し進化を続けていけるための仕組みである.スリーエム(3M)という会社はこれの典型例でよく使用される.3Mから得られる教訓は以下の5つである.

①試してみよう,なるべく早く
②誤りは必ずあることを認める
③小さな一歩を踏み出す
④社員に必要なだけの自由を与えよう(業務上の自主性を認める)
⑤重要なのは仕組みある

Good は Great の敵
 偉大な企業が少ないのは,多くの企業がすでに「良い企業」という立場に安住しているからである.


9.「最強組織の法則」,ピータ・センゲ著

ー意欲と能力を引き出し,新たなチームワークのあり方への指針を与えてくれる名著ー

学習する組織(ラーニングオーガニゼーション)であるべきだ
 これからの組織は一人の大戦略家の指示に従うのではなく,あらゆるレベルのスタッフの意欲と学習能力を生かすすべを見出す組織であれと説いている.そのための5つのポイントは以下である.

①「システム思考」,全体の相互作用を理解する.
②「自己マスタリー(習熟度)」,個々人が習熟度をあげるための努力が大事.
③「メンタルモデルの克服」,時代や環境の変化に対して考え方を変える.
④「共有ビジョンの構築」,ビジョンがあれば人々は喜び,力を発揮する.
⑤「チーム学習」,素晴らしい成果を生むすべをチームで学習する.

システム思考革命
 システム思考とは,物事の依存関係を確認し,全体の構造を見出すことである.「木を見て森も見る」ことが必要であり,ある個別の事象の原因を特定するだけでは済まないと指摘する.全体を理解しどこに働きかければ最も効果的に解決できるのかを見出すことが重要である(レバレッジの原則).

リーダーの役割とは全員が理解できる学習プロセスを設計すること
 現代のような変化の早い時代に対応するためには,全員が考えて全員が行動する「ラーニングオーガニゼーション」の構築による分権が必要である.そのため,トップマネジメント(リーダー)は「思考力をつけること」,「チーム学習能力を高めること」,「共有ビジョンを描き浸透させること」が求められます.


10.「プロフェッショナルマネジャー」,ハロルド・ジェニーン他著

ー58四半期連続増益の男,アートとしての経営を説いた名著ー

経営は「アート」であり,「サイエンス」ではない
 経営者が直面する問題は,会社の成り立ちや実情に影響するものなので,前例のない一回限りの場合が多い.そのため,サイエンスの単純な公式で解決できない.自然科学などとは異なり「こうやったらこうなる」というものではない.つまり経営は「アート」であるということ.

経営とは成果以外の何物でもない,最終章の言葉が真っ当で深い!
 「言葉は言葉,説明は説明,約束は約束,,,何も取り立てていうべきことではない.だが,実績は実在であり,実績のみが実在である ー これがビジネスの不易の大原則だと私は思う.実績のみが君の自信,能力,そして勇気の最良の尺度だ.実績のみが君自身として成長する自由を君に与えてくれる.覚えておきたまえ ー 実績こそ君の実在だ.他のことはどうでも良い.」

できるエグゼクティブの机は散らかっている
 綺麗な机のエグゼクティブとそうでないエグゼクティブ,どちらが仕事ができるか.机の上が綺麗なエグゼクティブはやるべき仕事をどんどん他人に移譲してしまっているからダメである.エグゼクティブの本来の職業生活そのものが ”散らかった(雑然とした)” ものであるから,本当に仕事をしているのであれば机が汚れているのが当然である,という理論.


11.「巨象も踊る」,ルイス・ガースナー著

ーIT革命の洗礼を最初に受けたIBM論を説いた名著ー

IBMは1990年代の初頭に倒産の危機に直面したが,,
 オープン化&ダウンサイジング化というIT業界の第一の変革期が訪れたが,その方向性や影響力を読み間違え,シリコンバレーを中心とした西海岸の起業家たちに事業領域を侵略された.そして今はIT業界の第二の変革期(モバイル端末の普及によるパソコン界への影響,クラウドサービスにより商取引や人への影響,情報サービスが水や電力と同じようなインフラになる)によって国の利益と市民の利益が衝突する時代がきます.こうした観点でIBMから多くを学ぶことができる.

IBMが打った二つの大きな「賭け」ーリスクテイクを学ぶ
 IBMの変革は二つの大きな掛けに集約できる.一つは産業の方向性に関する賭け.もう一つは同社の戦略による賭け.前者はクラウドコンピューティングの台頭である.あらゆる機器がネットワークに繋がる時代を想定した掛けである.後者はサービス主導の戦略への掛けである.顧客が様々な機器やソフトを統合しなければならなくなるにつれ,ソリューションを提供できる企業を評価するようになるという予測である.

優れた経営者は市場構造の変化を解明する
 IBMがどこにポジショニングをすべきか,何が成功要因になり,どんな事業構造を作るべきかガースナーは具体的な仮説を立てた.
 まずIBMのミドルウェアをオープン化し,他社製のハードにも対応できるように改良.次にロータ・デベロップメントを買収し,多数のユーザの共同作業を支援する「ノーツ」を入手した.またアプリケーション・ソフトでは,社内の反対を押し切り撤退という道を選んだ.



12.「ウィニング 勝利の経営」,ジャック・ウェルチ他著

ーGEの前CEOが示す部下の成長を導く8つのルールを説いた名著ー

リーダーシップの本質とは?
 リーダーになる前は,成功とはあなた自身が成長することである.ところが,リーダーとは成功とは他人を成長させることである.

リーダーのすべきことである8つのルール
チームの成績向上を目指して一生懸命努力する.あらゆる機会を捉えてチームメンバーの働きぶりを評価し,コーチし,自信を持たせる.
部下にビジョンを持たせるだけではなく,ビジョンにどっぷりと浸かるようにさせる
みんなの懐に飛び込み,ポジティブなエネルギーと楽天的思考を吹き込む
率直な態度,透明性,実績を通じて信頼を築く
人から嫌われるような決断を下す勇気,直感に従って決断をする勇気を持つ
猜疑心(さいぎしん)と言い換えても良いほどの好奇心で部下に質問し,部下が行動で答えるようにさせる
リスクをとること学ぶことを奨励し,自ら率先して手本を示す.
派手にお祝いする.

以上の8つのルールの中には相反するものもある.例えば③楽天的に「大丈夫」と言いながら⑥疑り深く質問すること.短期と中期の業績などをみてリーダーは様々な相反するニーズのバランスをとる必要がある.

顧客満足度の高い病院の方が,悪い病院よりも失敗が多い
 良い病院は心理的な安心感から,皆が自分の失敗をシェアしようとする.従って,失敗は多く報告させる.しかし同じ失敗は起こりにくく数も減少する.一方で悪い病院は,失敗を報告すると罰せられるという不安から,失敗してもそれを隠そうとする.報告された失敗の数は少ないが,実際にはあちこちでニアミスが発生しており,それは何度も繰り返されている.
 リーダーシップは危機,失敗の時こそ普段の努力,地力が試されるものである.


まとめ

やっと後半のまとめが終わりました!
前回の前半と加えて,12冊のマネジメントの名著をそれぞれ紹介してます.前半はこちらです

おいらもこの12冊の名著を通して,研究をするときの姿勢をもっと改良していかないといけないなと痛感してます!

皆さんもぜひ自分に合った一冊を探してみてください!








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