見出し画像

設計監理ってなにするの?

はじめに

家を建てる際には、工事費の他に『設計費(設計監理費)』がかかります。『設計料』という言葉は聞いたことがあっても、その具体的な内容について解している人は少ないかもしれません。
ここでは、設計費(設計監理費)について詳しく解説します。
設計料の一般的な相場や算出方法についても触れていくので、家づくりに興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

家をつくるために必要な費用なんです。

設計監理費は、どんな種類の住宅でも必要な費用です。
一般的には、設計事務所に依頼した場合に発生すると思われていますが、ハウスメーカーの家や建売の家、工務店に依頼して建てた家でも、設計監理費は不可欠です。
設計監理は、家の『設計』と『工事監理』を行うための業務費用です。
具体的には、建物の意匠設計、構造設計、設備設計などを行い、それらを反映した設計図書や仕様書の作成を含みます。
また、工事監理は、建物が設計図書や仕様書通りに造られているかを主に工事現場で点検・確認する業務を指します。
もし設計図書や仕様書通りに造られていない場合は、施工会社の工事管理者に指示を出し、工事を是正させる業務も担います。

設計とは?

設計業務は単に図面を書くだけではありません。
様々な調整や確認事項を経て図面を作成します。
以下が設計業務の基本内容となります。 

条件整理

お客様のご要望や敷地、環境などの条件、法規制、ご予算などを整理し、 家のデザインや規模などの概略を割り出します。

基本設計

建築主との打合せにおいて、建築規模や構造、間取り、設備などの仕様を決めるために図面やCGパースなどの資料を作成。 

実施設計

建物各部の正確な寸法、仕上げ素材などの仕様を決めて図面に反映します。
無数のバリエーションの中から素材サンプルを収集し、建築主の要望と合致する組合せを提案しながら決めます。
建物から内部の設備まで、位置図・平面図・立面図・断面図・矩計図・展開図・構造図・設備図などの図面を作成。

確認申請

建築予定地の市区町村や民間の審査機関に設計図書や仕様書を提出し、各種法律の規定をクリアし、確認申請を通過します。
確認申請は建築主が行いますが、代理で設計者が申請手続きを行います。

監理とは?

設計士は建物が完成するまでの全体的なプロセスに携わり、品質や安全性の確保、設計通りの完成を担保するために不可欠なのが監理業務です。
以下がその主な項目です。

見積精査

施工会社から提出された見積書を精査し、抜け漏れや重複などの内容を確認します。
見積工事費が予算をオーバーした場合、意匠・構造・設備設計を見直して調整案を作成し、お客様へ提案・協議を行います。

施工会社の選定

提示された見積書や資料に基づき、各施工会社の特性や実績などを考慮しながら、工事を行う会社を選択・決定する助言を行います。

工事監理

「品質」、「コスト」、「安全」、「工程」の観点から工事現場での点検・確認を行います。
設計図書や仕様書通りに工事が進捗しているかを確認し、追加変更などのコスト確認をお客様へ定期報告します。
設計図書や仕様書と異なる箇所があれば、施工会社の工事管理者に指摘し、是正を依頼します。

検査、引渡し

引渡しの前に設計検査を行い、建物・設備などの寸法・強度・性能などの最終確認を行います。
その上で役所や審査機関による完了検査を受け、是正点がある場合は施工会社へ改善を指示します。
工事費の最終精査を行った上で建物の引渡しを行い、引渡し後も建築主からの要請がある場合はアフターサービスにも立ち会います。

設計監理の費用

設計監理の業務報酬については、国交省からのガイドラインがあるものの、一般的な相場としては工事費の10〜20%とされることがあります。ただし、これはあくまで統計的な数値であり、個々の家やプロジェクトによって異なります。

例えば、高級仕上げ材を使用した100㎡の家と、一般材料を使用した150㎡の家が同じ工事費である場合、設計監理費が同じになるかどうかは、一概には言えません。設計監理の業務報酬は、建物の用途や規模だけでなく、特殊要件やプロジェクトの複雑さ、設計や監理にかかる労力など、さまざまな要因に基づいて決定されるためです。

ハウスメーカーが提供する設計料の安さは、その業者のサービス内容や品質、プランの規格化度などに依存します。
一般的に、ハウスメーカーは設計や施工を規格化し、大量生産効果を活かしてコストを抑える傾向があります。
しかし、その一方で、お客様が設計士や工事監理者と直接打ち合わせを行わずに進める場合もあります。
設計士や工事監理者のサービスを省いているために、ハウスメーカーの設計料が安いということは、そのまま他の設計監理費と比較することが難しい場合があります。
なぜなら、それぞれの提供するサービスの内容や品質が異なるためです。
設計監理費用を比較する際には、提供されるサービスの範囲や品質を考慮する必要があります。

個人の見解として、お客様が直接設計士や監理者とやり取りするかどうかは、業者の体制やプロジェクトの進め方によって異なります。一部の業者は、お客様との直接の関与を重視し、その他の業務を内部で対応することがあります。逆に、多くの業者は、プロジェクト全体の進行をスムーズにするために、お客様との直接のやり取りを最小限に抑え、代わりに内部で業務を行うことがあります。

したがって、設計監理費用の決定にはさまざまな要因が関与し、個々のプロジェクトによって異なります。
お客様が業者やプランを比較する際には、価格だけでなく、提供されるサービス内容や品質などを総合的に考慮する必要があります。

最後に

家を建てるという経験は人生の中で数少ないものです。
そのため、設計事務所に設計監理を依頼することを強くお勧めします。
中古物件を購入し、リノベーションする場合も同様です。
住んでから間取りや設備の使い勝手が悪いなど感じることがあると思いますが、建物には法規制や材料の条件など多くの制約があります。
分かりやすく言うと、建物は法規制を超えて高く、広くすることはできません。
そのようなことから、設計士と共に家の形や間取り、材料を考えることで、お客様ご自身が設計から携わることにより、家への愛着がさらに湧くと考えています。
私見としては、これが一番重要でメリットのあることだと思います。

お客様がご自身の家を建てるプロセスに参加することで、お客様ご自身または家族の理想やニーズを反映させた家を実現できるだけでなく、その過程で家への強い愛着や満足感を得ることができます。
設計から携わることで、家が自分たちの手で生まれたものであるという誇りや満足感が生まれるのです。

弊社では、お客様が行う必要のある資金計画や土地探し、住宅ローンの選定などの作業にもサポートを提供しています。
無料相談も実施していますので、何をすべきかわからないお客様はお気軽にご連絡ください。
お客様の要望をお伺いし、条件を整理した上で、設計監理費用や弊社が提供できるサービスの範囲から費用を算出致します。

建象設計株式会社 無料相談

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?