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神泉のスタートアップへ入社して2年、私はアフリカでサイのお尻を見つめていた

少し湿り気を帯びた、しかし心地よい風が抜ける。私を乗せた四輪駆動車は道とは名ばかりの泥の中を進む。ぬかるみにタイヤを取られはしないかと不安を覚えるが、前方に見える轍を眺めて少し気を落ち着ける。

いやいや、落ち着かない。
進行方向、至近距離に、ずんぐりとした丸い泥の塊がある。いや、いる。動いている。

2019年10月12日。ここはナイロビ国立公園。私の前にいる泥の塊はサイのお尻。

サイはこんなにも可愛らしいお尻をしている草食動物なのに、陸上最強の生物の一つで、肉食獣も恐れる存在(たまに人も襲われる)。実は非常に迅速で、時速55kmで走るという。それでいて虫刺されが気になるから泥を浴びているような繊細な動物とか言うやん。多面性に富んでるやん?英語名はライノセラスでカッコええやん。素敵やん。

・・・すみません、思い出に浸っていて自己紹介遅れました。エディと申します!私は神泉にあるスタートアップを支援するスタートアップ、ケップルに勤めています。入社して2年、ケップルはベンチャー投資家を支援するプロダクト「FUNDBOARD」を運営しています。ほかにもVCや起業家向けスクール「KEPPLE ACADEMY」、そして今回の出張のきっかけとなったアフリカへの投資など様々な事業をやっているように見えますが、実は「世界に新たな産業を作る」というビジョンの元、活動しています。まさにお釈迦さまの言葉「サイの角のようにただ独り歩め」のように、独自の活動をしているのです。

アフリカ市場は「最後のフロンティア」と呼ばれています。2018年のVC投資額が前年の約2倍になっていて(母数が小さいこともありますが.....)他の市場を大きく上回っています。世界規模で人やお金の動きが活発になっていることもあり、アフリカ出身で欧米の大学で学び、ビジネスをしていた人材が母国に戻り、人脈を生かして欧米からお金を引っ張る構図で、市場は拡大しているのです。政府によるインフラ整備が不十分ですが、その分を補おうとスタートアップが活動しています。そのアフリカの中で、VCの動きがもっとも活発なのがケニアです。

今回、弊社ケップル代表の神先と初めてアフリカに行ってきましたので、現地の様子やスタートアップを紹介したいと思います。

今回は、ケニアに行った理由や準備、現地の状況や食について触れようと思います。自然がいっぱいだけじゃないんですよ!アフリカはいいぞ。


1. 僕らがケニアに行く理由

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ケップルはこちらのリリースでもアナウンスしているように、ケップルアフリカベンチャーズ(KAV)というアフリカ投資の会社がグループにあります。現地での投資活動に加え、ケニア人インターン生の受け入れ、日本企業との交流などを行っていました。KAVはケニアのナイロビとナイジェリアのラゴスに拠点があり、それぞれアフリカ経験が豊富な日本人の代表がいます。でも日本のスタッフは現地に行った人ゼロ。仕事をしているのに知らないという違和感と、アフリカへの想いがつのり、視察することになりました。

※アフリカでの投資先に関しては、約1年で20社を超えております。最強のパートナーが現地(ケニア、ナイジェリア)に住んでおりますので、ご興味ある方は以下までご連絡ください。

admin@kepple-fund.org

2. 大事な事前準備

荷物はおいおい紹介するとして、特に事前に準備すべきものはこちらです。

1. ビザ(オンラインで申請&取得)
2. イエローカード(黄熱病の予防接種証明書)
※今回はケニアに加えてウガンダのビザも申請&取得

ビザは現地到着時の取得もできますが、事前取得がベターです。1週間もあれば取得できます。偽サイトやオフィシャルに見せかけたエージェントが多いようなのでお気をつけください。ちなみにこちらがオフィシャルサイトです。

イエローカードは必須ではないエリアもありますが、ウガンダにも足を伸ばす予定だったので取得することに。また、持っていないと運が悪ければ入国審査官から出入国時にイチャモンをつけられ、賄賂を要求されるとか....。はい取得しました。
ちなみにケップル代表の神先はクリニックのお医者さまに脅されて黄熱病だけではなく、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病など入念に予防接種していました。(にも関わらず、帰国後はA型インフルエンザで体調を崩していました)

意外な落とし穴が、ケニアではビニール袋の持ち込みが禁止されているということ。環境保護を目的としているそうで、入国時に見つかったらこれまた賄賂を要求されるとのこと(そう、とにかく至る所で賄賂を要求されがちなのです)。私も直前まで知らなかったので危ないところでした…。

滞在先は、現地で臨床検査ラボのスタートアップ(Connect Afya)を経営する嶋田さんのご自宅にお邪魔しました。非常に居心地がよく、どこにいるか忘れるほどでした。ありがとうございました!

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※笑顔の嶋田氏

フライトはドバイ経由でナイロビに入りました。

3. アフリカ(ケニア、ウガンダ)のインフラ

今回、訪れたのはケニア(のナイロビ)、ウガンダ(のカンパラ)。アフリカというと「サバンナ」「ジャングル」「暑い」のイメージがあるかもしれませんが、両方とも冷涼で軽井沢のようでした。年中同じような気候だそうです。

Wi-Fiのネットワーク網、交通状況、電力供給などのインフラに関しては、ケニアがいわゆる先進国並みの部分も多いのに比べ、ウガンダは厳しいものがありました。

例えば、今回訪れた投資先の1つである、ウガンダのスタートアップ「Numida」(スモールビジネス向けにレンディング事業をやっています)。訪問時は電気の供給が止まっており、玄関先にある巨大発電機が轟音を立てながら稼働していました。ものすごい騒音の中で、淡々と仕事をする従業員の方々…。

交通状況に関してはどこに移動する際も渋滞で、時間通りに目的地に到着することはほぼ不可能でした。日本人の雄一の取り柄であるパンクチュアリティが…。

ケニアでは交通渋滞は場所と時間帯によってはあります(なかには警察官が賄賂を徴収するために意図的に起こしているものもあるとのこと)が、電気は安定的に供給されており、Wi-Fiのネットワーク網もストレスを感じませんでした。

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ナイロビの生活水準は思っていたよりもはるかに高く、先進国と遜色無い高級ショッピングモール、中間層向けのスーパーが存在していました。それぞれの食品や衣料品の物価は先進国と変わりはなかったです。

不動産や人件費は非常に安価でした。ある方にお伺いしたところ、家賃が100平米で月10万円(家具なし)、さらに週3日のお手伝いさんの訪問で月1.2万円と、日本では考えられない金額感でした!

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※東京でもちょっと見ないくらいの洗練されたパン屋。

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※鮮度を保って輸送し、生の状態で販売できるぐらい物流が整っていることに驚きでした(ナイロビから海はだいぶ遠いです)。

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※整然とした陳列。繊細な技につい撮影しちゃいました。

先進国と変わらない中間層らが存在する一方で、スラム街もあります。今回僕たちはアフリカ最大のスラム街「キベラスラム」をSHOFCOという現地のNGOに案内していただきました。そこでは100万人もの方々が生活しており、なんとナイロビ市人口全体の20%に当たります。

ただ、そのようなスラムでさえすべてがM-PESA(携帯電話のショートメッセージを使って送金するサービス。なのでガラケーでも使えちゃう決済サービスです)で決済されており、電子決済の社会への浸透度に衝撃を受けました。

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※キベラスラムの様子

詳細はまた別の回で紹介します。

4. アフリカ(ケニア、ウガンダ)の食

先進国と同じように、イタリアン、中華、日本食などのレストランがありました。いただいた現地の料理は、ニャマチョマ(焼き肉)のヤギ肉や、ウガリと呼ばれる肉まんの皮を乾燥させたような素朴な味の主食などでした。

ニャマチョマのヤギ肉は投資先を含めた50人もの関係者が集まるBBQパーティでいただいたのですが、本当に美味で訪問する機会があればぜひ試していただきたいです。このBBQについては追って詳しく触れたいと思います。

最後にぜひご紹介したいのが、ウガンダにある日本料理屋「YAMASEN(やま仙)」です。経営者の方はもともと京都で同名の料理店を運営されていたのをたたみ、ウガンダに移転されたとか。京都からウガンダに行く思い切りの良さだけでも凄いのですが、なんと現地で非常に質の高いオペレーションとオリジナルの物流を築き上げているんです!

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日本と遜色ない、丁寧な仕事をする調理するスタッフも、きびきびとした立ち振舞でサービングしてくれるスタッフも、全て現地人。生魚など新鮮な食材も豊富です。ここに粘り強い採用と血の滲むような教育があったことは容易に想像できました…。

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外観もめちゃくちゃオシャレで、ウガンダでこんなに素晴らしい空間と体験が味わえるなんて夢にも思っておりませんでした。ウガンダでの滞在期間2日間で2回も足を運んじゃいました。YAMASENはこちらの記事でより詳しく紹介されていますので、ぜひご参照ください。



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