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好きなゲームの話をしたい ~せがれいじり~

『せがれいじり』というゲームをご存じでしょうか?下ネタではないです。(ある意味下ネタなところはあります)

1999年にプレイステーション用ソフトとしてエニックス(現:スクウェア・エニックス)から発売されたゲームです。キャッチコピーは『プレゼントに最悪』。内容が稀有なゲームなのでもしかしたら知っている人も多いかも?

ストーリーは、少年せがれ(主人公)が、ある日かわいい女の子を見つけ、その子とラブラブになるためいろいろなモノに関わって世間への見識を広げ成長していくというもの。

ストーリーだけ見るとキレイなお話のように見えますが、ジャンルはいわゆる『バカゲー』。オープニングからなにからすべてがアホ(誉め言葉)です。

主人公のせがれ(右)とママ(左)
せがれはサナギなので矢印、ママはキリンのままだからキリンのママです


ところでみなさまは『うんこちんちん』はお好きでしょうか?小学生時代にこの単語を聞くだけで笑った経験がある人は少なからずいると思います。私は今でも大好きです。
『うんこちんちん』は子供心をつかんで離さない魔法の言葉だと思います。

コロコロオンラインではうんこ・ちんちん総選挙なるものも開催され、2023年4月時点で計2回開催され、どちらも『ちんちん』が勝利しました。

せがれいじりとはそういうゲームです。


うんこちんちんです。


うんこちんちんを全力で楽しむゲーム、それがせがれいじり。
ストーリーなどにとくに深い意味もなければ、プレイヤーになにかを伝えるようなものでもなく、ただ純粋に言葉の語感、変なムービーを楽しむゲーム。

そう思っていました。



小・中学生時代にうんこちんちんにドハマりした私は、成人してからもうんこちんちんが大好きでした。
そんなうんこちんちんの楽しさを教えてくれた『せがれいじり』を成人後にもう一度プレイしたいと思い、中古で再度購入。(当時は親戚に借りてプレイしていたので)

再度プレイしてみて、やっぱり意味が分からずおもしろい、という部分は変わらなかったのですが、はじめて知ったことがたくさんありました。

子供のころはあまり意識して見ていなかったエンドロールのスタッフクレジット。
『原作・CG・音楽・演出・ボケ・ツッコミ:秋元きつね』。

『原作・CG・音楽・演出・ボケ・ツッコミ:秋元きつね』!??!?


ほぼひとりで全部やってんの!??!?!??!?!?


バケモン!??!?!??!?!!!!?!?!??!


もちろんほかにもたくさんスタッフの方はいらっしゃいますが、ここまでの役割をひとりで担っていた秋元きつねさんとは何者なんだ・・・という気持ちになり、調べてみることに。

出るわ出るわの知らない情報。
『ウゴウゴルーガ』のCGを作って???平沢進さんの元弟子で????絵が描けて動画が作れて音楽が作れて?????

バケモン!??!?!??!?!!!!?!?!??!


バケモンでした。すごい人でした。
さらに調べてみると、せがれいじりに関連したとあるページが・・・。



秋元きつねさんが書かれた『せがれいじり解説書(大人向け)』というページ。なんだか語感はえっちな感じがしますが、内容は至極真面目。

「なんで主人公矢印なんだよwww」「どうしてお母さんキリンなのwww」と深い意味もないぶっとんだギャグなんだろうな~と思っていたあれやこれ。

まだ世間を知らない好奇心でいっぱいのサナギ(主人公せがれ)が、セケン(世間)の様々なオキモノに触れ(矢印でクリックし)、オカカワリ(関わっていく)しては自身の視野を広げていく(行けるセケンが広がっていく)。
それを首を長くして見守るお母さん(キリンのママ)。
最終的には自立をしておんも(自身が知っている世間の範囲外)に飛び出す主人公せがれ。

当時プレイした際は意味がないと思っていたもの、すべてに意味がありました。

ほかにもたくさん裏話を書かれているので、興味があればぜひ読んでみてください。読んだあとにいい意味で、もしくは悪い意味で『せがれいじり』の受け取り方が変わってしまうかもしれませんが、私はこれを読んで『せがれいじり』と秋元きつねさんのことがもっと好きになれました。



まさか『せがれいじり』が、『大人になってから(知識をつけてから)プレイすると、違ったとらえ方をできるゲーム』だとは思いませんでした。

『せがれいじり』は、バカゲーとしての側面ではがっつりバカゲーらしく、裏側の面ではがっつり真面目で、なおかつ作中ではそれをプレイヤーにほと
んど悟られない作り方をされている素敵なゲームです。
入手手段は中古での購入に限定されてしまいますが、この記事を読んで興味が湧いた方はぜひプレイしてみてください。

ちなみに続編の『続・せがれいじり』(プレイステーション2用ソフト)では、『せがれいじり』の前の話を楽しむことができます。こちらもぜひ。

楽曲も最高ですのでぜひ。


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