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伝えるポスターを作る⑤[完]

伝えるポスターの作り方「4.実際に作る」、後編です。
最後は完成に向けて色をつけたり写真などを入れていきましょう。

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■ 写真を入れたり色を付けて完成 ■

まずは「3.デザインを考える」で作成したラフと、そのラフをもとに全体をサクッと作ったあと、細かい形を整えたものを見てみましょう。

これだけでもポスターに見えますが、やはり色などがないと少し寂しい印象がありますね。
まずは着色のみで完成させるシンプルなパターンについてご説明します。

★ 配色を考える ★

デザインを考えているときに、「かっこいい色がいいな〜」とか「この色使いたいな〜」と1色決めるというところまでは考えられたと思います。
では、そこからポスターに使う色の組み合わせ『配色』を考えていきましょう。

● 抽象的なイメージから色を1つ決める ●

こうしたい!という抽象的なものは思いつくけど、具体的な色が思いつかない方。いると思います。
そんな方向けにこのようなものを作ってみました。

どうでしょう、これらは思っているイメージに近い色でしょうか?
抽象的なイメージに対する色って、だいたいどの人も同じようなイメージを持つことが多いです。
例えばこちら。

誰もが見たことあるこんな画像。トイレのマークです。
このマークに色をつけてくださいと言われたとき、多くの人はこんな感じの色をつけるのではないでしょうか。

そう、女性は赤、男性は青です。
試しにそれ以外のいろんなパターンを作ってみました。

なーんかどれもコレジャナイ感があると思います。これらはこれらで面白いですけどね。
ということは、多くの人が持つ女性らしい色のイメージ、男性らしい色のイメージは、女性:赤系、男性:青系ということが分かりましたね。

このように、抽象的なイメージには多くの人が「これってこういう色なんじゃない?」と思う色の傾向が存在します
このことを知っていると、自分が作りたいと思っているイメージの色が何色なのか分かりやすくなります。

● 使いたい1つの色から配色を考える ●

抽象的なイメージを考えた人も、「この色を使おう!」と決めた人のように、使いたい色が1つ決まったと思います。
では、そこから数パターンの配色を考えていきましょう。

実は「ラフをもとに全体をサクッと作る」のときにこんなことを言っていました。

作る際のコツは『白黒で作成する』ことです。
白黒で全体を作成することで色や写真などの画像に惑わされず、全体の形づくりや文字の配置に専念することができます。

白黒で作成してなんだか物足りない気がしたら、濃いグレーや薄いグレーを使ってみるのもOKです。
ただし、いろんな濃度のグレーを使ってしまうとかえってややこしく見えるので、白黒含めて3、4種類くらいがいいと思います。

これに準じてポスターを作っている方は、今自分が作っているポスターの色が、白と黒を含めて多くても4色になっていると思います。

ということは、ポスターに使う色は
①白
②黒
③使いたいと決めた色
④なんかもう1色

で構成されていれば、なんだかいい感じに見えてしまうのです。
サクッと作った際の伏線が回収された感じで気持ちいいですね。

しかも、「①白」と「②黒」はもちろん、「③使いたいと決めた色」まですでに決まっちゃってます。もうこの段階でポスターに使う色がすべて決まった人も多いと思います。
あとはもう1色、この①~③に合わせた「④なんかもう1色」が決まれば、ポスターに4色使おうと思っている人が困らない状態になりますね。

この「④なんかもう1色」を決める簡単な方法を3つご紹介します。

【使いたいと決めた色の補色(反対色)を使う】

補色とは、その色と正反対の色のことです。詳しくはwikipediaなどをどうぞ。
調べる方法はいくつかありますが、今回はwindowsに搭載されているペイントで調べてみたいと思います。

まずペイントを開き、「③使いたいと決めた色」で全体を塗りつぶします。
その後、塗りつぶしたところで右クリック → 色の反転を選択すると、塗りつぶした部分が「③使いたいと決めた色」の補色に変わります。

作っているポスターに合わせるとこのようになります。

「③使いたいと決めた色」は全体的に、「④なんかもう1色」である補色はアクセント程度に置くといい感じになると思います。

【使いたいと決めた色と似た色(同系色)を使う】

こちらについても、詳細は調べていただいたほうがわかりやすく解説しているサイトがあるので、詳しい説明については割愛させていただきます。
「③使いたいと決めた色」と決めた色が赤系ならそれに近い色、青系ならそれに近い色をアクセントとして配置すると、統一感が出てなんだかいい感じに見えます。

【配色に特化したサイトで調べる】

「使いたい色も決まらないし、補色だとか同系色だとかよくわからん!配色お手上げで~~~~す」という方は、配色に特化したサイトから色の組み合わせを調べるのもアリです。
特化したサイトは色々ありますが、私が最近お気に入りのサイトはこちら。

Color Hunt
https://colorhunt.co/

英語表記ですが会員登録などは不要の無料サイトで、いろんな色のいろんなパターンがあり、トレンドカラーや人気のカラーなども表示することができます。

ためしにこちらのサイトから取得した色でポスターを着色してみました。
参考にさせていただいた色はこちら。(https://colorhunt.co/palette/138147

これもまた素敵な仕上がりになったと思います。

以上の3つの方法が比較的簡単な方法ではないかと思います。
1つ注意することは『文字と背景の色の濃度の組み合わせ』です。
濃い背景の上に濃い色の文字を置いたり、薄い背景の上に薄い色の文字を置くと読みづらくなってしまうので注意しましょう。


★ 写真や画像を入れる ★

「色を付けるだけじゃなくて写真や画像も入れたい!」という方も多いと思います。写真などが入ると全体が華やかになりますよね。
文字の下に画像を入れる場合は、『文字と背景の色の濃度の組み合わせ』に気を付けながら文字が読みやすいように調整するといい感じです。

ところで写真などの画像ってどうやって用意すればいいんでしょうか?
もちろん、自分で撮影した写真や自分で描いたイラストを使うこともあると思います。自分が使いたい画像が用意できますしね。
では、『写真などの画像を使いたいけど、写真撮影は苦手だし絵も描けないよ!』という方はどうすればいいのでしょう?
そんな方にはフリー素材がオススメです。

● フリー素材をうまく使う ●

上のポスターで使っている紅葉の写真はこちらのサイト様のものを使用させていただきました。

BEIZ images
https://www.beiz.jp/

風景写真や皮・木目などのテクスチャ(質感)の画像を、
◆ 誰でも無料でダウンロードすることができる
◆ 使用時にクレジット表記やリンク報告は不要
◆ 色の調整や文字入れなどの加工OK
◆ 個人利用、商用利用※が可能

という、ポスターなどを作る人にはありがたい利用規約となっています。
(※こちらのサイト様では商用利用に関して、できることとできないことがあります。その他の規約についても、詳しくはこちらのサイト様の利用規約をご覧ください。)

ちなみに、この「伝えるポスターを作る」シリーズのヘッダー画像はこちらのサイト様のものを使用させていただいています。

写真AC
https://www.photo-ac.com/

こちらは会員登録(登録無料/有料版もあり)が必要ですが、営利目的の商業印刷や加工など、利用規約の範囲内であれば自由に使用することができます。
ブログやSNS記事のアイキャッチに使用してもよいとのことだったので、使用させていただきました。

私がポスター制作のお手伝いさせていただいているポケモンカードのオーガナイザーイベント「一軒目ポケカ」では、主にこれらのサイト様の素材を使用させていただいています。

イラストAC
https://www.ac-illust.com/

ダ鳥獣戯画
http://www.chojugiga.com/

ICOON MONO
http://icooon-mono.com/

Bg-patterns
http://bg-patterns.com/

● 素材利用時の注意点 ●

先ほどからちょこちょこ出てくる『利用規約』。
サイト様によっては『ライセンス』などとも呼ばれますが、フリー素材を使う場合は、フリー素材を配布しているサイトの利用規約を必ず読み、それに準じて使用してください。
利用規約はサイト様によって内容が異なります。
素材を配布している側、素材を使用する側の間で起こるトラブルを防止するためにも、そのサイト様の利用規約を必ず守りましょう

余談ですが、『フリー素材』と明記されていないもの(たとえば素材サイト以外のサイトにある作者がわかる画像など)は、勝手に使用すると様々なトラブルの原因になりますので、利用規約があれば使ってもいい画像なのかどうかを確認し、利用規約がない場合は画像を作成した方に問い合わせ、使用していいかどうかを確認してください。(※使用後の事後連絡はダメですよ!)

Googleの画像検索などで出てきた誰が作ったのかわからない画像は、利用規約もなく作者がわからないため問い合わせをして確認することができないことが多いので、使用を控えたほうがいいでしょう

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以上で「伝えるポスターを作る」の説明は終わりです。

この記事を読んで「ポスター作ってみようかな~」と思ってくれた方がいたら幸いです。
記事に書かせていただいたアドバイス(というほどでもないかもですが)は、ポスターを作成する際に使えそうであればガンガン参考にしてください。

みなさまのポスター作り、応援しております。私も頑張るぞ!

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