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パウパーに感じている魅力を語りたい

前置き

こんにちは。
宇都宮で細々とM:TGをプレイしている菊川けりおです。

唐突ですがみなさんM:TG好きですか。
僕は大好きです。
このゲーム、めちゃくちゃ面白いです。
面白すぎて10数年前に引退したはずなのに戻ってきてしまいました。

この記事ではただの一般人男性が「パウパー」というフォーマットの魅力を語ります。


私のプレイ環境

さっそく魅力を語りたいのですが、まずはプレイ環境をお話しします。
学生の頃と違って、社会人や既婚者になると色々な制限が切っても切り離せないものとなりました。
(ただカードだけを考え、プレイする土日なんて存在しないのである)

誰得情報ではありますが、以下が私のプレイ環境になります。

  1. 既婚

  2. 昨年12月、初子が産まれる

  3. 土日に仕事が入る(休日の長時間大会にあまり出られない)

  4. 1週間に1回ぐらいのペースで紙をしばける

復帰時点で①~③の状況でしたので、当然それらを考慮してプレイするフォーマットを選んだ背景があります。

魅力①「プレイに掛かる金額」

さっそくお金の話です。
パウパーは安い、以上。

プレイ感?
あの頃に活躍した呪文が使える?

いやいやお金なんです。
既婚者は「自分の思いのままにお金を使う」ということはできません。
隠し財産があるのなら別
夫婦の財産をどの分野に分配するかをお互いに承諾しないといけません。

元々スタンダードをプレイしていた(というよりスタンがM:TGのメインフォーマットだった)ので、当初はスタンダードへの復帰を考えていました。

しかしスタンダード復帰への懸念が2点

  1. デッキに掛かる価格
    Tier1デッキを1つ組むのに安くて1~2万円、高ければ10万円台に突入。
    いきなり復帰するのに10万円も払うのは正直苦しい。
    「安いデッキもありますよ」ではないのです。
    10数年ぶりに復帰したいと思えたデッキが10万円したのです。
    (なお復帰後、10万円以上使っていることは考慮しないとする。)

  2. 新セットの追加頻度
    新セットが2~3ヶ月の頻度で発売される。
    スタンダードはカードプールが狭いゆえ、新セットの追加で環境が変わることがザラです。
    ローテーション落ちも存在します。
    「結局◯◯デッキが最強じゃん」という停滞した環境を私は不健全だと思っているので、これ自体が悪だとは思っていません。

    しかし今の私にとってはその健全さが裏目となります。
    「構築したデッキが環境で通用しなくなったら?」
    新しいデッキを組み直す?また数万円を追加して?

これらの2つの懸念点をパウパーはクリアしていました。
デッキを組むにしても高くて2万円ほどです。
(高い理由のほとんどはサイドボードが理由)
新セットが出ても必要なコモンだけ買えば数百円程度の負担で済みます。

パウパー民の多くは1枚30円で揃えていました

結局パウパーに復帰してから組んだデッキは10を超えていますが、それもこれも1つのデッキに掛かる金銭的負担が軽いゆえです。
(これを本末転倒と取るかは貴方次第)

魅力②「古典的なM:TG」

パウパー・フォーマット委員会のGarvin Verheyさんが、常盤ゆいさんによる人気フォーマット調査動画に出演した際、次のように語っていました。
https://www.youtube.com/watch?v=nMzDUXV2twE
(11分あたりから出演)

パウパーは呪文が強く、生物が弱い。ある意味古典的なM:TGがプレイできる。

私が現役だった頃、ローウィンブロックが発売されました。
あの当時は「ドンドン生物が強くなっている」と言われていた時期で、逆に呪文は少しずつ弱くデザインされていた記憶があります。

瞬速で7/7が出てくるのはヤバい
ドランカラーを生み出したバケモノ
通称:カメコロ
打ち消してもまた飛んでくる

しかしこれらのカードはパウパーでは使えません。
コモンオンリーという縛りがある以上、生物の強さは一定ラインで頭打ちになります。1枚で盤面を完全制圧するような生物は存在しません。

他フォーマットと比べたらひどく弱い生物たちを、強い呪文によってバックアップしながら有利な盤面を構築していく。これがパウパーの魅力であり、醍醐味だと私は感じています。
(オデッセイあたりのクロックパーミッション、コントロールを使っている感覚に近い。今見ると生物がよわよわです。)

大味なデッキが好きな人には退屈なフォーマットと言えるかも知れません。
トロンのようなビッグマナデッキもありますが、如何せん生物が弱い。
エルドラージ3人衆をプレイできるわけではないので、ビッグマナの強さが活かしづらい環境だと言えます。

魅力③「多種多様なデッキが存在して良い」

カードプールの幅だけでいえば「コモン限定レガシー」と言われるパウパー
このフォーマットには多種多様なデッキが存在します。

晴れる屋さんのデッキ検索でパウパーのメタゲームをご覧頂くと色々なデッキがMagic Online Leagueを5-0していたり、紙で入賞していたりします。

もちろんTier1と呼ばれるデッキは存在します。
大型大会になったら確実に対策しなければならないデッキ達がいます。

しかしパウパーは「わからん殺し」が未だに許されるフォーマットです。
膨大なカードプール、しかも目立ちづらいコモンカードゆえに「なにそのカード」というカードと未だに出会えます。

どうやって見つけてくるんだ

幸いにも私のプレイ環境ではマイナーなカードを探す名人がいる為、比較的わからん殺しへの耐性がついたかなと思います🤔

脱線しました。
多種多様なデッキが環境に存在するので、あなたが握り続けたいと思えるデッキがそこにはあります。
それはTier1ではないかもしれないけれど、禁止されない限りパウパーでは存在し続けて良いのです。次に語りたい魅力はこれです。

魅力④「ローテーション落ちと禁止改訂」

パウパーにはローテーション落ちが存在しません。
新しいカードがどんどん追加されていき、どんどん煮詰まっていくフォーマットです。もうドロドロです。

スタンダードの懸念点でも触れましたが、ローテーション落ちが存在した場合、必然的に新しいデッキを組む必要があります。それはゲームの健全性保持と商売目的に適ったことは理解していますが、プレイヤーの金銭的負担が大きいのもまた事実です。
それが存在しないということは、心理的な参入コストが低い&金銭的な継続コストが低いということです。

パウパーでは1つのデッキを磨き続けている人たちが居ます。
いわゆるエターナルフォーマットでは当たり前でしょうが、たとえTier1ではなくても新セットのカードを検討し、既存デッキをどれだけ強化できるか試行錯誤している職人たちがいるのです。
それを可能としているのは「ローテーション落ちがない」ということです。

「禁止改訂」についてもここで触れます。
パウパーの禁止改訂はとても丁寧かつ納得のある説明をしてくれます。
それだけ、と言えばそれだけですがプレイする側としてとても心強い。
パウパー・フォーマット委員会が禁止改訂を検討・制定しますが、この委員会が存在してくれるおかげでパウパーの多種多様性が保持されています。

PauperMTGさんによる翻訳記事があるので、ご参考に。
「2023年1月 Pauper Format Panel 声明 翻訳文」https://paupermtg.com/column/pfp_announce_202301/

最後に

パウパーの魅力が少しでも伝わったでしょうか。
他フォーマットにも独自の魅力があると思うのと、合う合わないもあります。特別「パウパーが最も優れたフォーマットだ」と言いたいわけでもなく、他フォーマットの息抜き程度にプレイするのもオススメです。

ここまでパウパーの魅力を語っておきながら「結局」の話を最後に。
10数年ぶりに紙へ復帰した際、1番の懸念点は「既存プレイヤーたちと相性が合うか」でした。現役時代、ひどく相性の悪いプレイヤーが存在した為、「わざわざ金と時間を使って嫌な思いはしたくない」と強く思っていました。もちろんこれは私の礼儀や振る舞いに関わることですから、これからも気をつけないといけない点であることを忘れてはいけません。

さてそのような懸念を持っていた私ですが、私が知っている範囲でのパウパープレイヤーは全員紳士的な振る舞いを身につけていました。身内同士のノリなどは当然ありますが、初対面である私に無礼・失礼なことは一切ありません。
知らないカードばかりで判断が遅い私にも優しく接し、そしてしっかりとフルボッコにしてくれました。(私はこれを一生忘れません)

そういう体験があるので、私はパウパーとそれをプレイする人が好きです。
紙に復帰して良かったと心から思っています。
結婚し、子供が生まれ、限られた時間の中で最大限楽しめる。
やっぱりM:TGって面白い、と感じさせてくれたことに感謝しています。

稚拙な文ですが以上です。
Tochigi Pauper Clubの皆さんへの感謝で締めさせていただきます。

菊川けりお

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