一手間を惜しんでキャップレス万年筆

普段から、万年筆を使っている。7年ぐらい前に使い始めて、去年から、急にもっと良いのが欲しくなって、1万円ぐらいで買える、定番の、パイロット・カスタムシリーズを、ペン先の太さ違いで3本立て続けに買った。そして、いま、もう新しいのが欲しくて悩んでいる。

ぼくが去年まで使っていた万年筆は、3000円ぐらいので、キャップは、引っ張れば外れる嵌合式(かんごうしき)というもの。

そして、今使っている2本は、ネジが切ってあって、クルクルとキャップを回して、つけたり、はずしたりするタイプだ。しっかりキャップがしまるので、そうでないのより、インクが蒸発しにくいという特徴があるんだとおもう。本格的なやつは、だいたいこのタイプだ。

書こうかな、と思ってから、キャップを外して、それを後ろにはめて、とやるのに数秒かかる。外すときはともかく、閉めるときは、キャップにペン先をぶつけてしまうので、ちょっとだけ慎重になる。

これが、めんどうで、キャップレス、という万年筆が欲しくなった。これは、名前の通りキャップがなく、ボールペンなんかによくある、ノック式で、後ろを押すと、ペン先が出てて、もう一度押すと、ペン先が隠れる、というもの。これだと、書きたいときにすぐ書けるし、ちょっと書いて、しまって、メモなんかにも最適だ。

コーヒーを豆から挽いて、ハンドドリップしてるのと、おなじ感覚で、インクを吸入したり、ペン先を洗ったりとか、一手間を楽しんでいたはずなのに、たかだかキャップの付け外しの手間を惜しむのはなぜなんだろう。

そもそも、そんなに急ぐなら、何百円かで買えるボールペンのなかにも、書き味のいいのがいくつもあるんだから、わざわざ万年筆を使う理由もないはずだ。

ここまで買いて、下書きのまま放置していた。あれこれ要らない理由と、要る理由を考えて、キャップレスを買った。思った通り、ものすごく便利で、仕事中はこればっかり使っている。

そういえば、コーヒーも、すっかりインスタントになった。

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