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非帰国子女の私が1ヶ月半でIELTS8.0を取得した方法

はじめまして、来年夏より欧州MBA留学予定のKeroです。
私は帰国子女ではなく、大学時代にオーストラリアで1年間留学をしていた以外は長期の海外経験はありません。
ここでは私が海外MBA受験のため、とにかく最短でIELTSスコア取得を目指し1ヶ月半でOverall 8.0を達成した方法について書いていきます。
英語学習に苦労している方の一助になれば幸いです!


IELTSを受けることになったきっかけ

思い立ったのは今年の3月。外資IT業界にレイオフの波が訪れ、改めてキャリアを考え直すきっかけに。
そして、ふと思いました。
「私は、20代のうちに海外MBAに行きたい」
・・・ということで、なんとか今年中の合格を叶えるため、爆速でIELTSの受験に挑みました。テスト受験のつもりで今年2月から1ヶ月半集中勉強して一度受けたら、ラッキーなことに目標スコア8.0を達成!(リスニング:8.5、リーディング:9.0、ライティング:7.0、スピーキング:8.0)

実際のスコア(2023年3月に受験)


今回は、その時に実施した勉強法についてまとめてみます。

IELTSとは?

IELTS(International English Language Testing System)は、米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、および英国を含む英語圏の国々に留学、就労または移住を希望する人々の英語力を測定する英語試験のことです。
4つの英語スキル(書く、読む、聞く、話す)をはかるテストとなっており、技能ごとに1〜9でスコアが示される形となります。
IELTS 8.0は海外の大学で講義を受けたり、専門的なディスカッションも行える英語力となりますので、準ネイティブレベルと言えます。
アメリカの大学院進学に必要なレベルが6.5〜7.0以上、イギリスの大学院進学に必要なレベルが7.0〜7.5以上と言われているので、IELTS 8.0があれば海外の一流大学の受験が可能です。

IELTSのスコアアップに必要な時間

一般的にはIELTSのスコアを0.5あげるためには、最低でも200~300時間の学習時間が必要とされています。
私自身は学生時代オーストラリアに留学する際に6.5を取得して以来数年間IELTSに触れずに過ごしてきたのですが、とにかく時間がなかったため短期間で試験に向けてチューニングするということを意識しました。
具体的な学習時間としては、1日あたり平均すると3-4時間程度。集中して勉強をしていたので、1ヶ月半で大体150時間程度の学習時間を投下した計算になります。

IELTSテスト対策のステップ

私はまず、試験の概要を改めて理解することと自分の実力を把握することから始めました。IELTSは下記4つのパートからなり、全体のスコアを最大限引き上げるには苦手な分野の底上げが重要になります。

  • ライティング (60分)

  • リーディング (60分)

  • リスニング (30分)

  • スピーキング (11~14分)

帰国子女以外が特に苦戦するのが、主にライティングとスピーキングかと思います。私自身も以前にIELTS試験を受けた際は、この二つが足を引っ張って苦戦しました。まずは模試を解いてみて自分のスコアを把握した上で、各パートごとのバランスが取れるように時間を投下するのが効果的でしょう。
私自身は対策を始めたタイミングではライティングとスピーキングが大体6.0程度の実力であったため、この2セクションの底上げを意識して対策を行いました。

IELTS 8.0をとるために利用した教材・サービス

私は主に下記の教材・サービスを利用して、IELTS Overall 8.0を取得しました。時間もお金もなかったため、特にその他の英語スクールなどは利用しませんでした。
なお、私は下記参考書やサービスの紹介は自分が使ったものを勝手におすすめしているので、アフィリエイトなどではありません。

①【音声ダウンロード付】IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集
:まずは全体的な実力の把握に利用。日本語で丁寧な解説があるので、とりかかりの一冊としてはおすすめです。

②IELTS Academic
:演習量をこなしたい時にピッタリ。私はこちらを何冊分か時間をはかって解きました。解説はついていないので、復習は自力で行う必要があります。

③システム英単語
:IELTSに特化した単語帳ではありませんが、語源や類義語などを紐付けて覚えられるのでおすすめです。単語は丸暗記ではなく絶対に語源・類義語などをもとに覚えた方が効率が良いです。私は大学受験時にこちらを利用していたので、復習という形で何周かしました。

④IELTS スピーキング・ライティング完全攻略
:スピーキング・ライティングのスコアを底上げするのに大変役立ちました。スピーキング・ライティングでよく使う頻出のフレーズは基本頭に入れてしまった方が効率よくスコアアップに繋がるので、まずはこの一冊をやり込むことがおすすめです。

⑤IELTS Speaking Masterclass
:Speakingを強化するために利用しました。Speaking試験でハイスコアを取得するためのストラテジーや実際の回答サンプルなどがたっぷり記載されています。だいぶ内容が多いので、私は基本的に内容にざっと目を通し、自分が使えそうな表現の部分をハイライトして使っていました。

⑥DMM英会話
:とにかく安くスピーキング練習の量をこなしたいということで、DMM英会話を選択しました。私は時間がなかったので、月額7900円で毎日1レッスンコースが受けられるスタンダードプランで集中的に対策をしました。こちらは1回25分のレッスンが255円で受けられるので非常にコスパが良いです。

⑦Fiverr
:とにかくたくさんライティングの量をこなしたいということで、格安で添削をしてくれる先生が見つかるFiverrを利用しました。
Fiverrはココナラのように、フリーランスで添削をしてくれる先生が見つかるプラットフォームです。
Writing Task 1は5$〜、Task2は10$〜で添削をしてくれるので相場から考えるとかなり格安だと思います。私はTask1, 2ともに7-8回程度は異なるトピックで添削を受け、フィードバックをもらいました。
「166円から」という言葉につられて初めはIDIYなども利用してみましたが、Task1は150Words以上、Task2は250Words以上の単語を書いて添削してもらうことを考えると正直圧倒的にコスパが悪かったです。

各セクションごとの対策方法

ここからは、各セクションごとに具体的な対策方法を記載していきます。

リーディング(9.0取得)

4つの技能の中で日本人が一番得意とすることが多いリーディング。非帰国子女がOverallで8.0を目指すのであれば、リーディングで8.5か9.0のスコアを取得できることが望ましいかと思います。
リーディング対策としては、「時間を測って対策する」ことと、「幅広い分野の英文を読む」ことに尽きるかと思います。IELTSのリーディングは英文を読むスピードを上げないと時間不足となり解ききるのが難しいです。

  • 幅広い分野の英文を読む

IELTSのリーディングでは、幅広い分野の英文が出題されます。心理学、生物学、考古学など、様々な研究内容についてのパッセージが登場するため、特に専門用語などがわからず苦戦することがあります。そこで、IELTS頻出の苦手分野については手厚く対策をした方が安心です。
私は文系出身で科学系のトピックが苦手であったため、集中してこの領域の文章を読むよう心がけました。SCIENTIFIC AMERICANDiscoverなどのサイトを活用すれば、無料で多くの記事を読むことができます。

  • 時間を測って対策する

私は効率よく解くために先に設問文を読み、大体の目星をつけてからリーディング本文に目を通すようにしていました。そして、問題を解くときは毎度時間を測って時間内にどこまで解き終わることができるか把握するように意識していました。
IELTSのリーディングは専門的な分野の内容が出題されるケースが多く、基礎となる単語力がないと太刀打ちが難しいです。理解できない単語が多くある場合は、まず単語帳を何周か回した方が効率的でしょう。

リスニング(8.5取得)

リスニング対策としては、「幅広いイントネーションの英語に耳を慣らす」ことと「学術的な英語トピックに慣れる」ことが鍵になります。

  • 幅広いイントネーションの英語に耳を慣らす

日本の英語教育はアメリカ英語が中心のため、イギリス・オーストラリアなどそれ以外の地域の英語に耳を慣らす必要があります。
私自身もイギリス英語は普段あまり聞き慣れていなかったので、毎日BBCのニュースやアメリカ英語以外のPodcastなどを聞いてできるだけ耳を慣らすようにしていました。
また、口から発せない言葉は聞き取れないため、IELTSのリスニング教材をシャドーウィングするのも非常に効果的です。私は聞き取れなかったパートを何度かシャドーウィングして、聞き取れるようになるまで繰り返していました。

  • 学術的な英語トピックに慣れる

IETLSのリスニングには幅広いトピックが出題されます。そこで、様々な分野の学術的な英語トピックを聞けるように耳を慣らすことが重要です。
私は通勤時間などにTED Talksで興味のあるトピックを字幕付きで視聴するようにしていました。聞き取れなかった箇所は巻き戻してシャドーウィングすることで、次回同じフレーズを耳にした時には確実に聞き取れるように心がけました。

ライティング(7.0取得)


社会人になってから数年間は英語のアカデミックライティングから離れていたので、4つの技能の中でライティングが一番苦戦しました。ライティングはスコアを伸ばすのにかなりの時間を要するので、できるだけ早く対策を開始することが重要です。
ライティングを攻略するには、「英語ライティングの型を覚える」・「定型文・フレーズを覚える」・「ネイティブに添削してもらう」という3点が重要です。

  • 英語ライティングの型を覚える

効率よくライティングのスコアを上げる上で、英語ライティングの型を覚えることは重要です。私はIntroduction、Body、Conclusionの順でわかりやすく明瞭な型に沿ってパラグラフ構成をし、簡潔に内容をまとめるよう意識して練習しました。
途中で迷子にならないよう、いきなり英文を書き出すよりもざっくり下書きでパラグラフごとにどのような内容を書くのかメモをとった上で実際に英文作成に取り掛かることがおすすめです。
私は実際の解答例が載っている参考書でライティングの型を頭にいれ、その型通りに英文を書くことを繰り返し行いました。

  • 定型文・フレーズを覚える

ライティングのスコアを上げる上では、定型文やフレーズを頭に叩き込むことも重要です。書き慣れていない単語やフレーズを利用するとミスの可能性が高まるため、よく使う表現はできる限り覚えてしまう方が効率的です。
私は「IELTS スピーキング・ライティング完全攻略」に出てくる基本的な表現をできる限り覚えるようにしていました。こちらの参考書の定型文やフレーズを網羅できると、かなり安定して6.0以上のスコアが取れるようになると思います。

  • ネイティブに添削してもらう

私は上述の通り、FiverrというプラットフォームでIELTS添削を専門にやっているネイティブの先生に添削をお願いしました。英語でのフィードバックのみで問題ない場合は格安に添削をしてもらえるのでおすすめです。(添削内容とフィードバックは下記のような感じ)

私は自分の実力を正しく把握するため、提出したライティングに対する予想スコアも毎回つけて返してもらうようにお願いしていました。
2-3人に添削依頼をしていましたが、もらったフィードバックに対して疑問があるときもチャットで質問をすると丁寧に返してくれる先生が多かったです。メルカリのように明瞭な評価システムがあるので、評価の高い先生はサービスも質が高いことが多いです。

スピーキング(8.0取得)

スピーキングのスコアを上げる上で、私は「毎日少しずつでも話す習慣を身につける」「作り話でもいいから自分の話しやすい内容を話す」「瞬発力を鍛える」の3点を意識して対策しました。

  • 毎日少しずつでも話す習慣を身につける

英会話は1週間に1回のペースでやっても正直あまり上達しません。間があくと前に学んだことを忘れてしまうため、短い時間だとしても毎日話すことが重要です。
私はDMM英会話の毎日25分コースでIELTSの質問を練習しました。私は練習量をこなしたかったため、ノンネイティブプランを選択。
IELTSの対策であれば、ネイティブでなくても十分練習になると思います。

  • 作り話でもいいから自分の話しやすい内容を話す

対策を始めた当初は、どのような質問に対しても真面目に本当の話をしようとして言葉に詰まることがありました。
IELTSはあくまで英語コミュニケーション力を測るための試験のため、内容のウソ・ホントは問われません。そこで、とにかく自分が英語で話しやすい表現を使える内容を作り上げて会話をするようにしました。
例えば、「地元のお祭りや文化について話して」という質問を受けた時は、愚直に自分の地元の話をするのではなく、日本の有名なお祭り(例えば祇園祭など)について英語で話せるように準備しておき、それをもとに回答しました。
このようにある程度対策をした内容に基づいて回答ができると、ハイスコアを取れる可能性が高まるのでおすすめです。

  • 瞬発力を鍛える

IELTSスピーキングはある程度想定回答を準備はできるものの、全く想定外の質問が問われることも多々あります。そこで、想定範囲外の質問に対しても最低限受け答えができるように瞬発力を鍛えておくことも重要です。
繰り返しになりますが、問われているのはあくまで「英語コミュニケーション力」です。ですので、思いもよらない質問に対して口ごもってしまうと面接官にマイナスの印象を与えてしまいます。
そこで、私はあえて自分が苦手そうなトピックを選んでDMM英会話で練習をしていました。その中で、パッと答えが浮かばない質問に対してもすぐに反応ができるように意識しました。
例えば、難しい質問に対して黙ってしまうのではなく、"That's an interesting question! I've never thought about it…" など、ひとまずは受け答えをしつつ、頭の中でどうにか回答を組み立てるという戦略をとっていました。
英語でのコミュニケーションに自信があることをアピールすることも重要になるので、困ったときに瞬発力を発揮できるよう対策を進めるのがおすすめです。

IELTS試験前・当日に意識したこと

IELTS試験前日と当日、私は下記の3点を意識しました。
①できるだけ早く寝る
②当日に糖分を摂取する
③時間に余裕を持って会場に着く

①できるだけ早く寝る

試験本番で全力を出すためには、前日に睡眠時間をしっかりと確保することが重要です。試験前までの頑張りを無駄にしないよう、前日は遅くまで勉強をするのではなく潔く早い時間に寝てしまいましょう。
私はIELTS試験前、普段よりも長めに8時間程度は睡眠時間をとるようにしました。

②当日にブドウ糖を摂取する

私は本番で全力を出すために、試験直前にブドウ糖の入ったラムネを摂取するようにしました。ブドウ糖は脳のエネルギー源となり、集中力を高めてくれるのでおすすめです。
ラムネ以外に、バナナやチョコレートなどにもブドウ糖が含まれているので試験前に摂取すると良いでしょう。

③時間に余裕を持って会場に着く

試験に集中するために、時間に余裕を持って会場に着くことも重要です。私は遅くとも集合時間の30分前までに試験会場に到着するようにしていました。もともと方向音痴ということもあり、試験ギリギリに会場に駆け込み焦った気持ちのまま試験に臨みたくなかったからです。
特に初めて行く会場の場合はその場に慣れる時間をとるためにも、時間に余裕を持ってIELTS試験会場に向かうことをおすすめします
ただ一点注意したいのが、IELTSは荷物を預けてから試験会場に入るという流れになっているので、一度荷物を預けると参考書などは見られなくなってしまうという点です。
早めに会場に到着しつつ、ギリギリまで勉強したい場合は近くのスペースを見つけて時間を潰してからチェックインの場所へ向かうようにしましょう。

非帰国子女の私が1ヶ月半でIELTS8.0を取得した方法まとめ

本記事では、非帰国子女の私が1.5ヶ月でIELTS Overall 8.0を取得した方法についてまとめました。
時間が限られていたため参考書や利用するサービスは絞りましたが、解いた問題に対してはきっちり復習をして対策をしたことで結果につながったと思います。
「IELTS受けてみようかな、でも対策不足で不安だな・・・」と思われている方も、一度えいやで受けてみて自分の実力を把握してみるのも一つの手かと思います。
私自身もMBAホルダーの先輩に「IELTSはなるべく早く一回受けてみて!」とおすすめされて恐る恐る受験したところ、ラッキーなことに一発でスコアを取得できました。
たとえ望むスコアが得られなかったとしても、4技能のうちどのパートを強化する必要があるかが把握できるので、PDCAを回す上で非常に有意義だと思います。

IELTS対策や、英語学習についてのご相談をゆるっと受け付けてみようと思います。気になる方はこちらのXアカウント(@kerokerofrog7)までDMしてみてください。


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