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しもつけ古今狂言会 〜郷土芸能と私展特別公演〜

しもつけ古今狂言会 
2023年3月18日(土)、天平の丘公園古民家夜明け前にて

狂言師・河田全休さんによる二つの創作狂言、
🔸星瓢の神(ほしべのしん)
🔸DOKYO理事長(どうきょうりじちょう)
上演されました✨✨

簡単にあらすじと感想を…

【星瓢の神】 ほしべのしん

舞台は下野市星宮神社。神楽はもちろん、風祭のかかし、大きなトトロも有名です。登場人物は星宮神社の氏子であるお百姓と、末社の神。百姓はお祭りでお金を納めたくないのでトトロ(の案山子)に扮しお留守を装います。そこへ末社の神がご祈祷をさぼって夜な夜なかんぴょうを盗み、さらにトトロのかかしをからかいます。怒った百姓に、末社の神は酒を振る舞っていく中で意気投合し、酒宴のなかで謡や舞を見せ合います。最後には末社の神が三番叟を舞って去ってゆきます。神さまと人間(百姓)が酒を酌み交わす、なんともめでたいおはなしでした😌

古民家という空間が、「夜」という独特の雰囲気をより一層匂わせており、夜の静かな星宮神社にワープしたような、不思議な気持ちになりました。

【DOKYO理事長】 どうきょうりじちょう

慌てふためくDOKYO氏

舞台は現代の下野市。無治医大の理事長として都から赴任したどうきょうさん。医大生から単位の見返りに賄賂を受け取るなど、懲りずに悪さを続けています。そんな時、コロナ感染病棟へ指定された事から、一転患者の対応に追われます。息抜きに薬草となるかんぴょうを植えようと畑に出ていたところ、にわかに空が暗くなり、激しい雷が鳴り始め、なんと鑑真の亡霊が現れます。彼はこの地は自分が日本にもたらした戒律、僧(医師)の認可を与える由緒の地だと述べ、どうきょうがかんぴょうを広め民衆を省みるならば、日本一の医師と認めようと約束します。喜んだどうきょうも後世までかんぴょうが豊かに実ることを約束して、再び天に帰ってゆきます。

下野薬師寺にゆかりのある僧侶「道鏡」をサラリーマン狂言に仕立てた作品でした。道鏡はネットで調べると、三大悪人と言われていた、と出てきますが…この脚本の執筆者の再履休さんは「本当に根っからの悪人だったのか?」と問いかけます。
狂言のもつ、人間の善いも悪いもぜんぶひっくるめて肯定し、包み込む懐の深さは、郷土芸能にも通じるところがありますね😉

狂言ワークショップ


最後にはワークショップで、狂言の「笑いの型」をみんなでやってみよう!ということで😁全休さんに合わせて、高らかに笑いました!あいにくの雨模様も吹き飛ばす笑いのエネルギーが、古民家の空間を満たしていました。
腹から声を出すって、気持ちいいですね✨ 
演技の中でやるのも良いけれど、こうやってみんなで声を合わせて笑うのは、また違った気持ち良さがありました。


最後に祝言としてめでたい謡。会場に来てくれた皆々様のしあわせを願う謡でした。めでたい気持ちで狂言会を終えることができました。

ご来場くださった皆さま、素敵な時間を共有できて嬉しかったです。ありがとうございました!

下野市をテーマにした創作狂言。これはもっと多くの方に見てもらいたい!と思いました。
ぜひ再演してほしい!!🥹

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