#12 カバー版「Let It Be」ができるまで
Let It Be(1970)
Two of Us / チューリップ(1976)
さあ、ついにLet It Be。リリース順だとAbbey Roadが先になるが、ビートルズマニアはレコーディング順でAbbey Roadを最後に置きたがる。ぼくもそのクチである。
Two of Usはジョンとポールの共作。ファンからの人気が高い曲でもあり、良いカバーがありそうだ。
……と思ったが、なかなかいい感じのカバーが見つからない。タイトルがタイトルなので、同一曲が多く、検索しにくいのも原因の一つである。
こうなれば、何度も登場してきた「チューリップ」のバージョンを選ぼう。
かなり原曲に忠実なカバー。でも、チューリップがやると、チューリップっぽく聞こえる不思議。
Dig a Pony / Dr.Sin(2010)
ジョンの楽曲。個人的にはこのアルバムの中でもかなり好きな曲。渋いカバーがあるといいな。
そしたらかっこいいのがありました。「Dr.Sin」のバージョン。
コーラスが綺麗で、演奏も安定している。Dr.Sinは、ブラジルのハードロックバンド。途中から曲調が大きく変化する展開を見せる。こういった工夫も面白い。
Across The Universe / Rufus Wainwright(2013)
ジョンの楽曲。美しいメロディで、カバーが多い。まずは「David Bowie」。
そして、ちょっと意外だが「Scorpions」。
さらに小野リサ。
さまざまなアーティストに好んでカバーされている、ミュージシャンウケの良い楽曲である。そんな数ある中で選ぶのはこちら。
アメリカの人気シンガーソングライター「Rufus Wainwright」のバージョンだ。後半につれてだんだん盛り上がっていく編曲が自然で、聴いていてグッとくる。そして、彼の声がこの曲によく合っていると思った。
これからの時代、この曲が聴き継がれていくための、重要なバージョンだと思う。
I Me Mine / The Bright Light The Bright Light Social Hour(2022)
ジョージの楽曲。ワルツとハードロックが繰り返される、かなり変わった曲。
選んだのは原曲とかなり雰囲気の違うこのバージョン。
面白くない?なんかクセになる。「The Bright Light The Bright Light Social Hour」はアメリカのサイケデリックロックバンド。
他にも「Sun King」の変わったバージョンを出していた。
Dig It / Sand, Water & Wind(2013)
厄介な曲。ジャムが一部入っているって感じの曲なんで、これをカバーするのはトリビュートバンドくらいかな。
と思ったら、なんかかっこいいジャズのカバーがあった。
すごい、Dig It、こんなかっこよくなるんだ!めちゃかっこいいカバ0だけど「Sand, Water & Wind」が何者なのかは不明。
Let It Be / Connie Talbot(2012)
ポールの超有名など名曲。もちろん、カバー曲が大量にある。今っぽいバージョンを選びたい。
大量にある中から選ぶのが大変だと思ったが、すぐ決まった。これしかない。「Connie Talbot」のバージョンだ。
透明感のある歌声。Let It Beをジャズアレンジしたものも、ロックアレンジしたものもカバーは無数にある。それはそうだ。いい曲はどうアレンジしてもいいからだ。だからこそ、このシンプルな編曲で素晴らしいこのバージョンに価値があると思う。
Connie Talbotは、イギリスで放映されているタレント発掘の公開オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」に6歳で出場。そこで一躍有名になった。
ライブ版もすばらしいの是非。
Maggie Mae / Operação Tequila(2009)
これも厄介なやつ。民謡なんだよね。これ。これをビートルズのカバーというのは、いるのかな。40秒だよ、曲……。
そしたら、すごいのがあった!
まさかの初期のビートルズっぽくカバーしてるやつがあった。まるで「I Saw Her Standing There」みたい。これはこれでかっこいいぞ!!救われた。
歌っている「Operação Tequila」についての詳細は不明。
I've Got a Feeling / Leonardo Simas(2022)
主にポールの曲。中間部分だけジョンが書いている。個人的にはこのアルバムで1、2を争う好きな曲。めちゃくちゃかっこいい曲と思っている。
この曲だが、ビートルズファンにはお馴染みのビリー・プレストンもカバーしている。好きだったんだな。
で、ぼくが選んだのは「Leonardo Simas」のバージョン。
冒頭からかっこいいし、全体を通じてアレンジもいい。いかにも人気アーティストっぽいけど、Spotifyのトップ画面はこんな感じ。
今月のリスナー10人。まさかの10人かよ。ぜひみんなで聴いてあげましょう。かっこいいよ。
One After 909 / The Egrets(2015)
初期に作っていた作品を改めて演奏し直して録音したもの。ビリー・プレストンがとってもよくハマってる曲だと思う。
意外と疾走感を守った状態でカバーしているものが少なく、貴重なロック調のアレンジである「The Egrets」のバージョンを採用。The Egretsに関しては、どんなアーティストなのか不明。
The Long and Winding Road / Olivia Newton-John(1976)
こちらもポールのど名曲。あれこれアレンジしているものではなく、直球で歌い上げている作品を選んでいく。
その観点で言えば「Olivia Newton-John」が最高。
大御所は、やっぱりさすが。
透き通るような歌声でしっとりと歌い上げている。やっぱり女性ボーカリストが歌うと、メロディーの良さがより際立つ(ような気がする)
For You Blue / Los Durabeat(2005)
ジョージの楽曲。カバー曲は少なそうだなと思っていた通り、かなりカバーは少なかった。少ない中で選んだのは「Los Durabeat」のバージョン。
よりブルースロック感が強くなり、原曲にはない電子オルガンの音が足されている。原曲とはテイストが違う感じだが、自然に聴ける。
「Los Durabeat」の詳細は不明。
でも、Twitterは見つけた。
Get Back / Status Quo(1996)
さあ、いよいよLet It Beもラストの曲である。超有名曲のGet Back。どんなカバーがあるのだろうか。
まずはロッド・スチュワートのバージョン。
で、選んだのは「Status Quo」のバージョン。
原曲と多少アレンジが違っているが、テンポは原曲に近い。自分らしいサウンドで真っ向から「Get Back」と向き合っている感じがよかった。自然にノれるカバー。
Status Quoはイングランドのロックバンド。ブギーロックの代表的な存在として、イングランドでは重鎮的な存在になっているそうだ。全然知らなかった。60年代から活躍し続けているそうだ。
というわけで、カバー版「Let It Be」も完成。
さあ、残るは「Abbey Road」だ。これはオレとオレの戦いだ。最後まで書き続けろ。Keep on Rockin'
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