#2 カバー版「With The Beatles」ができるまで
With The Beatles(1963)
It Won't Be Long / The Quick(1976)
初期ビートルズらしい「Yeah!」の掛け合いが楽しい1曲。最後の「Wooo~~~」まで、とにかく初期ビートルズらしさがつまってる。でも、カバーするアーティストは少なそう……。面白いカバーはあるのだろうか。
そんな中で見つけたのが「The Quick」というバンドのバージョン。
ロサンゼルスを中心に活躍していたパワーポップバンドとのこと。70年代なのか。癖になりそうな、面白いカバー。
All I've Got To Do / John Tabacco(2019)
この曲は、ぼくがこのアルバムの中でもかなり好きな楽曲。なんとなく、ミュージシャン受けも良さそうなので、カバーはたくさんありそう。
やっぱり、めちゃめちゃあった。なんとなくカバーが多い楽曲がわかってきたぞ。面白いのないかな。直感で「いいなぁ!」ってやつを選ぶぞ。
……と思ったけど、いいのがめっちゃいっぱいある!いくつか紹介していい??
まずは「Pasajeros del Malaysia Airlines」のバージョン。
南国風で面白くない??なにこれ。レゲエグループとのことだが、詳細は不明。リリースは2020年。聴いているこっちがわくわくしてくる。ビートリーな雰囲気もちゃんとある。間奏も最高だな〜。
もうひとつ。「Donna Deussen / Tom Rizzo」のバージョン。ジャズのユニットなのだそう。
これも、これまでにはないアレンジで面白い。いい曲だなあと改めて思わせる。後半の盛り上がりが、原曲とも被る。アプローチは全然違うけど。なんと、この音源はリリースされたばかり。2022年4月リリース。最近、ビートルズをカバーするの流行ってる??
で、もっとも心惹かれたのは「John Tabacco」というアーティストのバージョン。
独特のテンポでなんかかっこいい。ジャンルは何て言ったらいいのかわからないが。2019年の音源。
彼のサイトに行って、記述を翻訳してみると「アメリカの作曲家、シンガーソングライター、エンジニア、マルチインストゥルメンタリスト、グラフィックアーティストです。」という表記があった。
ビートルズをきっかけに、謎のアメリカ人に思いを馳せるのも面白い。
All My Loving / Los Manolos(1992)
超人気のど名曲がきました。おそらく、カバーも数えきれないほどあるでしょう。選ぶのが大変そう。
……。
もう、それはそれはそれはそれは。さまざまなジャンル、さまざまなカバーがあった。でもなんか、想像つくというか。この曲、メロディが美しいから。アコースティックにしたり、ムーディにしたりできるんだよね。
その中で、とくに「なんだこれは!!」と感動したものでいうと、スペインの音楽グループ「Los Manolos」のバージョンかなぁ、と。
「All My Loving」って、こんなにラテンのリズムにビタッとハマるのかと思って驚きました。なんかビールのCMソングっぽいな。めっちゃいい。楽しい。これ好き。実際にこのバージョンはよくヒットしたそう。
ちなみに我らが日本から、山﨑まさよしがカバーしているのを聴いたことがある。これもいいよね。
山﨑まさよしは、ポール・マッカートニーの前で「All My Loving」を披露している。
ポールは山﨑まさよしのおそらくアレンジした部分を「ミスしてるから気をつけて」と指摘するシーンがあった。なんとも言えない緊張感がクセになる動画なので、YouTubeで探してみてね。
Don't Bother Me / Randy Bachman(2018)
うわ〜〜〜。これ、どうなんだろう。なさそう〜。ジョージ、初のオリジナル楽曲。いいのあるかなあ。
探してみると、「Don't Bother Me」という楽曲は多い。「気にせんとって」とか、そんな意味だもんね。この曲のカバーがなかなか見つからない。
「ただカバーしているだけでなく、個性的な良質のカバーを……」
そうやってまず見つけたのが「Ringo Ska」のバージョン。
Ringo Skaは、ビートルズのスカカバーバンドなのだそう。そんなものがあるのか。他にも、さまざまな楽曲をスカカバーしていた。
「Hey Jude」のスカ版もあった。スカな気分の時は、サブスクで検索してみるのもありかも。
でも、ここで1番に推したいのは「Randy Bachman」のバージョン。
Don't Bother Me、こんなにかっこよくなるの!??カナダのロックアーティストとのこと。この曲の新たな魅力を見つけられて嬉しい。
Little Child / Iamcu Students(2014)
曲名!!んもう、曲名!!
こういう曲名だったら、いつまで経ってもカバー曲が見つからないのよ。は〜……。もうこれは、すぐに「beatles」を加えて検索しちゃう。
すると、案外すぐ見つかって「いい!」と思ったのが「Iamcu Students」のバージョン。
Iamcu Studentsは「Without The Beatles」というタイトルで、なぜか「With The Beatles」全曲をカバーしたアルバムを発売していた。Spotifyのラインナップは、このアルバム1枚で、詳細不明のバンドだった。
Till There Was You / Enric Carreras(2021)
これはカバー曲なので、ビートルズバージョンに影響を受けていそうな楽曲を選んでみる。
するとまああるわあるわ。Till There Was Youの山。さすがスタンダードナンバーである。これは、どれがビートルズの影響なんてわからないぞ。
そんな中で出会ったのが「Enric Carreras」のバージョン。
これはジャケットがアビーロードだし、確実にビートルズの影響を受けているアーティストなはず!そして、この個性的なカバー。かっこいい。
詳細は不明だが、2021年にリリースされた音源である。
Please Mister Postman / Boobie Trap(2013)
これもまさにビートルズを代表する名カバー。原曲のThe Marvelettesのバージョンを聴くと、ビートルズのこのカバーは天才なんじゃないかと思う。なんてかっこいい、カバーなんだろう。
この影響を受けた、かっこいいカバーを見つけたいところ。あるかなあ。有名なのはカーペンターズのもの。
でも、これは有名すぎるし、挙げたくないよねえ。絶対ビートルズのバージョンの影響を受けているトラックではあるんだけど。
できれば、ビートルズと同じように、男性が歌っているものがいいな。元はガールズグループなわけだし。そこで見つかったのが、日本の3ピースバンド「Boobie Trap」のバージョン。
パンク風、勢いあっていいぞ。ついでに前川清のバージョンも発見。
伸びやかな歌声が素晴らしい。あまり存在感がなかった、日本人カバー。この曲人気だ。プレイリストには、より個性のある「Boobie Trap」のバージョンを採用。
Roll Over Beethoven / Electric Light Orchestra(1973)
こちらも超有名なスタンダードロックナンバー。数えきれないくらい、カバーがありそうだ。やっぱり、ベートーベンをより遠くまでロールオーバーできそうなバージョンを選びたい。
探し始めてすぐ、有名な「Electric Light Orchestra」のバージョンを聴く。いやー、やっぱこれはかっこいい。
いやー、やっぱこれだな。これにしよ。ついでに、内田裕也のバージョンも見つけた。日本語の「ロール・オーバー・ベートーベン」。これもよい。
Hold Me Tight / Kingdom of Love(2019)
また、これも曲名!!こんな曲名だったら、いくらでも出てきてしまう。なんなら、ビートルズ解散後のポール・マッカートニーのバンド「Wings」でも同名の曲があるレベル。これもまた、カバーを探すのが難しそう。
さっそく「beatles」の語句を追加して検索。でも、ビートルズの音源そのままという感じで、あまり面白味がない。
すると、見つかったのが「Kingdom of Love」のバージョン。
しっとりと歌い上げるこのバージョンはなかなかよい。
バンドの詳細は、あれこれ調べたけど、全然わからなかった……。こういうのが多い。世の中には、星の数ほどのミュージシャンがいるんだなぁ。
You Really Got A Hold On Me / Terrovision(2005)
これもスタンダードナンバー。初期はカバー曲が多いので、探すのが大変だわ。結構、ロックアーティストにカバーされているイメージなので、純粋にかっこいいと思ったものを選ぼう。
とにかくこの楽曲はビッグネームのカバーが多い。まずはMichael Jackson。
そして、Phil Collins。
さらに、Rod Stewart。
どれもかっこいいけれど、せっかくならもっとヘビーなものを選びたい。そこで選ぶのが「Terrovision」のバージョン。
1987年に結成された、イングリッシュロックバンドとのこと。2001年に解散。他にもポール・マッカートニーが解散後に発表した「Coming Up」のカバーも発見。
かなりヘビーにカバーしており、こちらもかっこよい。別の曲みたいだけど……。
I Wanna Be Your Man / The Bootels(2015)
これもややこしくて、ビートルズのオリジナル曲だけど、ローリング・ストーンズのシングル曲でもあるという。ああ、ややこしい。
これから見つける曲は、ローリング・ストーンズのカバーなの?ビートルズのカバーなの……?まあ、聴きながら判断していくか。
そして、この曲もまあ同名の曲が多いこと。なかなか、カバーの「I Wanna Be Your Man」が見つからない。見つけても、ストレートなロックのカバーが多くて、いいんだけど、面白さが今ひとつ。いいのないかなぁ。
その中で「いいかも」と思ったのが「The Bootels」のバージョン。
どうやら、ポーランドのビートルズのトリビュートバンドのようで、キャバーンクラブでも演奏した経験を持つとのこと。日本のトリビュートバンドが、原曲に忠実に演奏する一方、海外のビートルズトリビュートバンドは個性があって面白い。
ちょっぴりヘビーなサウンドでビートルズをカバーするのが得意なようです。音はちょっぴりメタルっぽい?かっこいい。好きだわ。
Devil in Her Heart / Suburban Skies(2012)
これもカバー曲〜〜。でも、多分マニアックな曲だから、カバーしているバンドはビートルズ意識だとは思う。
まず目についたのは、日本語詞で歌っている「AOEQ」のバージョン。
真心ブラザーズのYO-KINGと、音楽プロデューサーでありストリートカルチャーの牽引者・藤原ヒロシによるスペシャルユニットとのこと。2012年にリリースした「think」の中でカバーしている。ただ、このプレイリストに入れるのなら、もう一歩サウンド面での面白さが欲しいと思い、保留。
そこで出会ったのが「Suburban Skies」の斬新なこれ。
Suburban Skiesはビートルズのトリビュートバンドで、ほかにもさまざまなビートルズカバー曲がある。
しかし、どれも原曲とは異なっており、面白い。海外のトリビュートバンド、沼だなこれ。
Not a Second Time / Hayley Sanderson(2009)
ジョンがリードボーカル。マイナー楽曲で、あまりカバーをしている人を見たことがないが、どうだろう。
と思ったら、めっちゃカバーされてました。やっぱりビートルズすごい。そして、どれもけっこうかっこいい。
まず見つけたのはイギリスのバンド「Pretenders」のバージョン。
これもいいんだけど、もう少しサウンドにオリジナリティがあるものがいい。そこで、ちょっと個性があって面白かったのが「Robert Palmer」というアーティストのバージョン。
かっこいい。これをプレイリストに入れようと決めかけた時。
見つけたのがこれ。なんだこれは!!この方の名前は「Hayley Sanderson」。イギリスのシンガー、ソングライター、サックス奏者なのだそう。誰。でも、めっちゃいい。美しい曲だな「Not a Second Time」。
Money (That's What I Want) / Ringo Starr(2019)
さあ、カバー曲です。こちらもカバー曲がめちゃめちゃ多そうなスタンダードナンバーです。選ぶのが大変そう。
……と思ったら、最近リンゴ・スターがカバーしているものを見つけた。
スタンダードすぎて、ビートルズの影響なのかどうかもわかりにくいし、リンゴさまが降臨となれば、これでいくか。
このアルバムはジョン・レノンの「Grow Old With Me」のカバーも良すぎて話題に。置いとくね。
きっとジョンが生きてても誉めてくれそうな、非常に良いカバーだと思う。
さあ、というわけで「With The Beatles」のカバー版もできた。
もう10000字超えてるんだけど。俺の2022年のゴールデンウィーク、このnoteに消えそう。選曲しながら書くの大変だけど、楽しい。
続き↓
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