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#1 カバー版「Please Please Me」ができるまで

Please Please Me(1962)

I Saw Her Standing There / The Ramparts Rebel(2019)

疾走感を重要視。勢いのあるロックに昇華しているものを選びたい。「Rich Chambers」のバージョンと「The Ramparts Rebel」のバージョンで悩む…。

迷ったが、勢いのある演奏の「The Ramparts Rebel」を選んでみよう。このバージョン、かっこいい!!2019年に発表されている音源。2019年に1962年の曲がカバーされるって、なんかすごいよね。


Misery / LUV-ENDERS(2017)

いきなり全然カバー曲が見つからなくて困る。そうか、やっぱりこういうのはあんまりないか。「Misery」というタイトルの楽曲を片っ端から聴いていく。多いぜ。

あれこれ聴いていくと、切り裂くようにはじまった明るい「Misery」。

なんだこれは!!めっちゃいいぞ。ガールズバンドかな。

これ以上の「Misery」に出会える気がせず、即決。「LUV-ENDERS」というグループだった。2017年発表のアルバムの1曲目を飾っている。素晴らしい!聴いてみて。


Anna (Go To Him) / KondouMasahito(2021)

こちらは原曲もカバー。明らかにビートルズバージョンから影響を受けたと思われるカバーを探していく。

見つかるのは見つかるのだが、ビートルズの「まんま」って感じで、個性のあるカバーがなかなか見つからない。せっかく取り上げるなら、何か個性のあるものがいいのだが。

そうこうしているうちになんか変わった「Anna」を見つけた。「KondoMasahito」だって。なんと日本人じゃないか。なんかプカプカ浮遊感のある変わった「Anna」だ。

しかも聞いてみると、最初を「アンナ」じゃなくて「シーグア!」みたいなこと言ってる。なんて歌ってるんだ?でもよい。非常に良い。Spotifyのリスナーは7人だった。こういうアーティストにビートルズで出会えるのは嬉しい。しかも昨年の音源だった。

Chains / The Beatles Revival Band(1994)

こちらも原曲がカバー。明らかにビートルズバージョンから影響を受けたと思われるカバーを探していく。

これは難しい。全然見つからない。「Chains」という名前の曲を片っ端から聴いていく。

……。

だめだ。見つからない。最後の手段。

「beatles」を加えて検索してみる。これで「The Beatles」のカバー版の「Chains」が見つかりやすくなる。

ただ、アルバム名やバンド名に「Beatles」の名が入っているものになってしまうので、あまりクオリティは期待できない。なるべく使いたくない手段なのだ。楽曲はしっかり聴いて、吟味する必要がある。

いろいろ聴いて「いいな」と思ったのは「The Beatles Revival Band」という、なんとも選びたくない名前のバンドの「Chains」だ。こういうバンド名でリリースしている謎音源が、世界中にたくさんある。

ただ、このバンドはとってもクオリティが高いと思う。

ほかのカバー曲もカッコよかった。

一度、ライブを聴いてみたいと思った。しかし、バンド名がバンド名だけに信用できない。いつも同じメンバーなのだろうか。


Boys / The Two of Us(2006)

こちらも原曲がカバー。明らかにビートルズバージョンから影響を受けたと思われるカバーを探していく。

ただこれ、タイトルが「Boys」なので、キッツイ。めちゃめちゃ曲があるわ。浜崎あゆみとか、ダンスダンスレボリューションで聴いたことある曲まで出てきた。

だめだ。ギブアップ。「beatles」を加えて検索。「The Two of Us」という、いかにもビートルズコピーユニットのようなものが見つかった。アコースティックでカバーしている分、多少面白みはある。

なかなかきついジャケットだ。「With The Beatles」も「A Hard Day's Night」も全曲カバーしているようなので、今後もどうにもならないときはお世話になるかもしれない。

Ask Me Why / Rangzen(2000)

やっとオリジナル曲だ。この曲は、そこそこ人気もあるのでいいカバーが見つかりそうな気がする。

いろいろ探していると、イタリアのビートルズカバーバンド「Rangzen」と出会った。

ビートルズのバージョンと大差はなく、あまり面白みはないが、ハーモニーがきれいなので選んでみた。他にもいろんな曲をカバーしているので、興味のある方は聞いてみては。「I've Got A Feeling」とかよかった。

※いま、この時点で2000字書いているらしい。この記事どうなるんだ。やばいものに手を出してしまった。


Please Please Me / Krister Classon Band(2021)

さあ、ビートルズ最初のヒット曲と言ってよい「Please Please Me」。この曲がイギリスでヒットすることから、ビートルズは売れ始めます。きっとかっこいいカバー曲があるはず。

……と思ったら、こちらもなかなかカバー曲が見当たらない。意外と少ないのか。すると、2021年に出たこんな音源を発見。

 「Krister Classon Band」という詳細は不明のバンドだが、演奏も安定していて、ハーモニーも綺麗だ。ほかにもたくさんのビートルズ楽曲をカバーしている。なかなかかっこいいので、よかったら聴いてみて。


Love Me Do / Sandie Shaw(1969)

ビートルズのデビューシングル。歴史的だし、シングル曲だし、きっとカバー曲はたくさんあるはず。

そんな中で「これだ」というものが見つかった。「Sandy Shaw」というイギリスのポップシンガーのバージョンだ。1969年に発表された音源ということだが、とってもかっこいい!

Sandy Shawはイギリスでは、60年代後半に英国を代表するポップシンガーとして活躍されていたそう。調べてみると、MBE勲章まで受けていた。あれ、もしかしてこの音源、めっちゃ有名なんかな……?

P.S. I Love You / Backbeat Original Cast(2012)

こちらもオリジナル楽曲。人気もそこそこある曲なので、カバーもあるような気がする。女性シンガーに合いそうな気がするから、女性がカバーしているバージョンを選びたいな。

……と思ったが、なかなか見つからない。「beatles」を加えて検索してみる。そうやって見つけたのが「Backbeat The Musical」のサウンドトラックのバージョンの「P.S. I Love You」だ。

イントロがドキッとして印象的だ。かっこいい。期待していた女性ボーカルではないけど。

「Back Beat」はビートルズを題材にした有名な映画だが、まさかミュージカルが上演されていたとは。知らなかったことがどんどん発覚して、なかなか面白い。

Baby It's You / Carpenters(1970)

原曲がカバー。明らかにビートルズバージョンから影響を受けたと思われるカバーを探していく。これは苦戦しそうな気がする……。

……と思いましたが、カーペンターズがカバーしていたのを忘れていました。カーペンターズはビートルズの影響で間違いない……でしょ?

有名でしょうが、これは外せないかな。美しいトラック。いい声、いい曲。


Do You Want To Know A Secret / Mathilda Homer(2020)

オリジナル楽曲ですが、これも苦戦しそう。「Do You Want To Know A Secret」をカバーするって、どういう心境なんだろう。コピーバンドしかいないかも……。

とか思ったら、めっちゃあった。全然予想できないな、これ。ミュージシャン受けする楽曲って、あるね。いいカバーがたくさん。

その中で「かっこいい」と思ったのが、「Mathilda Homer」のバージョン。

どこの国の方なのかわからないんだけど、ハマっちゃいそう。なんだこれは。めちゃめちゃ新しい魅力を見つけている。いいねえ〜。新しいビートルズカバー、好き。


A Taste of Honey / Rich Wetzel & Groovin Higher(2018)

これもカバー曲です。これも苦戦しそうだなあ。明らかにビートルズバージョンから影響を受けたと思われるカバーを探していきますが……。スタンダードナンバーだから、難しいよなこの曲は……。ロック色の強いカバーを選ぶことにはなるかな。

やはりカバー元の原曲に寄せているものが多くて困りましたが、どちらにも似ていないかっこいいバージョンを見つけました。

これも詳細は不明だが「Rich Wetzel & Groovin Higher」という名義で出されている音源。ビートルズのバージョンとはまったく違うアプローチの「A Taste Of Honey」で面白い。


There's A Place / Leftover Cuties(2020)

これはオリジナル曲ですが、カバーしてる人なんて見たことがない。ビートルズマニアの中でも、ほとんど話題に上がらない曲のひとつなんじゃないかな。これも苦戦しそう。でも、さっきからこういう楽曲が意外とカバーされてるんだよな……。

なかなかカバーが見つからない中で見つけたのが「Leftover Cuties」というバンドのバージョン。

ジャズっぽくて、めっちゃおしゃれ。こういうカバーはいいね。古い音源にも聞こえる年齢不詳な感じの音源だが、2020年だそう。新しいカバー多いなぁ。

Twist and Shout / The Rabeats(2010)

これもカバー曲。明らかにビートルズバージョンから影響を受けたと思われるカバーを探していこう。人気曲なんでたくさん見つかりそう。やっぱりこの曲は、ビートルズを継承して、さらにハードにカバーしているものを選びたい。「かっこいい!!」て笑えるやつ。原曲のジョン以上に弾けてるのないかな〜。

……ないなぁ。なかなか原曲のジョンほど弾けているものがない。いかに原曲のバージョンが優れているか、思い知らされる。なんかおしゃれな雰囲気のカバーが多い気がする。ビートルズファンからすると、この曲は弾けてナンボなのでは。違う??嫌なことふっとばしてくれるような、ロックがいい!

でもそういう激しめのカバーは見つからない。単純にかっこいいと思うものを選ぼう。でも迷う……。

と思ったら、いい感じにラウドにカバーしてくれてるやつがあった。

「The Rabeats」はフランスのビートルズのトリビュートバンド。トリビュートバンドだが、音は結構今風な聴きやすいサウンド。いいね!

また「Twist and Shout」はライブでカバーすることが多いようで、有名どころでThe WhoとBruce Springsteenのバージョンも見つけたので、置いておく。どちらもかっこいい。

ということで、カバー版「Please Please Me」の完成!プレイリストはこちら。

なかなか面白いアルバムになった。ふつうに普段ちょくちょく聴きそう。この企画、自分のためにも面白い。

とはいえ、これまででもう5000字くらいいってる。大丈夫かな……


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