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#6 カバー版「Rubber Soul」ができるまで

Rubber Soul(1965)

Drive My Car / From "Butchering the Beatles"(2006)

超有名曲であり、カバー曲も多そうな楽曲。この曲のクールさをより引き立てるようなカバーと出会いたい。

検索してみると、さまざまな方向性のカバーを見つけた。まずかっこいいと思ったのはファンクバンドの「Black Heat」のバージョン。

次に面白いと思ったのは「Willy Chrino」のバージョン。

こういうのもアリなのか!めっちゃいい。Willy Chirinoはグラミー賞受賞歴もある、キューバ系アメリカ人のアーティスト。ジャンルとしては、ラテンとかサルサになるそう。面白いな。

スウィング・ジャズ・クィンテットの「Sugarpie and The Candymen」のバージョンも良かった。

どれもかっこいいんだけど、やっぱりぼくはジャンル分けで言うと「ロック」の曲を選びたい。とくにDrive My Carは。

そこで候補に上がったのが、日本のロックバンド「SPARKS GO GO」のバージョン。

とってもかっこいいが、ちょっとスロー。これはこれでいいんだけど、スピード感も原曲っぽい、ロックなカバーないかなあ。

そこで見つけたのがコンピレーション盤「Butchering The Beatles」のバージョンだ。

「Butchering The Beatles」は、HR/HMのミュージシャンが50名ほど参加した、ザ・ビートルズのトリビュート・アルバム。Drive My Carのメンバーは以下の通り。

Kip Winger (Winger), vox
Bruce Kulick (Kiss / Grand Funk), guitar
Tony Franklin (The Firm / Whitesnake), bass
Aynsley Dunbar (Whitesnake / Journey), drums


Norwegian Wood (This Bird Has Flown) / akiko(2009)

ジョンの名曲。数々のカバーがあるであろう楽曲だ。

まず「いいなあ」と思ったのは「Herbie Hancock」のジャズカバー。

めっちゃかっこいい。他にもジャズ風のカバーが多かった。また、インストゥルメンタルのカバーも多かったように思う。でも、やっぱり歌が入ったものがいいなあと思って、聴いて回っていたところ、面白いカバーがあった。

ジャズシンガー「akiko」のバージョンだ。ジャズらしいジャズのカバーが多い中、このカバーは異彩を放っており、引き込まれた。

You Won't See Me / Bryan Ferry(1973)

ポールの楽曲。実はそこそこ、ファンからも人気があるような気がする。カバー曲もそこそこありそう。

まず気になったのは「Anne Murray」のバージョン。

原曲の雰囲気はそのままに、カントリーポップに仕上げた良いカバーバージョンなのだが、個人的にはイギリスのロックシンガー「Bryan Ferry」のバージョンが好みだった。

なんというか、こっちの方がノれるという単純な理由なのだが。かっこよくない?

Nowhere Man / low(2005)

ファンからの人気が高い、超有名曲。ビートルズのカバーバンドは、この曲の上手さで決まると言っても良いのではないか。

まず目に留まったのは、カーペンターズのバージョン。

メロディの美しさをあらためて実感するバージョンだが、やっぱりこの曲はコーラスが美しいものを選びたいな。

コーラスで選ぼうと決め、目に留まったのが「M.P.B」の美しいアンプラグドバージョン。

コーラスありつつの、アレンジが面白いと思ったのは「Low」のバージョン。

女性が歌うNowhere Manもいいね。新しい魅力を引き出している気がする。Lowはミネソタ州のインディロックバンド。

ジャケットがTwitterみたいなのが気になるけど。どうでもいいか。これをプレイリストに採用しよう。

普段の曲はこんな感じ。

こういう感じのバンドも、ビートルズをカバーしているのだから、本当にビートルズってすごいね。

Think For Yourself / Molly Maher and Her Disbelievers(2012)

ジョージの楽曲。これはあまり話題に上る曲ではないので、カバーは少なそうな気がする……。

検索してみたところ、やはりカバーは少ない。その中でもいくつか、いいなと思うカバーを見つけた。

まずはアメリカのプログレッシブブルーグラスグループ「Yonder Mountain Strings Band」のバージョン。

さっき紹介した、Twitterみたいなアイコンのコンピレーション版に収録されているバージョン。ビートルズとカントリー、相性いいな。

それよりも個人的に「いい」と思ったのは「Molly Maher and Her Disbelievers」のバージョン。

とってもかっこいいし、創意工夫あふれるカバー。間奏もかっこいい。ただ「Molly Maher and Her Disbelievers」というバンドの詳細については、YouTubeチャンネルなどはあるものの謎。

The Word / The Weeklings(2020)

ジョンの楽曲。ビートルズのトリビュートバンドに人気のある楽曲……のような気がする。トリビュートバンド以外のを選びたいなぁ。

とか思ってたら「The Weeklings」のバージョンを発見して大歓喜。

かっこよすぎるでしょ!!音源のクールさの割に、メンバーがおじいちゃんでびっくり。

The Weeklingsはアメリカのロックバンドで、他にもビートルズのカバーを披露している。オリジナル曲もビートルズっぽい。

いいバンドが知られて嬉しい。コーラスがいいなぁ。

Michelle / Bob Thomas & Sawa(2014)

ポールが書いた、超名曲。これもメロディが美しく、さまざまなジャンルにカバーがしやすそうである。この曲も非常にカバーが多い楽曲である。

とくに多いのはピアノソロやジャズなどのインストゥルメンタル。たしかに美しい楽曲なので、そういったバージョンが多くなるのはよくわかる。 たとえばこんな感じ。

歌入りの選曲に相応しいバージョンを探していく。

あー、だめだ!!めちゃめちゃある。そして、めちゃ迷う。そもそも、歌入のカバーが少ない。

ほんで、この曲、美しすぎて眠い。これまでの疲れもあってか、試聴をしながら、何度か意識を失った。そんな中、ようやく見つけた「これ!」というカバー。

おしゃれ。原曲の魅力を生かしつつ、また新たな魅力も生まれている気がする。

「Bob Thomas & Sawa」
のバージョン。またしても「チルアウト」という言葉の入った、ビートルズのコンピレーションアルバムだ。いやー、今回はめちゃ迷った。Michelleだけで40分くらい使った。

What Goes On / Sufjan Stevens(2005)

リンゴがボーカルの楽曲。これはカバーが少なそうなマイナー曲だが、どうだろうか。いいのあるかな。

するとすぐにいいやつがあった。「Sufjan Stevens」のバージョン。

そもそも、What Goes Onという楽曲にここまで高いモチベーションで臨んでくれたことに感謝したい。

Sufjan Stevensは、アメリカのシンガーソングライター。このカバーバージョンに関しては、「What Goes On」の日本語版Wikipediaにも以下のような記述がある。

ピッチフォークのロブ・ミッチャムは「スターの酷いカントリー・チューンを、ストリングスや骨太なジャムなどを備えたイリノイ州のフル・メーカー・バンドのためにアレンジした本当に素晴らしいスフィアン・スティーヴンスの楽曲に仕上げた」と評している。

それほど、由緒正しきカバーというわけか。納得である。そして、ここにきてWikipdediaには、著名なカバーバージョンについて、一通り記載があることに気づく。今後は一応、チェックしてみよう。今更だけど。

Girl / DJ Style feat. KSS(2012)

ジョンの楽曲。ファンに人気の高い名曲で、カバー曲も多そう。こちらも同一曲が著しく多そうなので、「beatles」付きで検索する。

まずはまた、あのTwitterの鳥みたいなジャケットのアルバムから。このアルバム、めっちゃいいな。「Rhett Miller」バージョン。

素晴らしいトラックですが、いろいろ見ると、個性的なトラックを発見。そちらをプレイリストには選択しようかと思う。

「Tango & Beatles」というコンピレーションアルバムに入っているバージョンである。思いもよらないサウンドのカバーで、これはこれで面白い!

I'm Looking Through You / Lucy Kaplansky(2012)

ポールの楽曲。美しいメロディであり、さまざまなカバーバージョンの存在が予想される。せっかくなら、また新たな魅力を持ったものを選んでみたい。

まず気になったのは「Major Bedhead」のこのバージョン。

ただちょっと変わりすぎてて、原曲の明るい感じがなさすぎるかな。面白いんだけど。

そこでピックアップしたのが、アメリカのフォークシンガー「Lucy Kaplansky」のバージョン。

いい感じに力が抜けていて、とっても聴きやすい。暮らしに馴染む「I'm Looking Through You」。

In My Life / Madison Cunningham(2020)

超がつくど名曲。カバーも数えきれないほどあると思うが、なるべく現代っぽいカバーを選ぼうと思う。ただ、記事中ではいろんなテイストのカバーも紹介したい。

ちょっと先に有名どころを。オジー・オズボーンがカバーしているのを知ってる?

かなりスローになっているけど、これはこれで味わい深い。さらに「BEGIN」もカバーしていた。

これも美しい。けっこう直球なカバーかな。

変化球で行こう。まずはジャズ。「Diana Krall」のバージョン。

めちゃくちゃいい曲であることを、あらためて実感させられる。これ、生で聴いてみたい。

次はレゲエ。「The Reggister's」のバージョン。

そんなに合っているとは思わないかな。でも、面白いので紹介。またおもしろ系で「Pusher」のバージョン。

EDMっぽいIn My Life。これは、なんかさっきよりもアリな気はする。でも、この曲はちゃんと王道の美しいものを選びたい。ということで、選んだのが「Madison Cunningham」バージョン。

これ、めちゃめちゃめちゃめちゃいいいいいいい……。

Madison Cunninghamは、アメリカのシンガーソングライターで、1996年生まれ。若いアーティストを紹介できてうれしい。これからも次の世代、次の世代にバトンタッチされながら、歌い継がれていくといいね。

Wait / Miscellanea Beat(2014)

この曲、あまり話題にならないような気が……。いい曲だとは思うけど、カバーはあまりなさそう。同一曲名がめちゃめちゃ多いと思うので、最初から「beatles」を加えて検索しよう。

何度も登場して申し訳ないが、やっぱこのTwitterみたいなジャケのアルバムがいい。

このアルバム、そもそもRubber Soulを網羅しているので、どうしても登場頻度が多くなる。そして、各カバーのクオリティがやたら高い。どうなってるんだ。これも素晴らしいな〜。

それと「Rubeer Folk」という名前のコンピレーションアルバムのWaitも良かった。

もともと悲しいメロディの曲だよねとは思っていたけど、それがより際立った感じ。めちゃ悲しいな、このWait。でも美しい。

この2曲、どちらもいいんですが。やっぱり「Wait」はもっとかっこよくないと、とも思うのです。そこで選んだのがこちら。

「Miscellanea Beat」のバージョン。イタリアのバンドのように思われるが、詳細は不明。ジャジャ!!ジャジャ!!というアレンジが斬新でかっこいい。

他にもビートルズのカバーが公開されており、どれもかっこいいので、要チェック。

If I Needed Someone / Nick Heyward(1995)

ジョージの曲。コーラスの魅力を生かしたカバーが存在しそう。どれほどのカバーがあるかは未知数。

……と思ったら、かなりの数のカバーを発見。しかも、さまざまなジャンルでカバーされている、カバー人気楽曲だった。

まずはレゲエ風の「Kemeleba」バージョン。

こんな解釈があるなんて、いきなりびっくり。ミュージックビデオも制作されていて、5万回以上視聴されている。けっこういいぞ。

次はカントリー風にカバーした「Balsam Range」バージョン。

ビートルズの楽曲はカントリーと相性がいいようで、どの曲にも必ずと言っていいほど、カントリーのカバーが存在するような気がする。

次は、ゴリゴリインド音楽な「Fábio Kidesh」のバージョン。

この頃のジョージはまだインド風の曲は出してないけれど、まあカバーがよくハマること。最初っからインドの音楽みたい。

こんな感じでさまざまなジャンルに料理されているIf I Needed Someone。これはちょっと意外だった。

おしゃれなIf I Needed Someoneとしておすすめなのは「Randy Bachman」のバージョン。

ちょっとおしゃれすぎて、原曲感がないのはアレだけど、かっこいい。

とってもミュージシャンに愛されている楽曲だったことが判明した、If I Needed Someone。数ある優秀なカバーの中で、ぼくが推したいのは「Nick Heyward」のバージョン。

ザラついたギターサウンドとともに始まるこのカバーもまた新鮮。コーラスも綺麗で、今風のIf I Needed Someoneという感じで好き。

Nick Heywardはイングランドのロックアーティスト。もともと「Haircut One Hundred」というバンドに属していたが脱退。その後、ソロ活動に。

代表曲はこちらの「Whistle Down The Wind」とのこと。興味があれば、ぜひチェックを。

Run For Your Life / Tok Tok Tok(2010)

ジョンの楽曲。ジョン本人も評論家からも評価は高くないが、ファンからの人気はそこそこあり、コピーバンドが演奏する風景もそこそこ見かける気がする楽曲。個人的にはシンプルでよい曲と思う。

やっぱりザッとみたところ、カバーはあまりなかった。あっても、原曲と大差なくて面白みがないものが多かったので、ちょっと変わり種を紹介する。「Tok Tok Tok」のバージョンだ。

ドイツのアコースティックソウルバンドなのだそうだが、このアプローチはめちゃめちゃ斬新ではなかろうか。なんかちょっと可愛いし。

この「Revolution69」というアルバムの中では、他にもビートルズのカバーを披露している。

Tok Tok Tokにかかれば、Lady Madonnaもこうなる。気になる方は要チェック。

……というわけで、カバー版「Rubber Soul」が完成した。

やばいよ。この時点で35000字を超えてしまった。

この記事、どうすんの?これ、記事って呼んでいいの?誰が読むの、マジで。もう読んでないだろ、今既に。俺しかいないだろ、ここには。

もう、この記事は俺と俺との対話、なのだ。

ゴールデンウィークはもう終わろうとしている。ビートルズはまだまだ続く。ようやく中期が始まったところだ。


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