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#3 カバー版「A Hard Day's Night」ができるまで

A Hard Day's Night(1964)

A Hard Day's Night / Glee Cast(2013)

さあ、超有名曲。これは当たり前にカバーがたくさんあるので、選ぶのが大変。でも、1曲目だし元気でご機嫌なカバーを選びたいという気持ちがある。

すると、すぐに見つかったのがアメリカの人気テレビドラマ「Glee」のキャストバージョン。

いや、これいいな。めっちゃいい。若くて元気なのがいい。この曲は、そういう観点で選んでいい気がする。どうかな?

I Should Have Known Better / Lisa Ekdahl(2021)

オリジナル楽曲。これもカバー曲のイメージはあまりないけど、たくさんありそう。

ビートリーなカバーが並ぶ中、異彩を放っていたのが「Lisa Ekdahl」のカバー。

曲のイメージと異なるしっとりした雰囲気。これはこれでよい。

Lisa Ekdahlは、スウェーデンのシンガーソングライターとのこと。ジャンル的には、ジャズになるのだろうか。

現在50歳ということで、なかなかの美魔女である。この「Grand Songs」というアルバムは2021年に発売された。この記事によると「ストックホルムの妖精」の異名を持つらしい。


If I Fell / 宮本浩次(2019)

これも超名曲である。どう考えてもカバーが多いので、選ぶのに苦労しそう。直感で選ぼう。

まず目に入ったのは超有名な「Maroon 5」のカバーだ。

非常に良いのだが、さらに目に入ったのがエレファントカシマシの宮本浩次のバージョン。

宮本浩次の声、この曲のハイトーンの部分とよく合う。力強く、優しい声。この曲、カバーしてたんだ。いいわ……。(宮本浩次、昨年ライブに行って以来、ちょっぴりハマっている)


I'm Happy Just To Dance With You / Lisa Lauren(1998)

オリジナル曲。初期のジョージの曲で、地味にファンの人気もある。これまでの傾向を考えるとなんとなく、ミュージシャン受けは良さそうで、カバーはあるような気がする。

やっぱり。めっちゃあった!なんとなく傾向を掴めてきた気がする。

聴いてみると、けっこう斬新なカバーが多くて楽しい。この楽曲もカバーしてもらうと、とってもメロディが美しいことに気がつく。

まず気になったのは、NetFlixで放送されている「ビートバグズ」のサウンドトラックのバージョンだ。

原曲からはかけ離れたアレンジだが、この曲の魅力を新たに引き出している。とってもポップな曲なんだなあ。ちなみに「ビートバグズ」は、ビートルズの名曲を口ずさみ、裏庭で暮らすゆかいな虫たちの世界を舞台にしたテレビシリーズだ。知らなかった。

しかし、ここで選ぶのはこのバージョンではない。より、この曲のメロディの良さを感じられるバージョンを発見した。それは「Lisa Lauren」のバージョンである。

原曲のメロディの良さがよくわかる、とてもよいカバーだ。Lisa Laurenの詳細は不明だが、ビートルズがとても好きなのだそうで「Lisa Lauren Loves The Beatles」というアルバムも発表している。その中の「Dear Prudence」を聴いてみて、またびっくり。自分のものにしているなぁ。

アルバムはAmazonレビューによると「2011年度のピーターバラカン氏の選ぶ年間BEST 10に選ばれた」とのこと。いろんなカバーを聴いてみると楽しいかもしれない。

And I Love Her / Kenny Lattimore(2008)

いくらでもカバー曲がありそうな、ポール・マッカートニーのど名曲。これも決断が難しそう。

まず気になったのは、NirvanaのKurt Cobainがすげえ低音で歌っているバージョンだ。こんなのあったんか。

それにしても、単なるホームレコーディングなのになんて雰囲気のある、迫力のある演奏なのだろう。オーラがすごい。

しかし、ホームレコーディングをプレイリストに入れるのは気が引ける。そこで、選んだのがサウンドが洒落てて面白かった「Kenny Lattimore」のバージョン。

Kenny Lattimoreは、アメリカのシンガーソングライター。全然知らなかった……。

Tell Me Why / Bootik Moosik(2014)

この曲は日本ファンの人気がそうでもないが、カバー曲は多そう。いかにもビートルズらしい、元気でポップな楽曲である。カバー曲も元気の良い、ご機嫌なものを選んでみたい。

ただ、この曲名である。「Tell Me Why」って曲多すぎ。流す曲、流す曲、全部違う曲だわ……。「嵐」まであるじゃん。

そんな中「いいなぁ」と思ったのが「Bootik Moosik」というバンドのバージョン。

ビートルズの「Nowhere Man」ばりに、最初のハーモニーで食いついちゃいます。そして、その後はなんだかレゲエ風の「Tell Me Why」。これはこれで面白い。

Bootik Moosikの詳細については不明だが、他にも多くのビートルズカバーの作品を残している。どれもかなり面白いカバーとなっており、一聴の価値がある。カバーする人、する人でそれぞれに違うビートルズの姿があるっていうの、面白いなあ。

Can't Buy Me Love / The Righteous Noise(2020)

また出ました、超有名曲。これもカバー曲は超多いはず。

いろいろ聴いてみると、この曲がなかなかジャズ業界で人気だということがわかった。女性ジャズボーカリストのカバーが多い。たとえば、綾戸智恵もカバーしていた。

こんな感じのジャズのカバーがいくつかあった。こんなことは全然知らなかったので意外だった。

ただ、この曲の良さは疾走感と共に「愛は金で買えねえ」と歌い切ることな気がするので、疾走感のあるカバーを選んでみたい。

そんな時に目に留まったのが、「The Righteous Noise」のストレートなカバーである。

どストレートでかっこいい。この曲はロックなんだ!ということを思い出せてくれる、いいカバーだ。聴いていて気持ちがいい。

The Righteous Noiseは詳細がわからないが、おそらくアメリカの若手ロックバンドだと思われる。公式サイトは存在を確認している。


Any Time At All / Bryan Adams(2014)

この曲もTell Me Whyと同じように、マイナーなんだけど、ビートルズっぽいポップな名曲。この時期、ジョン・レノンはこんな曲ならじゃんじゃん書けたのだろうか。個人的には、子供のころから大好きな楽曲。

さて、これから探そうと思ったら「Bryan Adams」のクッソかっこいい音源が見つかって、戦意喪失。

もうこれでいいだろ。めちゃかっけえええええええ。

ちなみにBryan AdamsはRock And Roll Musicの超かっこいいカバーもあります。素晴らしい。

I'll Cry Instead / Doc Mason(2020)

ジョン・レノンの楽曲。この曲もなんかミュージシャン人気高そうな気がするので、いいカバーがありそう。

やっぱり……。すごい量だ。

即見つけたのは、ライブバージョンではあるが、Billy Joelのカバー。知らなかった。

あまり特筆するような面白いカバーが見つからず、いろいろ聴いて回る。そこで見つけたのが「Doc Mason」のバージョン。

西部劇かよ。

西部劇でI'll Cry Insteadは絶対に流れないだろ。でもいいよね。合ってる。

Doc Masonが何者なのかはよくわからないけど、他にもビートルズは演奏されてあった。

西部劇の中のビートルズって感じで、超面白いんだよね。なんなんこれ。もうちょっと聴く??

こんな面白いのに、めちゃくちゃマイナーでSpotifyも全然聴かれてません。

こういうのが見つかっちゃうのが、サブスクのいいとこだよね。


Things We Said Today / Larry Carlton & Michele Pillar Carlton(1996)

これも初期ポールの名曲。絶対いいカバーがあるはず。見ていこう。

……と思ったら、早速大御所の「Larry Carlton」のバージョンが見つかる。雰囲気があってかっこいい。

いや、超いいな。これにしよう。文句ないわ。

たまにこういうのある。

When I Get Home / The Beatles Tribute Band(2008)

うわー。これ、あるんかな。いいカバー。さすがにあんまり自信ないかも。ファンの間でもあんまり話題に出ない曲な気がする……。だからこそ、逆にかっこいいカバー知りたいぞ。

やっぱりこの曲名はいっぱいあるけど、ビートルズのカバーが全然ない……。こういう時は「beatles」を足して検索。

ついに彼らに頼る時が来そました。The Beatles Tribute Band。

ど直球なバンド名がいいね。ずっと、クオリティの高いカバーを他の曲でも聞かせてくれていたが、サウンドにオリジナリティがないので敬遠していた。ここで登場させておく。

The Beatles Tribute Bandには、YouTubeチャンネルがあるのだが、そのチャンネルを見ると、どうも演奏している場所はインドネシアのようだった。インドネシアのビートルズトリビュートバンドなのかな。

You Can't Do That / The Grip Weeds(2020)

この曲、めっちゃ好き。A Hard Day's Nightの中でも、トップクラスに好きな曲。これはかっこいいカバーが絶対あると思うし、ミュージシャン受けも良いと思うので、カバー多そう。

やっぱりぼく、この曲は原曲が好き。だからこそ、原曲のグルーブ感とスピード感はそのままに、音は今風になったやつが聴きたい。その欲望に合致したのは、「The Grip Weeds」のバージョンでした。

The Grip Weedsはアメリカのニュージャージー州で活躍するロックバンドなのだそう。ビートルズが好きなようで「The Inner Light」を超かっこよくカバーしてました。

めっっちゃよくない?これ。「Strawberry Fields Forever」もよかったよ。


I'll Be Back / Roger Nichols & The Small Circle Of Friends(1968)

ぼくは「I'll Be Back」といえば、ターミネーターではなく、ハードデイズナイトです。この曲もミュージシャン受け良さそうだ。めっちゃカバーありそう。

まず「いいなあ」と思ったのは、The Parrotsで活躍されていたチャッピー吉井さんのバージョン。

ハワイアン風とのことだが、そこまでこってりなハワイアン感はない。でも、どこか南国感はあって、癒される。これもいいんだけど、ただそれ以上に個人的に「いいなぁ」と思ったのが「Roger Nichols & The Small Circle Of Friends」のバージョン。

この曲の哀愁がより増しているような感じがして、めっちゃいい。これ、1968年の音源だそうです。いやー。いい。こんなにいいカバーがあったのか。ハーモニーも美しい。

というわけで、カバー版の「A Hard Day's Night」が完成。これもいいアルバムになったなあ。

さあ、この記事を書き始めて、丸1日が経過。文字数は1万5000字を突破。もう誰も読んでないだろうが、ここまで来たら止められない。なんだか、ハイになっている。 俺、どうなっちゃうんだろう。Keep On Rockin'

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