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BOOKノート【A】

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2020年4月の記事一覧

ハーバードの人生が変わる東洋哲学【bookノートA】

今日、自分の本当の姿を見つけ、内なる真にしたがって自己の人生を「忠実に」生きることが目標とされている。

しかし、ありのままの自分にこだわりすぎて、特定の場面で生じる感情を自分の特徴だと思い込むと、自分の可能性を限定してしまうおそれがある。

中国の思想家たちは、どの人も絶えず変化する存在だと説く。

例えば、自分のことを怒りっぽいと思っている人間を見たら、それは行動がパターン化したにすぎず、本来

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人の心は読めるか?【bookノートA】

出会って瞬時に相手を判断することは問題である。

第六感は瞬時に働き、あとから修正されることも少ないからだ。

第六感の一番の問題は、相手の内なる考えが、表情やしぐさや話し方によってのみ表れる点である。

人間は、相手の態度から本心を読みとると同時に、表に出る態度を利用して、相手をわざと誤解させたり、嘘つきやペテン師になったりする技術も身に付けている。

相手の心を読みとる能力は、親友や親族、同僚

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影響力の武器【bookノートA】

日常の判断を行う際、私たちは自動的反応を用いることが多い。

この簡便反応の利点は、単純な思考で物事に対応できる経済性と、より早く正確に適切な対応が出来る効率性にある。

承諾誘導は、大きく6つのカテゴリーに分類できる。

・返報性

・一貫性

・社会的証明

・好意

・権威

・希少性

である。

これらの原理は社会の中で生きる人間にとって不可欠な心理的反応であり、多くの場合は適切な判断を

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事実はなぜ人の意見を変えられないのか?【bookノートA】

他人の考えに影響を与えられるかどうか、あるいは他人の影響で自分の行動を変えるかどうか、それぞれの決め手は何か。

何百万年という人類の歴史において遺伝情報に刻まれた行動の原理が理解できれば、他人の反応をより正確に予測できるかもしれない。

その観点でいくと、「他人の考えや行動を変えられる」と多くの人が信じている方法は、じつは間違っていることに気づく。

そうではなく、相手の脳の働きに寄り添う必要が

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思考実験【bookノートA】

人生やビジネスにおいては、重大な意思決定を迫られる。

どの選択肢を選んでも痛みが伴う場合や、決定のデッドラインが差し迫っている場合もしばしば。

そんなとき、冷静に、納得のいく判断ができるだろうか?

本物の思考力とは、頭が汗をかいてはじめて身につくものだ。

これをくり返すうちに、物事の本質を見る目や、予想外の状況で冷静に判断する力を養える。

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思考実験とは何か。

それは、ある特定の条

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AIvs.教科書が読めない子どもたち【bookノートA】

AIが神に代わって人類に楽園をもたらすことはないし、逆に人類を滅ぼすようなこともない。

しかしいまある仕事の多くが今後、AIに代替されるのもまちがいない。

そしてその未来はすぐそこまで迫っている。

流行り言葉に踊らされず、冷静に現状を見すえなければ、未来に備えることはできない。

本当の意味でのAI(人工知能)はまだ存在しない。

よってシンギュラリティ(技術的特異点)が近いうちに起こるのは

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死とは何か?【bookノートA】

宗教的な教えに頼らず、あくまで論理的思考を用いて「死」を捉えていこうとするとき、そこに何が立ち現れてくるのか。

死について考えるときに重要なのは、「二元論」と「物理主義」の見方を区別することだ。

二元論者は人間を「身体と心の組み合わせだ」と主張する。

二元論者にとって心とは魂そのもの、もしくは魂に収まるものだ。

一方で物理主義者は、精神的活動としての心は否定しないものの、魂なるものは存在し

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