「差別?」と話題の、男子禁制イタリアンが正直いい店だった件


 やあ、貴殿ら。

 ノーブルな中に垣間見える気さくな人柄で婦女子を夢中にさせ毒牙にかける危険な色男、岡ぱみゅさんですよ。

 これとこれの続きです。

「差別?」と話題の、男子禁制イタリアンに行ってきた

「差別?」と話題の、男子禁制イタリアンが割と美味かった件


 かいつまんで御説明いたしますと「ツイッターなどで『男性差別では?』と話題になっていたイタリアンに行ってみたら、たしかに女性向けなんだけど割と男もいた。で、美味かった。しかし会社や学校の飲み会とかで使えるぐらいの満足度はあるの?」って話であります。

 まー、とにかく食い放題なんだから極限まで行ってやろうということで、さらにオーダー。牛のタリアテッレ、イタリアンハムの三種盛り(プロシュート、ナポリサラミ、モルタデッラ)、そしてコールドビーフと、肉肉アンド肉の肉猛打賞。たぶん、お父さんの給料日にメンチカツを食べるのが精一杯で、すき焼きなど誕生日ぐらいにしかお目にかかれなかった昭和30年代の日本人が見たら財閥の食卓だと思うのではないでしょうか。


 さらに「牛肉ばかりじゃ栄養バランスが崩れるな」と感じたため、ラムをオーダー。牛肉じゃなくて羊ならば、ヒンズー教徒も安心であります。

 肉ばっかりじゃアレだよねと注文した、スモークサーモンとクリームチーズのタリアテッレ(上に載っているのはキャビアですが、たぶんランプフィッシュの物)や、クラムチャウダーとともにいただきます。


 で、まあサーモンとかクラムチャウダー食って「やっぱ魚介も食わなきゃな」ってことで、ズワイガニ+本日の鮮魚(鯛のソテーと海老)+カツオのカルパッチョ、さらに牛肉のラグーも追加オーダー。もう食えねえ…いや待て、まだ食べ放題の時間は余っている!たたかえ俺!負けるな俺!

 それにしてもですねぇ、この、メニューにズワイガニを入れるというセンスたるや、さすがは歌舞伎町の「女性向け店舗」ですよ。一般的に、カニという物は、食ってる時間よりも解体してる時間の方が長くなり、無言でパキパキとハサミ入れる作業に追われるわけですが、これがアンタ、同伴出勤だったらどうですか?

 この客ウゼェな、このあと店でも喋らなきゃいけないのに、なんでメシ食いながら口説かれなきゃならねえんだよ……と考えたおねえさんが「あたしカニ食べたーい」と言い始めたら、そりゃオッサンはオーダーしてしまうわけですよ。しかも「いやーん、ネイルが傷ついちゃうから剥けなーい」とか言われたら、オッサンはパキパキパキパキと剥いてあげざるをえない。そして剥き終ったカニ身なんて5秒で食い終る。「やーん、おいしー!もっと食べたーい!」の無間地獄ですよ。わかるか、これが歌舞伎町における「女性同伴なら男もOK」という意味だ!

 あるいは逆に、シャネルに身を包んだマダムが若いホストを連れて「フフフ…アンタは新宿の夜に煌めくNo1になれる素質を秘めてるわ。お店じゃドンペリ何本でも入れてあげるから、まずは腹ごしらえでもしなさい?」と。それが歌舞伎町だ!


 脳内で嬢王と夜王が共演し、白スーツを着た男たちが「ロミオヘようこそジュリエット!」とか、聖也さんが「さえずるな!」とか叫んでる光景が目に浮かぶなか、そろそろ炭水化物でも食うかってことで、カルボナーラとリゾットと窯焼きピッツァをオーダー。

 ピッツァは石窯で焼いた本格派で、クアトロフォルマジオとポモドリーニ・マルゲリータのハーフ&ハーフ。と書いてる自分も何だかよく分かってないのですが、とにかく「チーズ系」「トマト系」が半分ずつになったヤツで、香ばしくて美味しかったです。生地はモチモチふんわり系だけど、表面はパリッとしてておいしい。


 カルボナーラは、クリームを使わずに卵とチーズだけで作ってあり、カルボナーラにありがちなベタベタ感がない。ベタベタしてないんだけど、卵で和えてあるので、言うたら釜玉うどん的な「濃厚だけどサッパリしてる麺」といった味わいで、ナンボでも行ける感じ。

 

個人的に一番オススメなのがリゾット。モントエマーレという、香川県のサッカーチームみたいな名前ですけども、MONTとMAREってことで、海の幸と山の幸のダシが利いてて、鍋の最後に喰う雑炊みたいで美味しい。アサリとか載ってるしな、貝のダシとコメだしな、なんかこう……飲んだあとの〆とかに凄く良さそう。


 ということで、古代中国の皇帝が催した宴席のように「食いきれるかどうかはともかく、出せる物は全部出せ」的な暴虐の限りをつくしたわけですが、実はこのお店、食い放題は100分・ラストオーダーは80分の時点ってことで、注文できるのは実質1時間チョイなのですよ。つまり会話に花を咲かせるでもなく、ストイックに欲望をみたす(語義矛盾)ことに集中して、ひたすら「食い」モードもしくは「飲み」モードで挑めば結構な量を食うことが出来るんだけど、そもそも「元をとるべく大量に飲み食いすること」を前提としていない、女性同士の、あるいは女性と男性がデートに使うことなどを想定したお店って感じがします。食べ放題ではあるけど、大量に食うのではなく「いろいろ楽しめる」ことを売りにしているというか。

 その「いろいろ楽しめる」の典型例がデザートでして、まぁ、このようにワンプレートの盛り合わせなどを頼めば、見た目にも華やかで一緒にいろいろ楽しめるわけです。


他にもハーゲンダッツ食べ放題(!)という物もセットでついてきます。一般的に女子は糖分に飢えており、雑木林でクヌギの樹に蜂蜜を塗っておくと明け方にカブトムシと女子が群がっているとも言われますので、女子の皆様、あるいは糖分をエサに女子を誘いたい男子の皆様などにはご活用いただけるのではないでしょうか。


 てなわけで、普通に「イタリアン食い放題の店」として実にコスパの良かったコンテラッツァ。男性客のみの入店を断るのは如何な物か、という話はあれども、たしかに店のコンセプトやシステムとしては「女性客もしくは女性+男性」にフィットするつくりではありました。

 で、なんで東洋一の歓楽街として男性客が圧倒的に多い歌舞伎町でこんな店を作ったのか、しかも、どんな事業者よりも歌舞伎町を熟知しているメトログループが……と考えてみるに、目の前にね、『俺のイタリアン』があるんですよ。アチラさんは、もちろん女性もOKなんだけど、コンセプトとして「野郎ども、安くて旨いイタリアンを、立ち食いでガッツリ食おうぜ!」って形で、主たるターゲットが男性。じゃあ、その店とどうやって戦うのか、歌舞伎町を今後どうするのか……というと、「女性でも遊びに来られる街にするため、俺のイタリアンの逆のコンセプトで闘う」って形になるよなー、と。


 末筆ながら、同じシステムで運営していた新宿高野のフルーツバーは、市民団体が「これは問題ではないのか?」と東京都に問い合わせたところ、都が事実確認をした上で、必要に応じて指導(強制力や罰則は無い)をすることになり、高野側も「では、時間を区切った上でシステム変更します」ということで、夕方17時以降は男性のみの入店も可能になったとのこと。

 こうした「属性による入店の拒否」は、たとえば外国人NGとか女人禁制とか障害者は来るなとか銘打ってしまうと問題視されるケースが多いのですが、実は、事実上そのようなシステムで運営されている店は多く、たとえば性風俗店に同性愛者の女性が入店できるかというと「男性のお客様のみのご案内となっておりますので…」とか言われることもあったりするわけです。また、事実上、車いすでは入店できないようなところも。

 そうした事例に比べると「女性と一緒なら、男性客もOK」という制度は“突出して悪質”とは言えないのかも知れません。また、新宿高野の件でもわかるように、行政が動いたとしても罰則や強制力はないので、最終的にはお店が「ウチはこういうやり方で行くんだよ!」と言い切ってしまえば、たぶん事態は動きません。

 ただ、属性による入店の制限ではなく、プラスのインセンティブを働かせるシステム、つまり「65歳以上の方は半額」とか「A大学の学生はビール1杯サービス」とか「外国人のお客様は2割引き」とか、そうした物は問題視されることが少ないので、それを活用して「通常料金は4万円ですが、女性もしくは女性と一緒の男性は9割引きで4000円」という形になったりすると、あの店は美味しいけど高いから一緒に来てよ、と男性が女性を誘いやすくなったりするんじゃないかなー、とか思いました。

 いや、まあ、とにかく、いい店でしたよ。

 美味いし安いし雰囲気いいし。商売上の理由は色々とあるだろうし、男の歓楽街としての側面が強い歌舞伎町を「女性でも楽しく遊びに来られる街」にしようという理念も尊重しますが、せっかくの良い店なので、もうちょい男性客にも敷居下げた形(たとえば、近所に男女問わず入れる2号店を作るとか、入店自体はOKにした上で男性が近くにいると落ち着けない女性客の為に席を分けるとか)になると、もっと行きやすくなって嬉しいな、と。

 そんなわけで、ジェンダー論とかには触れないまま終わります。下手に触れると大炎上しそうな話題には一切タッチせず、グルメリポートだけして安全にアクセスを稼ぎたい、そんな理念でnoteやってます。

 以上。


Con TERRAZZA (コン・テラッツァ)新宿

 東京都新宿区歌舞伎町1‐23‐14 第1メトロビル1階

 16:00~23:30(年中無休)


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コメント2件

タリアテッレと書いているものに、どれもタリアテッレらしき麺が見えないのが気になります…
失礼…タリアータです
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