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上官に反抗した兵士がいた!?「不死身の特攻兵」から見える「今の日本の生き辛さ」(加筆修正版)

日本社会に嫌気がさしている皆様は 鴻上尚史さん の本を読むことをお勧めします。「自分のこの感覚は間違いじゃないんだ」と心が楽になることでしょう。

今回は作家・演出家であり、NHKの番組「COOL JAPAN」の司会でもおなじみの鴻上尚史さんの書籍「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」(講談社現代新書)をご紹介します。


日本社会に嫌気がさしている皆様にはぜひ読んでもらいたい1冊です!本当に勇気をもらえるので!

生きていた特攻兵

鴻上さんがある本の小さな記述によって、不死身の特攻兵・佐々木友次なる人物が存在したと知ってからしばらく経ったある日、番組プロデューサーからから思いがけない知らせが入った。「佐々木さん、生きてますよ。」

それから鴻上さんは仕事の合間をぬって佐々木さんのいる札幌へ通い、計5回のインタビューを行いました。

実際にご本人からお話を聞いているので、作戦中の描写も臨場感が段違い。当事者しか知り得ない兵士たちの本音を知ることができます。

戦地で死なないために

僕がいちばん驚いたことは、陸軍の中の一部隊にあって、上層部の命令を無視して、生きて帰るための作戦を立てた隊長がいたという事実です。

隊長の帰還作戦を聞いて佐々木さんら隊員は「生きる」という選択肢に希望を見出しました。

納得できない指示に対しては従わず、しかししっかりと特攻に替わる作戦を立てて特攻と同じ効果を出す。普段から厳しい訓練を積んでるにも関わらず、「体当たりして死ね」と言われた飛行機乗りのプライドと仕事(作戦)に対する責任を感じました。

僕はこの本を読むまで、軍隊には上官の言うことには逆らわない兵士しかおらず、そう教育されていくものだと思っていましたが、僕たちがそうであるように、しっかり自分の意志をもっていたんですね。当たり前ですが時代が違っても人の感情というのは大きく変わらないということに気づきました。

ちなみに特攻のための戦闘機は爆弾の格納庫がなく、途中で爆弾を落とすことができなかったそうですが、その点も隊長が整備士に頼み込んで爆弾を落とせるようにしてもらったそうです。その時の整備士の言葉が残っています。

「操縦士も飛行機も足りないという時に、特攻だといって、一度だけの攻撃でおしまいというのは、余計に損耗を大きくすることだ。」

冷静に状況を鑑みれば分かりそうな事ですが、上層部にはその冷静さはなかったのでしょうか。

あの時の名残

特攻作戦は日本が劣勢となったからとられたものです。そんな時に使い捨てで飛行機をバンバン相手にぶつけろ(実際はほとんど迎撃されたり命中せずに海に沈んだそうです。)なんて、上層部は現場の状況を知らなかったんでしょうか。今の社会に通じるものがあるなあ。

これを読んでいると、陸軍の上官はことごとく精神論を振りかざしてくるんですね。理由もよくわからないし、竹槍作戦に代表されるように勝ち目のない作戦をいうことを自信満々に言ってくる。

そして日本にはそんな戦争中の精神主義が戦後も残ってしまいました。

その精神主義は戦後日本の急速な復興と発展を後押ししました。このあたりは精神論のおかげもあるのでしょう。しかしもうちょっとゆっくりでもよかったのでは?と無知で無責任なことを思ってしまいます。

僕は今年(2019年)に29歳になりましたが、3つ上ぐらいまでなら普通にいますもんね、精神論者。役職者に多いような気がします。

同じ時代を生きてきたはずなのにどうした!?と驚きますね。過ごしてきた環境の影響って侮れないですね。

現在は考え方も働き方も生き方もすべてが多様化している時代です。自分以外の多様性を認めることは自分の考え方自体を自由にすることにも繋がると思います。

社会が変わるために

この「不死身の特攻兵」から、いかに無茶な精神論が組織を人を滅ぼすかがわかれば、現在の社会で何が間違っているのかを測ることができ、また、どうすればより良い社会になるのかを考えられるのではないでしょうか。

そして、より多くの人たちがより良い社会を目指すことで私を含む日本社会に嫌気が差していると感じる人を減らすことができるかもしれません。

そんな社会を望んでいます。

社会に生き苦しさを感じている方にはこちらもお勧めします。

今が辛い、しんどいと感じているあなたへオススメします。
ではまた。けびんでした。


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