見出し画像

あの時の歌が聞こえる 中巻

第六話「共通」

「ここにいたのか」

見つけた見つけたと佇んでいる人物は春日野圭だった。僕はわけがわからなかった。

彼はさっき別れたばっかしだし当たり前だが家の方向も真逆だ。しかもカラスとの関係が全くわからない。

「ありがとな、ルーク」

春日野はカラスに対してかがんで頭を撫でた。それからポケットからパンの欠片をとってカラスに与えた。

ルークってカラスのなまえか?そこまでカラスを愛でているのか?変わった趣味すぎて僕は春日野に対する評価が1下がった。

春日野はぽかんとしている山内に舌打ちをしてから口を開く。

春日野の眉間は血管は浮き出てはいないが少しシワがよっている。

『こいつの性格、マジで嫌いだ』

ここから先は

15,842字

¥ 350

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?